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ポンチの話(道具編)

おさむちゃんで~す!

すみません。どうしても言いたかったんです。反省しています。

カードモデルを作っていると、小さい円を大量に切り抜くという工作が時々必要となります。
1~2センチぐらいなら、カッターコンパスでクルクルと切り抜けばいいのですが、もっともっと小さい円、例えば直径4ミリや2ミリ、さらには1ミリなんて円を切り抜く事を要求されることがあります。こうなると、カッターコンパスでは歯が立たない。

少数なら工夫でなんとかできないこともありません。
「穴を開ける」といっても、2種類のパターンがありますが、例えば艦船キットの窓など、パーツに丸い穴を開ける必要がある場合には、ナイフの刃先でつついてつついて一回り小さい穴を開け、目打ちですこ~しだけ穴を広げて整形することでけっこうきれいな丸い穴が作れます。
その反対に戦車のリベットなど、直径数ミリで切り抜いた円がパーツになる場合には、大きめに切って、ナイフで押し切る感じで少しづつ周りの余白を削って整形するという方法もあります。
しかし、艦船の窓や戦車のリベットなんて1つのキットに何十とあるので、こういった方法で片付けようとすると1キットの製作に軽く数年はかかってしまい、数年に1キット買うだけならカードモデルは大変安上がりな趣味になって家計は大助かりですがメーカーがキットが売れなくて破産してしまいます。あと、製作日記を上げた時にあまりの進展のなさに読者が卒倒します。

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そこで、これ! ポンチです!
(わ~っ!)←スタジオの主婦達の歓声。

革細工でよく使われる工具なので、クラフト系の店ではレザークラフトのコーナーに置いてあることもあります。
自分はホームセンターのレザークラフトコーナーで写真の通り、1本500円で1ミリ、1.5ミリ、2ミリを買いました。手書きの数字が見えるのは、穴の大きさが「号」で表されていてすぐに大きさを忘れるのでシールで貼ったものです。ポンチのサイズは本来は1号0.3ミリで0.3ミリ刻みになっているそうなんですが、実際に打ち抜いたものを計ってみると、そうはなっておらず0.5ミリ刻みの近似値(例えば3号の0.9ミリが1ミリに)となっている事も多いようです。
ちなみに、その後もっと安いポンチを見かけるたびに径の違うものを買い足していたのですが、安いポンチはあっというまに錆びてしまったり、そもそもフチに刃がついていなくて紙を打ち抜けなかったりするので結果的には「安物買いの銭失い」となってしまいました。

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で、こっちは回転式ポンチ。この道具一つで2ミリから4.5ミリまで0.5ミリ刻みで自由自在。確か1500円ぐらいで買ったはず。ところでわしの手元にある写真の回転式ポンチ、生産国はおろかメーカー名も入っていないんですが、どこで作られたものなんだろう?

「0.3ミリづつじゃ大まか過ぎる」というモデラーは彫金で丸く整形するのに使う「ナナコ」という工具を使うそうで、これは本来小さい半球を作るためのものらしいのですが、紙だと薄いのでポンチとしても使えるんだとか(あんまり径の小さいのは無理かも)。「ビーディングツール」とも呼ばれ、0.05ミリ刻みで二十数本セットのものが一般的らしいのですが、とりあえず自分は持っていないのでパスしまーす。

さて、それではポンチを手に入れたら、すぐさまスッポンスッポンと打ち抜いてハッピーなリベットがザクザクウハウハと手に入るのか、というとこれがなかなかそうはいかないわけで……
こっから先は「ポンチを使うテクニック」として、自分の経験に基づくネタを後日披露していきたいと思います。
それではまたー。

テーマ : 模型・プラモデル・フィギュア製作日記
ジャンル : 趣味・実用

金属線の話・2

前回は、どんな場面で金属線を使うのかを大まかながら説明させていただきましたが、今回は自分が使ってる金属線を紹介することであわよくば「それより、こっちの方がイイよ」という意見をもらってしまおうという内容です。

