アメリカ製戦闘機 F-104G ”Starfighter” 2種

ようやく暑さも一段落。日本ではこれからは、せっかくなった庭の栗の実をはたき落としていく(去年は3個ぐらいしか残らなかった)「台風の季節」となるが、引き続き順調なポーランドカードモデル界から本日は2キットを紹介したい。
まず紹介するのはポーランドGPM社の新製品、F-104G ”Starfighter”だ。

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F-104と言えば、やたら短い台形の翼など過激なスタイリングや、自衛隊でも配備されていた(厳密には自衛隊に配備されていたのはライセンス生産型の「F-104J」)ことから日本でもかなり馴染みの深い機体だ。
映画「地球防衛軍」でも果敢にミステリアンドームに向かっていったが、怪光線で撃墜されてしまったことは記憶に新しい。二週連続で「地球防衛軍」ネタって、どんだけ地球防衛軍が好きなんだ、このブログは。
ちなみに自衛隊の現場では三菱重工がライセンス生産を行なっていたために、その形状から「三菱鉛筆」と呼ばれていたらしい。でも、よく考えたら財閥系の三菱重工と三菱鉛筆は関係なかった

米軍戦闘機100番代の「センチュリーシリーズ」は、平凡な機体を作れば議会の「そんなの、ブードゥー(もしくはスーパーセイバー)に新型ミサイル積めばいいんじゃないの?」の一言でボツにされ、斬新な機体を作ればコンセプトが間違っててベトナム空軍にボコボコにされるという、微妙な位置づけのためになんだかパッとしない機体ばかりになってしまった感があるが、その中でF-104はまさに「星」のように輝く存在だと言えるだろう。
設計を担当したのは、P-38ライトニングでハッチャけて以来、オモシロスタイリングでは定評のある、ケリー・ジョンソン率いる「スカンク・ワークス」。
センチュリーシリーズの中には勢いにまかせて設計したらキャノピーまでなくなって(ペリスコープで前を見る)、もう飛行機だかミサイルだかわかんなくなっちゃったXF-103なんていう彼岸に行ったまんま帰ってこなかった感じの飛行機もあるので、とんでもないようで、きちんとまとまっているF-104は、さすが天才ケリー・ジョンソンの仕事だと感心せざるを得ない。

スタイルを見てわかる通り、F-104は高速性能と上昇能力に優れた戦闘機だったが、その代わりに格闘性能には劣り、航続距離も短かった。この特徴から推測される最適な任務といえば、もちろん敵爆撃機に対する迎撃だ。
米軍では1958年にF-104を実戦配備につけ、さらに空対空核ミサイル(敵の戦略爆撃機が核爆弾を落とす前に、核弾頭ミサイルの核爆発ではたき落とす)という、頭のどの辺を使って考えればそういう物騒な事を思いつくんだ、という感じのAIR-2”ジニー”ミサイルまで装備させた。ソビエトの戦略爆撃機がそんなに怖いのか。
しかし、わずか2年後にはアメリカに飛んでくるソビエト製兵器はどうやら戦略爆撃機じゃなくて、大陸間弾道弾になりそうだ、ということに気がついたので、もちろんICBMは撃ち落とせないし、それ以外に使い道がないF-104は米本土では予備となった。
ここで終わってしまえば、F-104も「コンセプトの間違ってる飛行機」としてトホホ列伝に仲良く並べられてしまうところだったのだが、依然として西側陣営のヨーロッパの諸国では、ある日突然に頭上がソビエトの爆撃機に埋め尽くされるという危険性が残っていた(と、思われていた)。
そこで迎撃だけじゃなくて、短距離爆撃任務にも使えるよう、ハードポイントの増設などを施し「戦闘爆撃機」となったF-104Gがドイツ、ベルギー、オランダ、イタリアなどに続々と供与され、やって来ないソビエト軍爆撃艦隊を待って空を睨んでいた。また、極東方面でも前述の通り日本の他、力をつけつつある中国に対抗するために台湾(中華民国)にも供与されている。軍事費に余裕がない中小国にとって、エンジン単発で小柄なF-104は手軽に揃えられる防空戦力として最適だったのだ。
この結果、F-104の総生産数は各種合計約2600機という、この時期の戦闘機としては非常に多数となった。

今回、GPMがキット化したのは戦闘爆撃型の「G型」。筆者は最近までドイツ向けサブタイプが「G型」、日本向サブタイプが「J型」なんだと勘違いしていたが、別にそういうわけではない。

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塗装は西ドイツ海軍航空隊所属機。「MARINE」と書いてあるんで、これまた筆者は長い間「どうして西ドイツには海兵隊があるんだろう」と思っていたが、これは海軍の方のマリーン。とは言っても、西ドイツ海軍は航空母艦を保有していないので、対艦ミサイルを積んでの敵艦攻撃と、沿岸を行動する友軍艦艇のカバーが主任務である。


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細部のディティールにクローズアップ。エアブレーキ、操縦席など細部の作り込みにも注目だ。
ちなみに尾部の着艦フックのようなものは、敵の爆撃などで滑走路の全長が使えない場合に備えた短距離制動用のフックであって、いざという時に友軍空母に着艦できる、というものではない。

さて、今回はGPMのF-104Gに続いて、もう一品、新製品を紹介しよう。
次に紹介するのはポーランドKARTONOWA KOLEKCJAの新製品、F-104G ”Starfighter”だ。

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同じじゃねーか!
あまりに同じタイミングで同じ機体なものだから、てっきりテクスチャ換えの同じキットなのかと思ったが、よく見るとパーツ構成が違うので別のキットなようだ。どうしてこんなもんが被るんだ。ポーランドでは「地球防衛軍」がブームなのか。「地球防衛軍」は「パシフィック・リム」とは別の映画だぞ。

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まぁ、一応、テクスチャには差があって、こちらは西ドイツ空軍所属機。
当然ながら、両者とも非常によく似たスタイルだ。違ったら、どっちかが間違ってんだ。

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あくまでも写真を見ての印象だが、KARTONOWA KOLEKCJAのキットの方が細部のディティールがやや細かい気がする。また、テクスチャもKARTONOWA KOLEKCJAの方はリベットが強調された「ヘビー・ディティール」のようだ。

そんなわけで突如訪れたF-104Gブーム。スケールはもちろん両者とも空モノ標準スケールの33分の1。難易度はGPM版が3段階評価の「2」(普通)、KK版は難易度表示がないが、印象的に普通よりやや難しめ、という感じだろうか。そして定価はGPM版が40ポーランドズロチ(約1300円)、KK版が30ズロチ(約1000円)となっている。
ちなみにこの2機のF-104G、GPMの新製品コーナーでは仲良く隣同士に並んで紹介されている。GPM、太っ腹だなぁ。なお、今だけGPMショップではGPM版もお値段30ズロチに揃えられている。
F-104Gファンのモデラーなら、もちろん2機とも購入して作り比べてみたいところだ。また、地球防衛軍ファンのモデラーなら、先週のヴァルツブルクレーダーと組み合わせて自分だけの対ミステリアン作戦を楽しむのもいいだろう。



画像はGPM社、KARTONOWA KOLEKCJAサイトからそれぞれ引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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