MODELIK スイス軍練習装甲車 MOWAG "Panzeratrappe"

ようやくマスターが通過し、プロジェクトに一段落がついたが雪かきですっかり腰を痛めた筆者のお送りする日本で最もHOTたらんとするカードモデル情報ブログ、ここしばらくグデグデと更新をサボってしまって久々の新作紹介となるが、今回はポーランドMODELIK社からの新製品、スイス軍練習装甲車 MOWAG "Panzeratrappe"を紹介しよう。

Mowag okladka

なんだこれ……
青い空。白い雲。そしてヘナチョコ感溢れる装甲車。キット名のフォントも無闇とポップで、なんだか夢で見たような景色だ。
まぁ、戦前の装甲車なんてどこもヘナチョコなもんだ。ヴィッカース・クロスレイM25装甲車なんて、「北原照久のおもちゃ博物館」に飾ってあっても違和感ないもんな、と思って良くみたら、この装甲車1951年完成かよ!

このなんかアレな感じの装甲車を開発したのは、スイスの軍用車両メーカー、Mowag社(全て大文字で「MOWAG」と表記されることもある)だ。Mowag社は1950年にヴァルター・ルフ(Walter Ruf)という技術者が設立した私企業で、別にスイス政府が国防のために作った会社ではない。
とはいっても、Mowagの主な取引先はスイス陸軍で、四輪駆動のトラック"Mowag T1 4x4"は簡易な構造と堅牢な構造、そして主要部品はアメリカのメーカー「ダッジ」から買ってきたパーツをそのまんま使っちゃうという思い切りが気に入られ、各種サブタイプも合わせると1600両がスイス陸軍に納入され、他にスペイン、ドイツにも輸出されている。
そして、その「T1 4x4」のシャーシを使用した装甲車が今回キット化された「Panzerattrappe」である。

では、さっそく知られざるスイス国産装甲車の始祖、Panzerattrappeの姿を公式ページの完成見本で見てみよう。

Mowag foto1 Mowag foto2

うん……まぁ、見ようによってはディストピアものSF映画で群衆に高圧放水する体制側の暴動鎮圧車輌にも見えるな(ああいうのは既存車両にハリボテかぶせるので、こういう気が抜けた箱型になりやすい)。
どうにも強そうに見えないのは、キューポラみたいな気の抜けた円盤型の砲塔からニュっと突き出た砲身がなんかヘナヘナなせいかと思われるが、実車の写真を見ると実車の砲身もやっぱりヘナヘナだった。ばびんちょ。実はこの砲身、ただのダミーで車輌固定の武装は全くない。
それもそのはずで、そもそも「Panzerattrappe」は対戦車攻撃訓練の標的として作られた装甲車で実戦は想定されていない(一応、偵察型も計画したが、計画のみに終わっている)。しかし、そのためだけに240両も専用車輌を作る必要があったのだろうか。どっかの国から大戦中の装甲車を買って来た方が安上がりも気もするが、Mowag社に装甲車輌制作の経験を積ませる目的もあったのかも知れない。
Mowag社は1970年代、4x4、6x6、8x8、10x10の各ベースシャーシに100種類にも渡るコンポーネントを顧客の注文に応じて組み合わせる汎用装甲車システム「ピラーニャ」を開発。ピラーニャは現在までに各種併せて6500両以上が生産され南米や中東の小国から、米軍、国連軍までが使用する大ベストセラーとなっているのだから、訓練も無駄ではなかったというわけだ。

Mowag foto3

ビジョンブロックが全くなく、外からみるとただのスリットにしか見えない貼視孔とか、尻だけ曲面が少し使われていたり、テールライトを保護するための装甲シャッターがついていたり、手が込んでるんだか手抜きなんだかよく分からない構造だ。ステアリング切るために前輪がむき出しなんだから、後輪だけ装甲カバーつけても意味ないと思うぞ。
最初に表紙を見た時は、正面にラジエターグリルのようなスリット部があるのでてっきりエンジンを車体前に置いて乗員の盾にしてるのかと思ったが、この通りエンジンルームは車体後部にある。じゃあ、車体正面のグリルはなんなのよ、と思ったら操縦士の前方視界確保のための開口部だった。装甲車としておかしくないか、その構造??

Mowag foto4

車体下面もなんだかアッサリ風味。
ちなみに乗員は操縦士1名のみ。他に2名を便乗させることができるが、この車輌に誰を便乗させるつもりのかはわからない。訓練教官あたりか。「はいー、後方確認しないでバズーカ砲構えたから検定中止ー」とか言われてしまうのだろうか。

Mowag ark1 Mowag ark3 Mowag rys

テクスチャは汚しのないスッキリしたタイプ。組み立て説明書は面をグレーで塗ったライン表現となっている。

MODELIKから発売された良く知らないスイス軍練習装甲車、MOWAG "Panzeratrappe"は陸モノ標準スケール25分の1で完成全長たった16センチという可愛いサイズ。定価は25ポーランドズロチ(約800円)。難易度も5段階評価の「3」におさえられているので、表紙のポップな書体に惹かれてうっかり買ってしまったカードモデル初体験のモケジョ(模型女子)でも安心だ。もちろん、スイス陸軍ファンのモデラーにもオススメであることは言うまでもないだろう。

ところでMODELIKは11年37作、12年24作と多くのキットをリリースしてきたのだが、昨年13年はなんとたったの7作。当コーナーでもMODELIKを取り上げるのは昨年6月以来だ。
果たしてデザイナーが本業に忙しいのか、それとも雪かきで腰を痛めたのか、昨年の不振の理由はわかないが、新興メーカーの台頭に押されることなく、老舗メーカーらしい安定したキット供給の再開に期待したいところだ。


画像はMODELIK社サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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