Skyline Paper Models 日本軍 九六式艦上戦闘機他

一気に夏の陽気となった日本列島。こんな蒸し暑い季節こそ、COOLな情報を伝えたような気になっている当サイトを思い出してくれても、別に損はないだろう。
今回紹介するのは新キットというよりも初登場のブランド、アメリカはニューヨーク州のSkyline Paper Modelsだ。

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写真はSkyline Paper Modelsのラインナップから72分の1ボーイング700-200ER、オーストリア航空塗装モデル。荷物用コンテナドリーもキットに付属。他に同一スケールの乗員乗客パネルもセットとなっている楽しいキットだ。定価18.75ドル

Skyline Paper Modelsは2005年から活動しているブランドで、販売は全てオンラインでのデータ販売。公式ページからの直接購入もできるし、Ecardmodels.comからも同価格同内容で入手可能だ。
名前の通りSkyline Paper Modelsは現用旅客機が得意分野で、777クラスの大型機では他にボーイング767もリリースしている。また、例えば777なら先ほどのオーストリア航空だけでなく、ブリティッシュエアライン、ユナイテッドエアラインなど各機種ごとに複数の航空会社の塗装でリリースされているのも嬉しい。
完成品の写真は公式サイトの商品紹介ページに多数掲載されているので、クオリティが気になる読者はぜひ確認していただきたい。

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さすがに72分の1で777は大きすぎて……というモデラーのためにSkyline Paper Modelsは中型機、小型機も準備している。
写真はダグラスDC-9、イベリア航空(旧塗装)。定価12ドル。

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こちらは小型旅客機、ボンバルディアCRJ-100、USエアウェイエクスプレス。定価9ドル。ちなみに同一機種なら塗装が違っても定価は一緒だ。
Skyline Paper Modelsは他にもっと小さいターボプロップ機もリリースしているが、スウェアリンジェン・フェアチャイルド・メトロライナーなんていう聞いたこともない機種だったので、これはこれで後日ちゃんと確認してから改めて紹介したい。

さて、現用旅客機がメインのSkyline Paper Modelsだが、32分の1の「ヨーロッパスケール」で軍用機も数機種リリースしている。
旅客機が777やDC-9といった有名機がズラリと並んでいるのに対し、軍用機はありそうでなかった微妙な機体選択が特徴だ。また、なぜかリリース商品は全て艦上戦闘機となっている。

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まずはマクダネルF2H-3”バンシー”艦上戦闘機。49年に初飛行した初期のジェット機だが、まぁ、パッとしない戦闘機で、朝鮮戦争では高空性能を活かして偵察行動をメインに行った。ほぼ「同期」の雰囲気がよく似たグラマンF9F”パンサー”が約1400機も生産されたのに対してバンシーの生産数は900機程度(バンシーの方が初飛行が半年ほど早い)。
そもそも、パンサーが駄作だった時の「予備」として開発された機体だったので、パンサーが後退翼を取り入れて”クーガー”に進化してベトナム戦争まで頑張ったのに、バンシーはそういった改良もされずにひっそりと消えていった。とほほ。
定価11ドル。この時代の初期ジェット艦載機はほとんどカードキット化されていないので、当キットの存在は貴重だ。

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お次はデ・ハビラント”シーホーネット”。ホーネットは第二次大戦の名機モスキートをさらに洗練した機体だったが、第二次大戦には間に合っていない。シーホーネットはその名の通り、ホーネットの艦載型。モスキート譲りの高速性能が売りだったが、戦後急速に艦載機もジェット化が進んだのでシーホーネットもホーカー・シーホークみたいな、これまたパッとしない機体に早々に置き換えられた。
NF.21は機種にレーダーを積んでボディラインが無残なことになった夜間戦闘機型だが、そもそも「艦載夜間戦闘機」って、必要なのか?
結局、シーホーネットは各タイプ合計しても200機の少数生産に終わった。
定価は戦闘機型が8.5ドル、夜間戦闘機型が9.5ドル。ホーネットも手元にある資料では以前にカードモデル化されたことがないので、これまた貴重なキットと言える。英軍機ファンならスケールを合わせてMODELIKあたりのモスキートと作り比べるのもいいだろう。

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そして、軍用機シリーズの最後が三菱九六式艦上戦闘機。
機体そのものは有名な機体なので説明は省くが、左右2種のキットの違いは、左の地味な色が九六式艦上戦闘機二号、右が九六式艦上戦闘機四号でそれぞれ発動機が寿三型と寿四型で異なっている。
定価はどちらも6ドル。
普通、「九六式艦戦」と言ったら1000機も生産された四号のことを指し、一号と合わせても40機しか生産されていない二号のキットはプラモデルでも珍しい。キットのグリーン塗装機は霞ヶ浦航空隊で使用されていた機体だ。

右側の九六式艦戦四号は、空母蒼龍所属、横山保大尉機。この機は国民の献金で献納された「報国-260」で、献納元は大阪の藤沢友吉商店。なので、機体側面にも「藤沢號」と書かれている。「報国」の文字はちょっと細めの印象だ。
「藤沢友吉商店」というとなんだか町の雑貨屋のようだが、大阪で若くから薬屋の店員を務めていた藤沢友吉氏が興した会社で樟脳などの販売で成長。1943年に社名を「藤沢薬品工業」に改め、近年のヒット商品としてはトイレ芳香剤で「花のトイレは♪」のキャッチフレーズでおなじみの「ピコレット」、パイプ洗浄剤の「パイプマン」(現在は「ライオン」から発売)があるが、藤沢薬品工業は2005年に山之内製薬と合併してアステラス製薬へ名称変更となった。
横山保大尉は「報国-261」(吉田定七商店献納「吉田號」)に乗る羽切松雄一空曹、「報国-266」(岩井産業献納「岩井號」)に乗る大石英男二空曹とあわせて「蒼龍の三羽烏」と呼ばれたというので、デジタルデータでのリリースの利点を生かし番号、機体名を修正しながら3機制作して三羽烏を再現するのもいいだろう。
九六式艦戦はカードモデルでは以前にMPModelがリリースした「報国-278」(大阪瓦斯號)ぐらいしかキットがなかったので、MPMの九六式艦戦を入手できなかった日本海軍機ファンなら是非とも手に入れておきたいアイテムだ。

超定番の旅客ジェット機と意外な艦載機をハイクオリティのモデルでリリースするSkyline Paper Models。今後はどんな素晴らしい旅客機、そしてどんな微妙な艦載戦闘機がリリースされるのか、その活動から目を離すことはできなさそうだ。


*画像はSkyline Paper Models公式ページからの引用。
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