GPM ソビエト製重輸送ヘリコプター Mi-6A

朝晩はめっきり冷え込むようになった今日このごろ、寒くなってイラガがいなくなったんで庭の柿の実取り放題でホクホクの筆者がお送りする東欧最新カードモデル情報。本日紹介するのはポーランドの老舗、GPM社からの新製品、ソビエト製重輸送ヘリコプター Mi-6A だ。

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うーん、すごいカタチだ。なんというか、飛行機とヘリコプターをまとめて物質転送装置で転送したら融合してヘリ飛行機プターになってしまいました、とでも表現したらいいのだろうか。返ってわけがわからなくなった。

Mi-6は各種ヘリコプターの設計で有名なミル設計局で開発されたヘリコプターだが、どういうわけか開発経緯がはっきりしない。
ほうぼうの情報をかき集めてみると、どうやら1954年に開発が始まり、1957年に初飛行を行っている。平時にしては、なんだか異様にハイペースの開発だ。怪しい。
妙に短期間で設計完了したMi-6だったが、運用試験が始まると無類の力持ちっぷりを発揮する。
まず1957年10月30日、いきなり12トンの貨物を積み2432メートルまで上昇、10トン以上の貨物を積んだ状態でのヘリコプター高度記録を更新。58年4月16日に今度は5トンの貨物を積んで5584メートルに上昇、5トン級の高度記録も更新。さらに同日、こんどは10トンの貨物を積んで自身の記録の倍を超える4885メートルに上昇し、新記録達成。
そして1962年9月13日には20トンの貨物を積んだ状態で高度2700メートルに到達。この積載量20トンという数字がどれぐらいすごいかと言うと、1962年に初飛行した西側屈指の巨人ヘリ、シコルスキー S-64 スカイクレーンの機体重量が約9トン、最大積載重量が9トンだったので、Mi-6は貨物を満載したS-64をまるまる吊り下げられるということになるので、すごすぎてもうわけがわからない。
しかも、Mi-6の高性能っぷりは積載量のみでには留まらなかった。
1961年9月21日には時速320キロで飛行し、西側のシコルスキーS-61「シーキング」が作った速度記録を10キロも更新する。さらに64年8月26日には100キロ周回コースで平均速度340キロというとんでもない記録を叩き出した。世界で最も重い荷物を持ち上げ、世界で最も早く飛ぶことができるんだから、Mi-6は当時世界最強のヘリコプターであったと言っても過言ではないだろう。ハラショー。
Mi-6の高性能の秘密はそれまでのヘリコプターが積んでいたピストンエンジンではなく、ガスタービン・エンジン(ターボシャフトエンジン)を搭載していたことにあったが、もちろん全部が全部いいとこづくめ、というわけではなく、ガスタービン・エンジンは燃料消費が大きく、Mi-6は最大航続距離が1500キロほどしかない、という欠点もあった。

1971年には空力的に洗練されたMi-6Aの生産が始まる。と、西側の資料には書いてあるのだが、どこがどう洗練されたのかはどこにも書いていない。しかも、肝心のロシア語版WikipediaにはMi-6Aの記述そのものがない。怪しい。あと、日本語版Wikipediaの「離陸可能な積載量を44 tに引き上げた改良型Mi-6A」という記述は、いくらなんでも何かの間違いでは?(たぶん、積載量と総重量が混同されている)

それでは、この破天荒なスーパーヘリコプターMi-6の姿を公式ページの完成見本写真で見てみよう。

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キットはアエロフロートの所属機。アエロフロートでは窓が角形になっている民間型の「Ми-6П」(Mi-6P)も旅客用に使用されていたようだが、この機体は軍用と同じ丸窓の機体。機体上部には中途半端な感じの翼がついているが、これは巡航飛行時に揚力を稼ぐための装備で、重量物を釣り上げる時には無駄な重量にしかならないので脱着が可能であった。
爆撃機みたいなノーズが特徴的だが、これは釣り上げ作業時の下方視界確保のためだろうか。

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より、スタイルのわかりやすい横からの画像。尻の方が変なカタチになっているのは、機体後部の乗降用大型ドアが開かれているため。ここから機内に車両などを乗り入れて運ぶこともできた。
Mi-6は完全装備の兵士なら70人を一度に輸送可能な重輸送ヘリとしてソビエト軍に採用された他、ベトナム、中国、北朝鮮などの共産圏、シリア、イラク、エジプトなどの中東諸国の空軍でも使用されている。また、ソビエト、ポーランドの航空会社が旅客型を少数採用している。旅客型のMi-6は20キロの手荷物を持った旅客なら70から80人、手ぶらだったら120人を乗せて飛ぶことができたが、よく考えてみたらヘリしか降りられないような辺鄙な場所に旅客が何十人もドヤドヤと押しかけてくることなんかなかったので、旅客型は少数生産に終わった。
民間では旅客輸送以外にも建設機械や建築構造物(例えば鉄橋)の輸送などに使用されていたようだ。
1970年代までにMi-6は8トンの通信機材を積んだ空中指揮所型、12トンの消火剤を搭載可能な消防型(消火剤や水を投下する「ウォーターボマー」ではなく、機首の放水銃で放水できる「空中消防車」)などの派生型を含めて約800機が生産された。現在は同様の任務を後継機であるMi-26が引き継いでいる。

GPMの新製品、ソビエトが誇る巨人ヘリコプター Mi-6A は、空もの標準スケール33分の1で、完成全長が驚きの1メートル(ローラー込み)。難易度は3段階評価の「3」(難しい)、定価は150ポーランドズロチ(約5千円)となっている。なお、レーザーカット済み芯材用厚紙とセットの「コンプリートキット」が230ズロチ(約7500円)で同時リリースとなるが、芯材のみの別売りはないようだ。その他に、ローター基部パーツ、機首クリアパーツ、タイヤパーツがそれぞれ80ズロチ(約2600円)、35ズロチ(約1200円)、30ズロチ(約1000円)で同時発売となる。
巨人ヘリコプターファンのモデラーなら、この大迫力のキットを机上に飾ることができるこの機会を見逃すべきではないだろう。また、Mi-6の小さな兄弟、Mi-2のキットと並べてみて改めてその大きさを思い知るというのも面白そうだ。



画像はGPM社サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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