Orlik ドイツ軍牽引車FAMO Rübezahl & Sd.Ah.35 +関連キット。

I-16の主翼フィレットが全然形が合わなくて途方に暮れている筆者が東欧カードモデルについて、どっちかって言うと最新気味な感じの情報をお送りする当コーナー。
本日紹介するのはポーランドOrlik社の新製品、ドイツ軍牽引車FAMO Rübezahl & Sd.Ah.35 だ。

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これまた寒そうな表紙。あまりの寒さに運転している兵士もヒゲが凍りついてハルク・ホーガン状態。
ちなみにサムネイルでは煙突から火の玉が飛び出してるようにも見えるが、よく見ると後ろの方で何か燃えてるだけだ。
「FAMO」というと、巨大な18トンハーフトラックが有名だが、あれは1935年に会社がユンカースの傘下となって社名が「Fahrzeug- und Motoren-Werke GmbH(自動車及び発動機製作会社)」略して「FAMO」になってから始めた大型トラック事業で開発された車両で、前身である「Linke-Hofmann-Busch-Werke(リンケ・ホフマン・ブッシュ制作会社)」略してLHB、さらにはブッシュさんが仲間になる(1928年)よりも前のLH社のころから造ってたこっちの装軌ディーゼルトラクターの方がFAMOの本業だ。
FAMOは戦時中、45馬力、65馬力、100馬力の3種のトラクターを製造しており、「Rübezahl」は真ん中の65馬力トラクターであった。名前の「Rübezahl(リベザル)」というのは悪魔の名前で、山頂に住み気候を操るというが、なんで65馬力のトラクターに悪魔の名前がついてるのかは全然わからない。
生産数、牽引能力など細かい情報に関してはデータが不足しており明らかではないが、牽引能力1トンのSd.Kfz.10ハーフトラックでさえ100馬力なので、37ミリ対戦車砲や20ミリ機関砲のような軽い火砲でもリベザルで引っ張るのはやめておいた方が良さそうだ。なんて非力な悪魔なんだ。

それでは、この全然資料が見つからない車両の姿を公式ページの完成見本写真で見てみよう。

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ホワイトモデルでの完成見本。
どういうわけかエンジンからラジエター、燃料タンクまで全部むき出しだが、これが現地改造でボディを取っ払ったものなのか、それとも戦時急造型でもとからボディの板金が省略されているのかはわからない。
しかし、ボディがないせいで小柄な車両ながらも制作にはなかなか技術力が要求されそうだ。各パイプや配線はじっくりと取り組みたい。

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後ろに引っ張ってるのは Sd.Ah.35 という機材で、なんかものものしい感じだが、実はパン生地こね機だ。
間違いや冗談ではなく、本当にパン生地こね機。
軍隊だって食事をしなきゃいけないわけで、戦地で毎日1個師団定数約1万5千名の兵士達に焼きたてパンをお届けしていたのが、ドイツ軍各師団の補給部門に配属されていた「製パン中隊」であった。Sd.Ah.35 は各師団に1台があてがわれ、1時間で2トン近いパン生地をこねることができたという。パンこねする動力は220ボルト直流電流で、そのための発電機も製パン中隊の編制に含まれている。
最前線で銃を持って勇ましく戦う兵士のために、毎日毎日パンを焼いてた部隊もあったのだから、戦争ってのは大変だ。

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テクスチャは汚しのないスッキリしたタイプ。塗装はダークイエロー1色。どうもエンジンまでダークイエローに塗っちゃってるっぽいけど、熱とか大丈夫なんだろうか。組み立て説明書は面をグレーで塗ったライン表現。

ちなみに、Orlikはちょうど一年前にもFAMO Rübezahl を一度リリースしている。

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2014年版はボディ、キャンバス屋根付きのタイプ。フロントグリルにバカでかく「FAMO」と、しかも赤で書いてあるのを見ると、こちらは民間向けタイプなのかもしれない。なお、こちらのキットにはパンこね機は付属しない。

さて、せっかくだから補給関連のアイテムをもう一品、紹介しておこう。
こちらはポーランドMODELIK社が2011年にリリースしたドイツ軍牽引車 LANZ-BULLDOG D9506。

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「LANZ」というのは聞かない社名だがもとは農機具メーカーで、主力の「ブルドッグ」トラクターは1921年から1960年までの間にサブタイプも含め約20万輌が生産され、現在もドイツ南部ではトラクターのことを「ブルドッグ」と言うそうだ。
ライセンス生産された国も多く、中でもポーランドでは「Ursus C-45」として約5万輌が生産されたと言われている。
ブルドッグトラクターはエンジンとして、いわゆる焼玉エンゾンを使用しており、今でも動画で特徴的な「ベケベケベケ」というエンジン音を聞くことができる。年季の入ったモデラーなら、運河でハシケを引っ張っていくポンポン船のエンジン音を思い出すことだろう。

Lanz bulldog foto2

何かの展示会で撮影されたものと思われる公式ページの完成見本写真。後ろに引っ張っているトレーラーもキットに含まれる。
ちょっとこのアングルではわかりにくいが、引っ張っているのは野戦炊事車、いわゆる「フィールド・キッチン」だ。こっちは師団の補給部門ではなく、各大隊に1輌が配備されていた。タミヤのキットのイメージがあるのでフィールドキッチンといえば馬匹牽引のような印象があるが、別にトラクターで引っ張ってダメ、ということはない。本当は自動車牽引なら車輪はゴムタイヤでなければ危険だが、まぁ、40馬力そこそこの焼玉エンジンなら木製スポーク車輪でも大丈夫だろう。
いちおう、これも Sd.Ah.401 という制式番号があるのだが、当時の写真でもスープ鍋やコーヒー釜の位置が明らかに他とことなる車両が時々混ざっており、これが生産時期によるものなのか、それとも民間防衛隊などで使用していた民生用のものや鹵獲した別の国のものを使用しているのかまではわからない。

Orlikのドイツ軍牽引車FAMO Rübezahl と Sd.Ah.35 のセット、スケールはもちろん陸モノ標準の25分の1。難易度表記はないが、むき出しエンジンには5段階評価の「5」(難しい)をつけておこう。定価は40ポーランドズロチ(約1300円)。
ちなみに2014年版のボディ付きFAMO Rübezahl は定価35ズロチ(約1100円)と、パンこね機がないぶんちょっと割安になるが、こちらのキットは現在カタログ落ちしている。
そして、MODELIKのドイツ軍牽引車 LANZ-BULLDOG D9506 と Sd.Ah.401 のセットは定価35ズロチとなっている。
OrlikのリベザルとMODELIKのブルドッグ、補給部隊ファンのモデラーなら是非とも2つとも揃えておきたいキットだ。

ついでにFAMOつながりで過去にリリースされた18トンハーフトラックも紹介しておこう。

sdkfz-9-famo.jpg

Angraf Model から2005年にリリースされたキットで定価は94.5ズロチ(約3000円)。やや古いキットだが、今でも時々ショップで見かけるので入手は難しくないはず。海外のフォーラムで「部品の合いが最悪」と酷評されていたので覚悟が必要そうだが、FAMOファンのモデラーなら一度挑戦してみたい。



キット画像はそれぞれOrlik、MODELIK社のサイト、Answerのショップページからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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