MODELIK アメリカ軍モニター艦 "USS ARKANSAS"

当ブログに足繁く通ってくださっている常連の読者氏ならすでにお気づきかと思うが、テキストの文字色が少し変わった。これはリンクが張られた文字の色が通常の文字色とあまりに見分けがつかないのをなんとかしようとしたが、下線つけるとタイトルやらカテゴリやらにも全部下線ついちゃってゴチャゴチャして見づらいし、カラムによって下線つけたりつけなかったりするのがうまくいかなかったので文字色を変えただけで済ました妥協の産物である。これで少しはリンクの張られている文字がわかりやすくなれば幸いだ。
こんなことなら、以前に本業でHTMLを少し触った時にスタイルシートの書式をもっと真面目に勉強しておけばよかった、そんな後悔をいまさらしている筆者がお送りする東欧最新カードモデル情報、今回紹介するのはポーランドMODELIK社の新製品、アメリカ軍モニター艦 "USS ARKANSAS"だ。

Arkansas okladka

ここしばらく、黒表紙に小文字”modelik”表記のキットが続いていたMODELIKだが、大文字MODELIK、いわゆる「ビッグ・レッド・モデリック」が久々の登場だ。「いわゆる」とか、いかにも模型業界で通用しているような書き方をしたが、たった今思いついた言葉だ。
艦名の「ARKANSAS」をそのまま「アー・カンザス」と読んで、カンザスに用事があるのに「アー」ってなんだろう、と思いながらARKANSAS行きの飛行機に乗ってしまうと、到着してから「トト、ここはカンザスじゃないみたいよ」とビックリすることになる。
ARKANSASのカナ表記は、もちろん「アーカンソー」。これは「Holanda」が「オランダ」になってしまうような日本語独自の表記ではなくて、現地での発音もほぼカナ表記のまま。この地名はもともとこの辺りが周辺のインディアン(ネイティブ・アメリカン)に「アカカズ」(「下流に住む人々の土地」の意。「南風の人々」とする解釈もある。)と呼ばれていたことにちなむもので、それがフランス語発音で「アーカンソー」となったらしい。
なお、ARKANSASの発音は現地でも「アーカンザス」派と「アーカンソー」派の間で長い間論争となっており、1881年に州議会で制式に「アーカンソー」と発音すること、ときちんと決まっている。なので、これを「アーカンザス」と読んでしまうとカンザスじゃなくてびっくりするだけでは済まず、アーカンソー州法にも反してしまうので注意したい。

世界各国が装甲艦の運用はどうあるべきか模索していた19世紀末、アメリカは沿岸防衛の要として4クラス10隻のモニター艦を建造。USSアーカンソーはその中で最後のクラス、アーカンソー級のネームシップで同級はアーカンソー、ネバダ、フロリダ、ワイオミングの4隻が建造された。
第二次大戦までのアメリカ海軍艦艇は「州名がついている艦は戦艦」と相場が決まっているが、アーカンソーが就航した1900年にはまだ命名規則がしっかりしておらず、装甲艦ならなんでも州の名前がついていたが、これだとあっという間に名前のストックが切れると気がついて1909年に
アーカンソー → オザーク
ネバダ → トノパー
フロリダ → タラハシー
ワイオミング → シャイアン
と、それぞれの州の都市名に艦名が変更され、州名は戦艦にのみ名付けられることとなった。
ちなみにアメリカ海軍にはこの「モニター艦 USSアーカンソー」の前に、「蒸気船 USSアーカンソー」という船を南北戦争末期に建造しており、当艦は「2代目アーカンソー」となるが、南北戦争中は南部連合軍も「装甲艦 CSSアーカンソー」という艦を保有していたのでめんどくさいったらありゃしない。(一応、北軍のアーカンソーは南軍のアーカンソーが自沈した後に建造されてるので、「アーカンソー対アーカンソー」ということにはならなかった)
なお、三代目USSアーカンソーはワイオミング級戦艦、四代目アーカンソーはバージニア級ミサイル巡洋艦である。