まず、自分が最も良く使っている「真鍮線」から。
真鍮線は大きめの模型屋なら数本入って200円ぐらいのものを良く売っていますし、近所のホームセンターのクラフトコーナーでも扱っている代表的な素材で、太さも各種あるので助かります。
自分は1.0ミリ、0.5ミリ、0.3ミリを常備していますが一番良く使うのは0.5ミリですね。戦車の取っ手なんかは大抵0.5ミリです。0.3ミリはバイクのサイドミラーの支柱に仕込んで、角度を維持できるようにするなど主に補強で使います。って言うか、ああいう部品って中に金属線入れないと紙自身の重みでだんだん垂れ下がってきません?
1.0ミリは、この太さになると硬くて加工がし辛いので正直ほとんど使いません。
真鍮線の長所は真っ直ぐの棒で売っているので、切り離しただけでピシっとした真っ直ぐな切れ端が手に入ること、細くても硬さがあるので補強に最適なことです。
その反面、硬すぎるために細かい工作が難しいという欠点があります。
あと、素手で触ったまま放っておいたら錆びました。(´・ω・`)しょぼーん。
真鍮って、銅の合金だから緑青吹いて青くなるんだと思っていたんですが、赤錆が浮きましたね。なんなんだろう、あれ。

さらに太い部品を作る場合には、自分はクラフト用の「アルミ線」を1ミリ、1.5ミリ、2ミリと一応揃えていますが使う機会はあまりありません。アルミ線は園芸用コーナーでも手に入るらしいです。
アルミ線は軟らかい上に巻いて売っていることが多いので、真っ直ぐな棒を作るのには向いていません。しかし、1ミリ以上の棒ならコピー紙にノリをつけながらきつく巻いたほうが真っ直ぐで加工しやすいものが手に入るので、アルミ線を無理に真っ直ぐに伸ばすこともないでしょう。
色を塗れば、排気管のようなチューブの表現にもいいかも知れません。

そして細くて軟らかい線が欲しい時には、自分は電気工作用の「すずメッキ線」を使っています。とりあえず手元には0.3ミリを常備していますが、すずメッキ線も太さはかなり種類があるので用途に応じて使い分けてもいいかも。
すずメッキ線はとにかく軟らかく加工がしやすいのが長所で、例えばBT-5の砲塔吊り下げリングを作るのに1ミリの真鍮線にすずメッキ線を螺旋状に巻きつけてからニッパで螺旋の一部を切り、平らに整形することで金属のリングを作って表現しています。

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あと、すずメッキ線は酸化、腐食に強いのでいつまでも光っててキレイ。
もちろん、この軟らかいすずメッキ線を補強に使っても意味ないので注意。

まぁ、こんな感じで用途に応じて金属線を使い分けています。
なお、艦船のカードモデルをやる人は空中線や手摺のために鮎釣り用のメタルラインも使う場合があるそうで、これは細いものではなんと太さ0.05ミリ以下だとのこと。お値段は12mで5千~6千円と、けっこうなお値段。他にも空中線のためにパンストを解いて細い糸を手に入れるとか。
ライン一つとっても、まだまだカードクラフトの道は奥深いってことですな。精進精進。

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金属線の話・1

なんか昨日は寝不足でダウンでしたよ。
海外製「カードモデル」と、日本人のイメージにある「ペーパークラフト」との差として、基本的にペーパークラフトが単一の紙だけでできているのに対し、「カードモデル」では様々な材料、マルチマテリアルが当然となっている事が挙げられると思います。もちろん、例外も多くありまして、ずいぶん昔に買った本ですが「切り抜く本・世界の戦車」には転輪用の厚紙(円形の打ち抜き加工済)と履帯用の片面段ボールがついていました。
「紙でどこまで表現できるか」という事を「ペーパークラフト」の一つの「面白さ」であるとすると、厚紙だの針金だの使ってしまう海外製のカードモデルは「邪道」なのですが、まぁ、使うとカッチョ良く仕上がるし、固いこと言いっこなしで楽しければいいじゃない。
そんなわけで、海外製カードモデルのマルチマテリアルの定番、「厚紙」に続いて「金属線」の話です。ちなみに飛行機のカードモデルを組む人にはキャノピー用の「透明フィルム」も定番。さらにジェット機の曲面キャノピーのために塩ビ板をヒートプレスする人もいますけど、そこまではやった事がないのでここでは当分先までその話は出てこないと思います。

