SHIPYARD ドイツ Roter Sand灯台

祝! イプシロンロケット発射成功!
なんか毎週毎週、何かを祝ってる気もするが、このままの勢いでいいスパイラルに突き進んでもらいたいものだ。
そんな目出度いニュースにあわせて、今回は当コーナーでもロケットの新製品を紹介しよう!
と、思ったけど、ロケットの新製品で適当なのが見当たらなかったので、形が似てる灯台の新製品を紹介しよう!
相変わらず、いい加減なもんだ。

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よりにもよって形がロケットっぽくない灯台のキットを選んでしまった気もするが、この灯台がカッコイイと思ったんで仕方がない。
版元のポーランドSHIPYARD社は1985年からカードモデルを出版している老舗だが、帆船模型がメインなために管理人が帆船に疎い当ブログではこれまで紹介されていなかったというひどい扱いだ。ただし、この会社のキットはいわゆる「カードモデル」よりもマルチマテリアルの割合が大きく、通常の帆船模型の木で製作する部分が厚紙に置き換わっている、というイメージが強い(実物を入手したことがないので、あくまでもネット上での製作記などからのイメージ)。
2006年にはレーザーカットでの厚紙切り出し済みキットの出版を開始し、2010年からは灯台や、帆船を建造する造船所などの情景、そしてなぜか装甲列車にも商品展開を拡大している。
では、あんまり話が長くなるといけないんで公式ページの完成見本を見ながら、今回のRoter Sand灯台について解説しよう。

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「解説しよう」ったって、さっきWikipediaで拾ってきた情報を披露するだけなんだから気楽なもんだ。
ヴェーザー川河口、約10キロ沖合にあるこの灯台は1875年に建設が開始された。1881年には最初のコンクリートケーソンが沈められたが、これは荒れる冬の北海に揉まれて横転。めげずにさらに頑丈に作りなおしたケーソンを沈め直し、1885年までに建設は完了した。日本の海中建造物でいうと、規模は全く違うものの1890年完成の富津第1海堡と同じころの建造物となる。
細かい改修を何度か受け、1940年代には灯油燃焼式のライトが電灯に変わるなどの変化はあったものの、1960年代までRoter Sand灯台は使用されている。
1950年代にはすでに鋼鉄製外皮の腐食、内部のコンクリートの劣化などが確認されており、設備や建物の旧式化に加えて規模、構造的にレーダーを設置できないこともあり1964年9月にRoter Sand灯台は常駐灯台守が廃止され補助灯台に格下げとなった。

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ぱっと見た目は石造りのように見えるRoter Sand灯台だが、既述の通り表面は鋼鉄で覆われており、実物の表面は鋼鉄のパネルを止める無骨なリベットが無数に並んでいる。キットではあいにくとリベットは再現されていないようだが、ベテランモデラーなら是非とも再現に挑戦したい。
三方に張り出した部分は下部に逆錐型のトンガリが作られているが、これは荒れる北海で下から迫り上がった大波がぶち当たった時の衝撃を分散させるためだろうか、やたらとカッコイイ。ここがパカッと開いてブースターに点火して空を飛んでもおかしくないカッコよさだ。
赤、白、黒という帝政ドイツ国旗と同じカラーリングというのもニクいぞ。

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角度によってはディズニーランドの建物みたいにも見える。避雷針のついたドームが19世紀らしい風合いでなんとも味がある。
1964年に廃止された後、Roter Sand灯台は1970年代には一部が取り壊されるなど荒廃が進んだ。歴史的建造物として陸上への移転なども検討されたが、1983年、基金が設立され再建と整備が開始される。
1986年には改修のために灯火が消され、Roter Sand灯台は建設101年目にして灯台としての機能を失った。
改修は土台を守るための巨大なケーソンを沈め、鋼鉄の外皮を張り替えるなど大規模なもので1990年までかかっている。

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キットは修復の終わった現在の状態を再現しているが、南側に並ぶのは不審な船舶を焼き払うためのサン・キャノンだ。と、いうのはもちろんウソで、太陽発電パネルだ。このパネルのお陰で、ここもちょっと宇宙船っぽい感じになっている。ロケットになんとか話をリンクさせようという無理やりさの滲みでたコメントだ。
1990年に修復が終わってから、Roter Sand灯台は一般の見学を受け付けており、2011年までは宿泊も可能だった。宿泊費は一泊二日、一人488ユーロ(現在のレートで約6万4千円)、二泊三日だと一人573ユーロ(約7万5千円)。寝袋とタオルは持参。管理人はいないので料理は自炊。アルコールは禁止、など制約も多く、宿泊可能なのは北海が比較的静かな夏のみだったが、約800人ほどが宿泊したらしい。
キットでは統一ドイツ国旗があがっているが、これがあがっている時は「宿泊客有り」というサインだとか。

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こちらは足元。黄色っぽい変なカタチのものは、多分煙突。なぜ円筒形でなく四角形なのかは不明だが、これは実物でもこんなカタチ。
「ヨーロッパで最も寂しいホテル」と言われたRoter Sand灯台への送迎には「ゴリアテ」という名前のタグボートが使われていたが、これまた1941年に建造されたという骨董品で、灯台には接岸不可能なんで長い桟橋を渡して、上の作例写真にも写っている吹きさらしの濡れたハシゴで入り口まで行かなければならない、というこの時点で相当に度胸のいるホテルだった。
2011年、このゴリアテに装備された桟橋が老朽化でヤバいということが判明したが、ローマのガレー船みたいな桟橋なんてそうそう備えてる船がないんでRoter Sand灯台への送迎は休止となる。
ちなみに「ゴリアテ」は2011年に廃船となったが、現在はハンブルグの博物館で展示物となっているらしい。

資料によると新型船を調達し、2013年夏のシーズンはRoter Sand灯台への日帰り渡航は可能となっているようだが、ちょっとはっきりとした書かれ方をしていないので興味のある方は現地観光局などに問い合わせた方がいいだろう。そこまでするのは面倒だ、というモデラーは当キットを組み立てて雰囲気を味わうといいだろう。

19世紀らしいエレガントなラインで構成されたSHIPYARDのドイツ Roter Sand灯台はスケールはHOスケール(87分の1)で高さ約35センチという堂々たるもの。難易度表示はないが、細かいディティールはなかなか手応えがありそうだ。
定価は公式ページに書いてないからわからないが、ポーランドのショップで59ポーランドズロチ(約1900円)で売ってるから、たぶんそれぐらいだ。キットの中身は見たこと無いから詳しいことはわかんない。

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なお、SHIPYARDのページではアクリルパーツや透明フィルム、レーザーカット済みのパーツ、さらに塗装用の塗料、筆まで全部がセットになった完全込み込みキットの発売がアナウンスされている。値段や詳しい内容は不詳だが、灯台好きモデラーがカードモデルに挑戦する入り口となってくれそうだ。また、HOスケールを生かし、なんかの超常的理由で陸上に移動したRoter Sand灯台を鉄道レイアウトに組み込むのもいいだろう。と思うが、どうでしょう。



画像はSHIPYARD社サイト公式ページからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。

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