それでは、ここでアメリカ海軍黎明期の主要艦艇、モニター艦 USSアーカンソーの姿を完成見本写真で見てもらおうと思ったが、公式ページに完成見本写真がないので組み立て説明書付属の平面図で見てもらおう。

Arkansas rys1

なんか「女性、子供にも訴求しやすいよう、艦形を可愛らしくアレンジ」したみたいな形だが、別にデフォルメされてるわけではない。
一応スペックを書いておくと、全長78メートル、排水量3200トン。主砲は12インチ(30センチ)40口径砲2門。副砲として4インチ(100ミリ)砲4門、他に自衛装備として6ポンドノルデンフェルト砲3門、1ポンド速射砲4門なども積んでいる。装甲は主要部分で最大28センチ。最大速度約12ノット。
性能としてはそんなに悪い数字ではないのだが、なにしろ乾舷が低いモニター艦なので渡航能力がない。わざわざアメリカ沿岸まで来てモニター艦に戦いを挑んでくれる敵もいないので、アメリカ海軍黎明期のモニター艦10隻はみんななかよく、なにもしないうちに旧式化した。
第一次大戦勃発直前にアメリカ海軍のモニター艦は潜水母艦に改造されたが、乾舷が低いモニター艦は潜水艦と甲板の高さに大差がないのでこの任務には適していたそうだ。

USS_h-1_H-2_with_USS_Cheyenne_Nh92168.jpg

写真は同型艦USSシャイアン(元USSワイオミング)の潜水母艦時代のもの(アメリカ海軍所有・パブリックドメイン)。
なんと、停泊中の潜水艦よりも甲板が低いことに注目。こりゃ外洋には出れんわな。
アーカンソーは第一次大戦中はメキシコ革命、パナマ運河などに治安維持のためにも出動しているが、特に目立った活躍もないままに1919年8月に退役。1922年に解体された。

Arkansas ark4 Arkansas ark2 Arkansas rys2

展開図と組み立て説明書のサンプル。テクスチャは汚しのないすっきりしたタイプ。もとの船がそんなに複雑な構造ではないので、キットの方も極端に細かいパーツはないあっさりとした構造なようだ。

なんともパッとしないアメリカ海軍19世紀艦隊の最後の世代となるモニター艦 "USS ARKANSAS"のキットは海モノ標準スケール200分の1で完成全長約40センチというお手頃サイズ。難易度も5段階評価の「4」(難しい)、定価も40ポーランドズロチ(約1300円)とちょっと控えめとなっている。また、レーザーカット済みの芯材用厚紙は20ズロチ(約750円)での同時発売だ。

プラモデル界隈は言うまでもなく、マイナー艦ならなんでもござれのカードモデル界でもなかなかキット化されない19世紀末/20世紀初頭の艦船キットである当キットは、この時代に興味を持つモデラーにとっては見逃すことのできない一品と言えるだろう。
また、同時代のアメリカ艦であるウクライナOrelのダイナマイト巡洋艦 USS Vesuviusと並べることで、モニター+ダイナマイトという、なにがしたいんだか良くわからない艦隊を想像してみるのも楽しそうだ。
あるいは、アーカンソー州ファンのモデラーならHeinkel Modelsの南部連合装甲艦、CSS アーカンソーと並べて、机上でまさかの新旧アーカンソーの共演を楽しむのもいいだろう。



画像はMODELIK社サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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No title

本文部分はおそらくクラス名が指定してあるでしょうから、クラス名 aで本文部分のみリンクの文字色や下線の有無を変えられると思います。
クラス名が違うとダメですが、おそらく「.entry_body a」と指定すればいけるはずです。


Re: No title

あっさいさん、コメントありがとうございます!
スタイルシートの修正は時間を見て、じっくり腰を据えてもう一度取り組みたいと思います。
御助言ありがとうございました!
展開図公開中
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