金属線、平たく言うと針金をカードモデルの何に使うのか言うと、まず紙で表現不可能な「ライン」や「棒」の表現です。例えば、複葉機の翼を支えている「張り線」。これを省略してしまうと、複葉機はなんとも心細い感じになってしまいますし、かと言ってそれを紙を細切りして貼ろうとしても弛んだり切れたり、切れない太さにすると「きしめん」が張り巡らしてあるみたいになってしまうし……と、いうわけで金属線の登場ですよ。ちなみに糸でやろうとするとピンと貼るのが至難の業。
他にも機銃やハッチの取っ手、ソビエト戦車の随伴歩兵用手すり、時には3ミリぐらいの太いものを戦車の排気管などに使う場合もあります(3ミリぐらいになると、パーツ化されている場合も多い)。
それとは別に、金属線を補強のために使う場合もあります。この目的でよく使われる部分として、飛行機の着陸脚があります。着陸脚の棒とタイヤ部分は、時に本当に狭い部分でしか接していない場合があり、しかもそこへ機体の全重量がかかってくるので、これは紙と紙の接着では絶対に強度不足。そこで、中に金属線を仕込んで強度を稼ぐというわけです。

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画像はMALY MODELARZのポーランド軍試作重戦闘機PZL-38「Wilk」の説明書から。脚部に「Z3」の針金を差し込むように指示があります。関係ないけど、このキット写真右下に写っているように一度間違えて変な場所にホチキス打った跡が……その影響でパーツにも若干のダメージがありますが、関係なく売ってしまうのがポーランド人クオリティ(笑) ま、紙が柔らかいので押し花みたいに軽く濡らして重石を載せておけば、これぐらいのダメージはごまかせると思います。

さてじゃあどんな金属線を使おうか? というところでまたも終わってしまうのが毎度のパターン。
次回は、わしが使って「使いやすかったよ」というオススメの金属線大紹介! って言うほど、実はいろんなものを試してはいませんが。

おまけ。
Answer社のSd.kfz252装甲ハーフトラックの金属線指示表。

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なにがなんだかワカランよ……

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厚紙の話・2

どーも、どーも。
厚紙の話が中途半端に放ったらかしだったのを突然思い出したので片付けてしまうですよ。
「前回は手頃な厚さ、手頃な固さのいい厚紙が手に入らない」ということで頭を抱えて終わったわけですが、一式中戦車の心材を鼻歌まじりで切り出している時点で、まぁなにか解決策があることはバレバレなわけですよ。

最初は、塾の講師をしている姉が「そういう紙なら業者のテストを買うと中身の保護のために1包みに1枚入っている」と言うので帰省の時に持ってきてもらって、これはなかなか良好だったのですが、「カードモデルを始めようと思う方は、まず姉に塾の講師になってもらいましょう」ではあまりにハードルが高いのでこれをもって解決とするのはやめました。

それで結局、どうしたのかと言いますと、ちょいと話は長くなるんですが一旦話は変わりまして、ディズニーチャンネルに「アートアタック」というコンテンツがあるんですが、内容は一応「子供向けの工作」となっているもののイギリス製の番組なので日本人とは違うセンス、違うアプローチが多く登場するために見ていて飽きません。で、その番組内で「厚紙」といえば「シリアルの箱」を使うのが定番なんですね。シリアルの箱って言ってもRS232Cケーブルが入ってる箱じゃないですよ。オッサンギャグですね。
シリアル食といえばコーンフレークですが、コーンフレークの箱って「厚紙」って言うほど厚いか? というのが最初の感想。だって、官製ハガキとコーンフレークの箱だと官製ハガキの方が固いじゃん。官製ハガキでさえ厚さ0.2ミリしかないぞ。
そんなわけで「シリアルの箱」という情報は頭の片隅に放っておいたのですが、なんとなく朝食にコーンフレークを食べたついでに箱の厚みをマイクロメーターで測ってみたら、なんと! 厚さ0.5ミリもあるじゃないですか! これには驚きました。だって、コーンフレークの箱ってフニャフニャのペニャペニャなんだもの。結局、紙の固さってのは紙質で決まるところが大きく、手に持った感触で厚みを知るのは相当熟練しないと無理なんですね。
つまり、「売るほどでもない軟らかい厚紙」というのは、いつもなら捨てられてしまう食品や雑貨、日用品の箱の姿で目の前に転がっていたんですね。幸せの青い鳥もビックリだ。
で、食品やお菓子の空き箱ならだいたい厚さ0.5ミリぐらいで固さも手頃、これを2枚重ねてスプレーノリで接着してしまえばご機嫌な1ミリ厚の加工しやすい厚紙が手に入る。やったー!
問題はそれを必要量確保する方法ですが、1・箱が大きくて、2・消費が早くて、3・安価な商品ってなーんだ、ということで考えてみると、これが断然コーンフレークなんですね。つまりアートアタックはベストチョイスを教えてくれていたわけだ。ごめんよニール。君の言う事を疑っていたよ。

