SZK ポーランド軍武装艇 ORP Nieuchwytny

関東は夏日が続く今日このごろ。そんな陽気の中、草刈りをしてたら暑すぎてヘバった運動不足な筆者が、日が陰ってやっと涼しくなってきたのでお送りする東欧最新カードモデル事情、本日紹介するのはポーランドのブランドSZKからの新製品、ポーランド軍武装艇 ORP Nieuchwytny だ。

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SZKのキットを前回紹介したのは去年の10月なので、ずいぶんと久々の登場。その間、新製品のリリースがなかったわけではないのだが、このブランドって基本的に写真が表紙の一枚しかないので話が膨らませにくくってどうしても後回しになってしまうのだ。ごめん。
あと、単純に新キットの題材がわけわからなすぎて何を紹介していいのか良くわからないキットも多い。
例えば、今回のキットの次にリリースされた最新キットなんて、こんなんだ。

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……なんじゃい、こりゃ。
どうやら、スウェーデンの鉱山で使われていた産業用電気機関車らしいのだが、詳しい事がサッパリわからないので「カタチがオモロイ」以上に紹介のしようがない。
そんなわけで、スウェーデンのオモシロ機関車のことは忘れてORP Nieuchwytnyの方へ話を戻そう。

一見、モニター艦のようにも見えるNieuchwytnyだが、以前GPMからリリースされたポーランド軍モニター艦が排水量110トンだったのに対し、こちらはさらに小型で排水量たったの40トン弱しかない。それもそのはずで、あちらは海で使うのが前提の艦艇だがこちらは河川用、それもビスワ川のような大河ではなくもっと小さな河川用の武装艇だ。
1919年にポーランドはロシアから独立、一息つく間もなくソビエト-ポーランド戦争に突入し、ワルシャワ正面ではブジョンヌイ将軍とピウスツキ将軍の騎兵による大機動戦が繰り広げられていた。
一方、南方にはベラルーシのピンスク湿地、ウクライナのプリピャチ湿地が広がっており、これらの地帯は道路も鉄道もなく、数えきれない小河川が入り組んでおり近代軍隊の通行は全く不可能であった。
とはいえ、がら空きにしておいては小規模な遊撃隊が侵入してくるので、防衛線を引かなければいけないのだが、なにしろ湿地なんで陣地も作れない、騎兵部隊も行動できない。
そこでポーランド軍は現地の住民が交通に使用しているモーターボートを接収、これに武装することで水上機動部隊を作り上げた。
ソビエトとの戦争が一段落すると大部分のモーターボートは持ち主に変換されたが、一部は「ピンスク河川艦隊」として来るべきソビエトとの次の戦いに備えて制式化された。

「ORP Nieuchwytny」はピンスク河川艦隊用に制作された船で、モニター艦と武装モーターボートの間を埋める規模だったが、どうも中途半端だったようで量産は行われていない。なお、「Nieuchwytny」というのはポーランド語で「とらえどころがない」ぐらいの意味らしい。なんでそんな微妙な名前をつけるんだ。
Nieuchwytnyは長さ23メートル、6気筒エンジン2基で最高時速20キロ程度、というからやっぱり武装したモーターボート程度のものだったのだろう。肝心の武装はプトー37ミリ砲(ルノーFT戦車の主砲)とオチキス機関銃を積んだ砲塔が艦橋の後ろにあるが、この砲塔はwz.29"ウルサス"装甲車の砲塔を積んでいるようだ。もっと目立つ、前甲板の円筒形砲塔は対空用でヴィッカース2ポンド速射砲、いわゆる「ポンポン砲」を積んでいる。

1939年9月、ドイツ軍がポーランドに侵攻するとNieuchwytnyはワルシャワ防衛のためにビスワ川に入った。ポーランド側の記録では爆撃機を1機撃墜した、となっているが機種などはわからない。
その後は敗退して下がってくる騎兵の輸送などに従事したが、9月10日ごろにはすでに行動不能となっていたようだ。
Nieuchwytnyを鹵獲したドイツ軍はこれを警戒艇「Pionier」として使用、1944年には武装を37ミリ機関砲2門、重機関銃4門、ボフォース40ミリ機関砲1門に強化したが1945年にポーランド領から後退する時に自沈処分された。

1947年までそのまま沈んでいたNieuchwytnyは引き上げられ、新ポーランド軍にORP 「Okoń」として就航する。「Okoń」は「止まり木」のことだが、名前を変えたのは、やっぱり「つかみどころがない」っていう船名は変だと内心思っていたからか。
Nieuchwytny改めOkońは沿岸警備、国境警備にしばらく従事し、1957年に退役。そのまま係留されっぱなしになっていたが、1973年に思い出したようにスクラップになった。

SZKからの地味な新製品、 ポーランド軍武装艇 ORP Nieuchwytny は小艦艇スケール100分の1でのリリース。難易度表記はないが、5段階評価の3~4といったところか。そして定価は19.9ポーランドズロチ(約650円)という半端な値となっている。

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ちなみに中身はこんな感じ。

なんというか、まぁ、へー、そんな船があったんだー、という感じの当キットは河川艦隊ファンのモデラーにとっては見逃すことのできないキットと言えるだろう。
GPMのモニター艦も100分の1の同スケールなのを生かし、栄光なきポーランド河川艦隊を机上に再現するのもおもしろそうだ。



画像はSZKサイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。






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