Model-KOM フランス軍戦闘機 Dassault Mystere II C

日本列島の季節は着実に夏から秋へ移り変わりつつある。そんな今日このごろ、今日は行こう、今日は行こう、と思いながら会社指示の健康診断にまだ行ってない筆者のお送りする東欧最新カードモデル情報。いい加減健康診断行かなきゃ。それはさて置き本日紹介するのはポーランドModel-KOMの新製品、フランス軍戦闘機 Dassault Mystere II C だ。

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フランスのジェット機といえばミラージュシリーズ。じゃあ、ミラージュ登場前は何を使っていたの? と言われれば、そりゃあほら、あれだよ、あれ。ほら、あれ。なんだっけ、スーパーセイバーだったっけ?
そんな、思い出そうにも思い出せない感じの戦闘機が、今回紹介するDassault "Mystere"シリーズだ。

第二次大戦が終結し、戦勝国となったフランスの航空界は新たにジェットエンジンという夢のパワーソースも手に入れ、大きな飛躍を見せようとしていた。
しかし、踏切位置を間違えて斜め上方向に向かって思い切り放った跳躍は、Nord Gerfaut とか、SNECMA Coléoptère みたいな、昼寝から起きる直前に見た夢みたいな飛行機を残してそのまま虚空の彼方に消え去った。
そういう流れとは全然関係なく、ブロシュ社改めダッソー社が米軍のサンダージェットとシューティングスターを足して2で割って、フレンチソースがけしたような無難なカタチにまとめあげた飛行機が「Ouragan」(ウラガン、「嵐」)で、これは無難だったので1951年から1954年までに約350機が生産された。まぁ、このころの戦闘機ってのは、どこの国も画期的な思いつきが全て失敗して無難に生き残ったものが採用されました、ってのばっかりだ。それにしてもダッソーのマルセル・ブロシュは、戦前は飛ばない飛行機なんていう前衛的なモノを作っていたのにどうして戦後いきなり堅実路線に方針転換したんだろう。いや、戦前そんなもん作っちゃったから戦後は堅実になったのか。

ウラガンは無難だったが、無難だったので性能も無難だった。そこで、ウラガンの主翼を強い後退翼とした試作機が製作され(垂直尾翼の面積を増やすなど尾部も修正されている)、「Mystere」と名付けられた。Mystere(ミステール)とは、UFOプロデューサーの矢追純一氏のことではなく、フランス語で「神秘」意味するらしい。なぜ「嵐」の次が「神秘」なんだ。「嵐」とか「竜巻」とかの名前をつけるとイギリス軍みたいだからか。そういえばやつらも「」なんてすごい名前の戦闘機も作ってるな。
ミステールはまず3機が試作され、続いてエンジンを換装したミステールIIが6機試作される。IIの6機は2機のA型が20ミリ機関砲4門、4機のB型が30ミリ機関砲2門を積んでいた。なんで3+3ではないのか。結局、量産型では30ミリ機関砲が採用されているので、20ミリは一応作ってみた程度なのか。
ミステールII試作機は緩降下中にフランス機としては初めて音速を突破するなど高性能を発揮し、"ミステールIIC"として量産されることとなった。なぜ III にならないんだ。フランス軍の命名規則は複雑怪奇ナリ。

では、ここでフランス軍初の量産後退翼戦闘機となったミステールIICの姿を公式ページの完成見本写真で見てみよう。

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なんというか、うろ覚えで書いたセイバーみたいなスタイルだ。なんか、表紙の絵とも微妙にスタイルが異なるような気もしないこともないが、そもそもミステールのカタチを良く知らないのであまりつっこまないでおこう。
ちなみにエンジンはミステールIIAとミステールIIBがロールスロイスのエンジンをヒスパノ・スイザでライセンス生産したものを積んでいたが、IICでは国産エンジンの SNECMA Atar101Dを積んでいる。これぞ国産戦闘機、ビバ! フランス! SNECMA Atarが実は終戦時に手に入れたドイツのBMW 003エンジンの改良型だというのは秘密だ。
ついでに、主武装の30ミリ機関砲DEFA 552(厳密には「リボルバー・カノン」)も実はドイツのマウザーMG 213を発展させたものだというのも秘密だ。

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なんというか、地味過ぎてコメントに困る感じの機体だ。でも、こんな地味でも最高速度は海面高度で時速1030キロも出た。
塗装は見ての通りのフランス空軍機。と、いうか、ミステールIIはフランス空軍にしか配備されていない。マーキングは第 110クレイユ空軍基地の第10戦闘航空団第1飛行隊「ヴァロワ」所属機だと思うが、これはあんまり自信はない。
ミステールII は1954年にフランス空軍から150機の発注を受け、1957年までに全機が納入されたが1950年代の航空機の進歩というのは著しく、納入が終わった頃には見た目だけではなく性能もかなり地味なものとなってしまっていた。そのため、一時期ミステールIIの購入を考えていたイスラエルも良く考えたら大した性能でもないので購入をキャンセルしている。
ダッソーではミステールIIを複座化した全天候型のミステールIIIも試作したが、そもそもの性能が地味なのでこれは採用とならなかった。
そこで、ダッソーは全体的に大きな改修を加えたミステールVIを開発するが、その話はまた来週。
なお、残ったミステールIIは1963年まで訓練機として使用され、実戦を経験しないままにこっそりと引退した。

けっきょく、とことん地味なまま消えたフランス軍戦闘機 Dassault Mystere II Cは空モノ標準スケール33分の1でのリリース。難易度は4段階評価の「2」(やや易しい)という、これまた地味な数値。そして、定価は32ポーランドズロチ(約1100円)となっている。
ただでさえキットに恵まれないフランス機、しかも50年代というキット真空地帯に颯爽と降臨した当キットをフランス機ファンは見逃すべきではないだろう。
あと、このネタは来週まで引っ張るので、フランス機ファンは来週の当ブログも見逃すべきではないだろう。



画像はModel-KOM社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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