GPM フランス軍戦闘機 Dassault Mystere IVa

以前に常磐線上野東京ライン直通品川行きでブレジネフ書記長のそっくりさんを見てビックリしたことがあったが、先日は健康診断を受けに訪れた病院のレントゲン技師が橘家圓蔵師匠(8代目)に喋り方までそっくりで、なんか良くわからないけど着々と包囲網が狭まりつつあるのを感じずにはいられない筆者のお送りする東欧カードモデル最新情報。本日紹介するのはポーランドの老舗、GPM社からの新製品、フランス軍戦闘機 Dassault Mystere IVa だ。

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前回がMystere II C、今回がMystere IVaというテンポの良さに、当コーナーの常連読者なら「ははーん、新製品なのはどっちか片方で、もう片方は以前に紹介を忘れていたものを便乗して紹介しようってんだな?」と思われるかも知れないが、今回は珍しくちゃんと両方とも新製品だ。なぜ、こんな絶妙なタイミングで現用でもないフランス軍ジェット戦闘機なんて微妙なものがポンポンと出たのかは謎だ。たぶんポーランドで「ミステール立ちぬ」みたいな映画でも公開されたんだろう。たぶん。

さて、前回紹介したミステールIIは、別に悪い飛行機ではなかったのだが、世間のジェット戦闘機の性能がぐんぐん上がってしまったせいで、まだ何もしてないのに旧式化してしまった。
そこでダッソー社ではミステールをより超音速飛行に適したスタイルへと改修することとした。主な改修点は主翼の後退角をミステールIIの30度から38度まで強くし、さらに胴体の断面を真円形から楕円形に変更、さらに胴体の全長も延長されていた。改修っていうか、どこに原型が残ってるんだこれ。
これらの改修により、最高速度はミステールIIの時速1030キロから1100キロに上昇。数字上では大差ないような気もするが、ミステールIVはフランス機では初めて水平飛行で音速を超えた機体となった。また、最大離陸重量は7.5トンから9.5トンへと2トンも増えているので、きっと余力も大きくなったのだろう。その証拠に上昇力は秒23メートルから秒40メートルへと大きく強化されている。つまり、ミステールIIでは空戦になっても速度を活かして一撃離脱を行い、失敗したら急いで帰ってくるしかなかったのに対し、ミステールIVでは再度上昇しての反転攻撃、さらには余力を活かしたドッグファイトに持ち込むことも可能になったということだ。

それでは、改修され新しくなったミステールの姿を公式ページの完成見本写真で見てみよう。

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まぁ、なんというか、手堅いスタイリングだ。塗装は白地に青いダビデの星、イスラエル空軍機のもの。ミステールIVは約400機強が生産されたが、そのうち61機がイスラエル向けだった(インドも110機を受け取っている)。
イスラエルがミステールIVを受け取ったのは1956年4月から9月にかけてで、この年の10月に勃発したスエズ動乱(第二次中東戦争)に早くも出撃、10月31日には8機のイスラエル軍ミステールIVが16機のエジプト軍ミグ15と空戦になり、1機のミグ15を撃墜している。これはミステールIVによる初めての撃墜となった。イスラエル軍ミステールはこの戦争で147回の出撃をこなし、1機が対空砲火により失われている(スエズ動乱ではフランス軍のミステールIVも戦闘に参加している)。

その10年後に始まった第三次中東戦争ではさすがにミステールIVは旧式化していたが、戦闘爆撃機として再び参戦(アメリカ製のA-4スカイホークに機種転換するつもりだったが間に合わなかった)。この戦争でミステールIVは610回出撃、5機が対空砲火により、また2機がアラブ軍機(1機はエジプト軍のミグ21、もう1機はヨルダン軍のホーカー・ハンター。ただしヨルダン軍のハンターに搭乗していたのはパキスタン軍からアドバイザーとして派遣されていたSaiful Azam)によって撃墜されている。
一方、第三次中東戦争でイスラエル空軍のミステールIVは3機のアラブ軍機を撃墜している。内訳は2機がミグ17、1機がホーカー・ハンター。そして、この2機のミグ17のうちの1機を撃墜したのが今回のキットのテクスチャである機体番号44、Asaf Ben-Nun大尉乗機だ。
Asaf Ben-Nunはイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)のテストパイロットで、イスラエル空軍にP-51ムスタングが配備されていたころからのベテラン。第三次中東戦争では1967年6月5日のイスラエル空軍による奇襲攻撃第一波に参加、迎撃に上がってきたミグ17を撃墜した。Asaf Ben-Nunにとって、これは初めての撃墜となる。
なお、Asaf Ben-Nunは1973年の第四次中東戦争ではダッソー・ミラージュIIIのイスラエルライセンス生産機である「ネシェル(Nesher)」に搭乗し、スホーイ7を1機、ミグ21を4機撃墜しエースとなっている。
ちなみにイスラエル空軍にはミラージュIIIで3機、F-4ファントムで2機を撃墜してエースとなったAvihu Ben-Nunというパイロットもいるが、両者の関係は手元の資料では不明。また、「Asaf」はヘブライ語からの転記で「Assaf」と表記されることもある。
あと、資料によっては第三次中東戦争でAsaf Ben-Nunが乗っていたのは、さらに後退翼をきつくした「シュペル・ミステール (Super Mystere)」としている。

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細部をクローズアップ。コクピット、エアブレーキなどの細部の凝った構造、繊細で美しいパネルラインなどは、さすがGPMといったところ。キャノピーの太い窓枠がミグの戦闘機を連想させる。

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今度は腹側から。長大な30ミリ機関砲を収めるための膨らみや前脚両サイドの銃口の様子がよくわかる。ちなみに30ミリ砲弾は1門あたり150発も積んでいた。長大な増槽に小さな双尾翼がついているのもおもしろい。
なお、イスラエル軍のミステールIVは1971年3月18日までに全機が引退している。

GPMの新製品、フランス軍戦闘機 Dassault Mystere IVaは空モノ標準スケール33分の1で完成全長約35センチ。難易度は3段階評価の「2」(普通)、そして定価は45ポーランドズロチ(約1500円)となっている。また、オプションパーツとしてはレーザーカット済みの芯材用厚紙が25ズロチ(約800円)、レジン製車輪が15ズロチ(約500円)、キャノピーが10ズロチ(約350円)でそれぞれ同時発売となる。

フランス軍初期ジェット戦闘機は、前回の Mystere II C 以外にはミステールの原型となったウラガン(Ouragan)が2007年にAnswerから発売されている(イスラエル空軍機塗装)。少し古いキットだが、手に入るようならウラガン-ミステルII-ミステルIVのフランス軍初期ジェット機三兄弟を作り比べてみるのもおもしろそうだ。



画像はGPM社サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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