Orlik ソビエト/ロシア製旅客機 Tu-154M

いよいよ寒くなってきた日本列島。こんな寒い季節には日本で最もHOTなカードモデル情報を伝えていると筆者が思い込んでいる当ブログを読んで温まったような勘違いをしてはどうだろうか。
本日紹介するのはポーランドOrlik社の新製品、ソビエト/ロシア製旅客機 Tu-154M だ。

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なんだか中途半端にトリミングした表紙みたいに見えるのは、中途半端にトリミングされているからで、実際には横長のA3版でのリリースとなる。
ツポレフTu-154は新製品紹介では二度目の登場。前回はウクライナOrelのリリースしたTu-154B2だったが、今回Orlikがリリースするのはエンジンを原型機のクズネツォフNK-8から、推力、燃費とも向上したソロヴィヨフ D-30に換装したM型。エンジンの換装に伴い空気取り入れ口が拡大されている。
さて、今回のキットはネタがネタだけにあんまり無駄なことは書かずに完成見本写真へと進もう。

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Orelのキットでは完成見本写真がなかったが、今回は「ライバル」とも言うべきボーイング727に負けず劣らず、すらりとした美しい姿をじっくりと見ることができる。ボーイングやエアバスの新型機では見なくなった鼻の長い機首がクラシカルだ。

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今にもスロットルが全開となったエンジンの雄叫びが聞こえてきそうな大迫力のショット。よく見たら主翼の先が地面に触れてるけど。
ちなみにソロヴィヨフ D-30エンジンはMig-31などの超音速戦闘機にも使用されているが、Tu-154に搭載されているのはアフターバーナーの省略された民間型。

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細部にクローズアップ。大型機キットは大味で間が抜けた仕上がりとなりがちだが、細かい部分も無理なく立体化されており、丁寧に書き込まれたパネルラインと相まって非常にシャープな仕上がりとなっている。コクピット内もある程度のディティールがあるようだが、客席内が再現されているのかは公式ページの情報だけでは不明だ。
機首からすっと伸びて垂直尾翼に跳ね上がる赤いラインの、エンジン周りでの処理も美しい。
当サイトの記事を熱心に読んでいる有りがたくも変わり者の読者なら、「ポーランドの旅客機って言ったら、青いラインのポーランド国際航空”LOT”じゃないの?」と思うかもしれないが、今回は赤いラインのポーランド空軍第36特殊空輸連隊所属機としてのリリースだ(ちなみにLTOもTu-154を保有していたが、1996年までに引退している)。

第36特殊空輸連隊は政府要人が乗る政府専用機を飛ばすことが任務の文字通り特殊な連隊で、今回リリースされる機体も政府要人機となる。第36特殊空輸連隊のTu-154はTu-154Mのコンピューターを更新したTu-154M-Luxというサブタイプだが、第36特殊空輸連隊の機体が例えばミサイルを撹乱するための電子装備などの特殊装備を積んでいたのかはわからない。
ちなみに第36特殊空輸連隊のエンブレムは剣と盾を持った人魚が書かれているが、これはワルシャワの守護者である人魚。ワルシャワ市の紋章にも書かれている人魚はワルシャワ市のアイコンとして親しまれている(ワルシャワ旧市街中央広場の人魚像はポーランド観光で見逃せない名所の一つだ)が、なんで内陸のワルシャワ市で人魚なのかと言うと、市内を流れるビスワ川にバルト海から遡ってきた人魚が住み着いていたんだそうだ。人魚って海水でも淡水でもいいんだ。
この人魚、網を破いたりして漁師にイタズラを繰り返していたせいで漁師たちの怒りを買ってついに捕まってしまったが、姿が美しく歌声が素晴らしかったのでそのまま漁師たちに気に入られて和解、それ以降人魚と漁師たちは和気あいあいと付き合っていたのだが、これを聞きつけた強欲な興行師が人魚をさらっていってしまったからさぁ大変。
これがインファント島なら人魚の歌でモスラが飛んでくるところだが、そこは団結の国ポーランドだ。漁師たちは一致団結して人魚を取り戻す。人間の世界に留まることの危険さを知った人魚は海に帰ることにしたが、「ワルシャワに危機が訪れた時には、剣と盾を持って馳せ参じます」と約束。心の広いワルシャワっ子は、あっさりと漁師に捕まったり興行師に捕まったりする人魚が馳せ参じても……なんて野暮なことは言わず、人魚はワルシャワの守護者となったのだという。ディズニーで映画化して欲しいお話だ。

さて、話題にするのがイヤで先延ばしにしていたが、いいかげんこれを書かないと記事が終わらないので書いておこう。
第36特殊空輸連隊は2機のTu-154を保有し、機体番号は101と102だった。
キットとなっている101号機は2010年4月10日、カチンの森虐殺事件の追悼記念式典に参加する政府要人多数を載せスモレンスク近郊で墜落、乗員乗客全員が死亡した。原因はポーランド側のパイロットミスの要素が大きいが、ロシア側の誘導にも不備があったようだ。
この事故でポーランドは大統領、陸海空3軍の最高司令官を含む多数の要人を一挙に失う。
原因調査の過程で第36特殊空輸連隊は要人輸送を任せられる組織ではないと判断され解隊、任務は民間のLOTに移管された。
第36特殊空輸連隊の保有していた固定翼機は全てが売却されることとなり残されていた102号機も売りに出されたが、買い手がついたという記事は見つからなかった。

今回、Tu-154が事故機の塗装でリリースされたというのは、ポーランド人の中であの墜落事故の事は整理がついたということなのだろうか、それともこれは悪趣味なキットだと取られているのだろうか。それは、日本人である筆者にはわからないし、勝手な推測もするべきではないだろう。


Orlikよりリリースされたソビエト/ロシア製旅客機 Tu-154Mは50分の1でのリリースだが、それでも完成全長1メートル近くになるビッグなキット。翼や機首が垂れてこないように補強はしっかり行いたい。定価は100ポーランドズロチ(約3300円)。OrelのTu-154Bは100分の1だったので直接に並べて比較することはできないが、Orlikからは同スケールでLOT塗装のボーイング767-300がリリース済みだ。旅客機ファンのモデラーなら、東西の旅客機を作り比べてみるのもいいだろう。



画像はOrlik社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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