GPM ドイツ軍対戦車砲 37 mm PAK 35/36

先日、所属する会社の懇親会ということで焼肉食べに出かけたら、会社のすごくエライ人に「現場はどうですか?」と尋ねられ、思わず「毎日南極観測船『宗谷』が見られてとても嬉しいです!」と答えたら微妙な顔をされた筆者のお送りする東欧最新だったり最新じゃなかったりするカードモデル事情、本日紹介するのはポーランドGPM社の新製品、ドイツ軍対戦車砲 37 mm PAK 35/36 だ。

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これまで火砲のキットはいくつか紹介してきたが、意外にも牽引対戦車砲の新製品紹介は今回が初めてになる。「あれっ? そうだっけ?」と思う読者もいるかも知れないが、筆者もそう思う。なんか見落としがあるかも知れないが、その場合はそっとしておいてやって欲しい。
第一次大戦で登場した戦車に対し、当初防衛側は野砲の水平打ちで対抗したが、ただの野砲では発射速度が重い、砲も重い、だから戦車をやっつけようにも、布陣が終わったころには戦車はどっか行っちゃってる、さらにうまいこと射撃位置についても背が高いから発射する前に戦車に見つかっちゃう、などの問題があった。
この問題を解決するために、小柄で軽量な「対戦車砲」が各国で開発される。兵器研究が禁止されていた戦間期ドイツでもこっそりと対戦車砲の研究は進められており、1924年に最初の37ミリ対戦車砲が完成した。らしいが、この砲は馬匹牽引を前提とした木製車輪など古臭い部分があったために量産はされず、写真も見つからなかった。
この旧式砲をさらに洗練し、近代化したのがPAK 35であり、スポーク式だった車輪をより高速な牽引に適したディスク形に改めたのがPAK 36である。
(キット名は「PAK 35/36」となっているが、コンパチキットではなく内容はPAK 36)

それでは、早速公式ページの完成見本写真を見てみよう。

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なんか車輪が分厚くて、ちょっと径も小さいような気もしないこともないが、本物のPAK 36を見たことがないので断言は避けておこう。
37ミリ対戦車砲と言えば忘れられないのが、タミヤの37ミリ対戦車砲の存在だ。
安価で組立てやすく、フィギュア同梱のためにその一品を組み立てるだけで「情景」が完成してしまう、という素晴らしいキットだった。
唯一残念な点は、37ミリ対戦車砲は車輪基部がクランク状になっており、これを固定する位置によって背の高い「輸送状態」と背の低い「射撃状態」を切り替える構造になっているのだが、タミヤのキットではこれが輸送状態だっけ、射撃状態だっけ、なんかほら、えっとさ、作ったのがすごい昔なんで忘れてしまったが、どっちかに固定になっていた。と、思うよ、たしか。
果たしてその点が今回のキットではどう処理されているのかも興味深い点だ。興味深い点だが、組み立て説明書のサンプルとかないからわからない。さっきっから、何一つ確実なことを書いてないじゃないか。

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こちらは砲尾の様子。右上になんか他の火砲の車輪が写ってるのは気にしない。
砲尾はなかなか細かくも、組み立てには無理のない内容となっているようだ。
砲尾の下に落ちているロケット弾のようなものは砲口装着式のHEAT弾。小型、軽量を目指した37ミリ砲だったが、相手戦車の装甲が厚くなると小型なだけにたちまち威力不足となってしまった。東部戦線ではソビエト軍のT-34、KV-1などに全く歯が立たず装甲をコンコンと叩くだけの「ドアノッカー」とまで言われる始末。
これをなんとかしよう、というわけで開発されたのが砲口装着式HEAT弾で、これを砲口に差し込んで空砲ですっ飛ばし、敵戦車に当たるとモンロー効果で発生した火炎ジェットが装甲に穴を開けるというすごい必殺兵器だ。
しかし、当然こんな頭のデカい弾が空砲で彼方まで飛んでいくわけもなく、射程は良くて数百メートル、命中させたかったらもっと近づかなければならない。しかも一発撃ったら再装填は盾の前まで行かなければならず、それなら使い捨ての携帯対戦車砲「パンツァーファウスト」の方がいいじゃないか、ってことになってしまう。踏んだり蹴ったりだ。

結局、重装甲の戦車に対抗するために対戦車砲は野砲なみの大口径、大重量となり、88ミリ高射砲が対戦車戦に転用されるに至って、なんのために「対戦車砲」ってカテゴリを作ったんだかわけわからなくなってしまった。その点、ソビエト軍は最初っから「全ての火砲は対戦車任務もこなす」という前提で203ミリ砲にまで徹甲弾を準備していたので面倒が少なかっただろう。

さてGPMからは、より重装甲の敵を倒すためにドイツ軍が開発した75ミリ対戦車砲も発売済みなので、ついでにそちらも見てみよう。

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こちらは2006年のリリース。噂では残念ながら展開図の合いはイマイチとのこと。

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完成写真は東部戦線の冬季迷彩となっているが、キットはこの他にダークイエロー塗装のものと2門で1セットになっている。
対戦車砲ファンのモデラーなら37ミリと75ミリ、2つの対戦車砲を並べ激しい「矛と盾」の競争に思いを馳せるのもいいだろう。

ちなみに75ミリ対戦車砲にはDraf-Modelの16分の1キットもあり、こちらはfujifum氏のHP、「ペーパークラフト製作部」でその素晴らしいクオリティを見ることができる。

GPMのドイツ軍対戦車砲 37 mm PAK 35/36は陸モノスケール25分の1で完成全長たったの14センチ程度という小柄なキット。難易度は3段階評価の「2」(普通)、定価は40ポーランドズロチ(約1300円)となっている。
2006年の75ミリ対戦車砲が2門セットで35ズロチ(約1100円)なのに比べると割高なイメージを受けざるを得ないが、タミヤの37ミリ砲が定価千円なのを思えばこのスケールでの37ミリ砲としては十分、お手軽な価格と言っていいだろう。
と、言うか、タミヤの37ミリ砲の定価が千円もすることに驚いた。昔300円ぐらいで買ったような気がするけどな、あれ。



画像はGPM社サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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