これで厚紙の問題はほぼ解決したわけですが、それでも問題が1つ2つ。まず、日清シスコ社のシスコーンBIGの箱を使って1ミリ厚紙を作ると、箱の大きさの都合でA4より小さいサイズになります。たいていのカードモデルはA4で供給されるので、この厚紙に貼る時には1枚ペロンと貼るわけにはいかず、適当な大きさで切らないといけません。ケロッグ社の徳用箱ならA4サイズが取れるのかもしれませんが、あれは高いのじゃよ……
それから、これはコーンフレークの箱が悪いわけじゃないんですけど、律儀に1ミリの厚紙に心材の型紙を貼ると、厚すぎて組めないことがあります。ギャフン。
これは先にノギスなどで組み立て用の切り込みの幅を計って、見当をつけるしかないですね。まぁ、いざ厚かったら切り込みを広げるか少し紙を剥いで厚みを調整すればなんとかなります。厚みを剥ぐのも、コーンフレークの箱ならペロンペロン剥げてラクチンですよ。一度お試しあれ!

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厚紙の話・1

日本でいう「ペーパークラフト」と違い、東欧製カードモデルの一つの特徴として「厚紙で芯を作る」という点があげられます。これは、大きな作品が多いので芯がないと潰れちゃうというのが理由だと思います。
現在製作中のMALY MODELARZの一式中戦車も厚紙を用意する必要があり、展開図でパーツ番号に星がついているものは「裏に厚紙を貼る」ということを示しています。
MODELIKやGPMのキットなんかでは0.5ミリ、1ミリ、2ミリの各種厚紙を準備し、指示に従って使い分けないといけなかったりするのですが今回は1ミリ(組み立て説明書では0.8ミリ~1ミリとなっている)しか使わないようなので、その点はラクです。
で、問題はここからです。
日本では1ミリ厚の厚紙がなかなか手に入らないんです。
文房具店などを回って見つけた板目表紙(白ボール紙)で0.6~0.7ミリ。ちょっと薄くて組み合わせがカタカタする。小学校でよく使う「学校芸能工作用紙」(1センチの方眼が入ってるやつ)はもっと薄くて0.5ミリ。これを2枚張り合わせて1ミリとする方法もある。
ところが、板目表紙にしても、学校芸能工作用紙にしても使ってみると大変な短所がありました。
固いんです。とにかく。切るのが一苦労。
もちろん、歪んだり反ったりしないという利点はありますが、それにしても大変。
海外のフォーラムでの製作記事を見ていると、もっと質の悪そうな軟らかそうな厚紙を使っている。
方眼紙やスケッチブックなんかの綴りを買うと、最後にグレーの厚紙が1枚ついてるじゃないですか。あれが欲しいんですが、あれだけでは売っていない。もちろん、存在はしているのだから紙問屋なんかに頼めば手に入るのでしょうが数枚単位じゃ売ってくれなさそうだし。
じゃあどうするの、ってところで今日のブログ用持ち時間が尽きました。続きはまた次回に。

ちなみにこのエントリ、最後の瞬間まで「一式中戦車製作記」のカテゴリで書いてましたが、よく考えたら一式中戦車の話をほとんどしていないので道具カテゴリに変更しました。

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