ANSWER -ANGRAF  イギリス軍重牽引車 AEC”Matador”・他

いよいよ関東は梅雨明け。いっきに夏めいた陽気となったついでに、筆者もカンヅメが開けて週末ぐらいは家にいるようになった。1ヶ月も紹介サボッて本業なんてしているうちに、情報元にしていたGPMのページがリニューアルされて新製品情報がどこにあるんだかよく分からなくなったが、頑張って新製品を紹介してみよう。
本日紹介するのは、ポーランドのブランド「ANSWER -ANGRAF」の新製品、イギリス軍重牽引車 AEC”Matador”だ。

MATADOR.jpg

あれ? Answerって、以前にカードモデルから撤退しなかったっけ? と思ったが、なぜか今でも平気な顔して微妙な戦車や聞いたこともないポーランドの機関車をバリバリリリースしている。自社開発はやめて、流通・出版だけになったのだろうか。東欧のカードモデル情勢は複雑怪奇なのであります。

AEC「マタドール」といえば、アドバンスト大戦略で自軍のオペルブリッツが歩兵か火砲のどちらか1部隊しか輸送できないのに、火砲を牽引しながら歩兵も運べちゃうずるい感じの輸送車両として有名だが、それもそのはず、なにしろ、マタドールのシャーシは由緒正しいロンドンバスのものだ。ただのトラックのオペルブリッツとは出自がちがう。

AECの前身、LGOC(London General Omnibus Company)すなわち「ロンドン総合乗合馬車会社」は1855年に設立された、世界的にも最初期の交通機関会社である。名探偵シャーロック・ホームズも乗ったに違いないロンドン乗合馬車だが、モータリゼーションの時代である20世紀を迎え1909年にはLGOCも自社で馬車に変わる大型バスの製造を開始する。
1912年、ロンドンバスは地下鉄及び市電と統合され、LGOCはAEC(Associated Equipment Company、直訳すれば「連合施設会社」とでもなろうか)に社名が変わる。1914年から始まった第一次大戦では兵士の輸送に加え、巨大化した重砲の牽引などのために手っ取り早く調達できる大型車両としてAECのバスシャーシを利用した大型トラックの生産が開始された。
トラックの生産は第一次大戦後も続き、1929年からAECは旅客車両を「R」で始まる名前、貨物車両を「M」で始まる名前に統一する。第二次大戦でもAECはバスシャーシを利用したトラックを生産。それが「マタドール」牽引車である(厳密にはバスシャーシを利用した2輪駆動トラックが「マタドールトラック」、それを4輪駆動化したのが「マタドールトラクター」。また、さらにそれを大型化した6輪駆動の「マーシャル」という車両もあったが、兵士たちはそれも「マタドール」と呼んでいた)。
約9千両が製造されたマタドール(トラックを含むのか、トラクターのみなのかは不明)のうち、戦後まで残存したものはパワフルな性能をかわれて林業で使用された。
AECは戦後、ロンドンのバス、と言えば普通連想する赤い二階建てバス、いわゆる「ルートマスター」も製造する(言われて見るとマタドールと二階建てバスはラジエターグリル部分の装飾が同じだ)が、1962年にAECはレイランド・モータース社に吸収され、1977年にブランドとしても消滅した。

長々とAECの歴史を書いてきたが、完成見本写真がないのでマタドールの話はここで終わりだ。我ながらいい加減な紹介だ。

さて、マタドールトラックは英軍きっての重車両として、いくつかの特殊車両のベースとなっているが、代表的なものとしては6ポンド砲を積んだ「ディーコン」自走砲、そしてロンメル将軍が鹵獲した車両を使用したことで有名な「ドチェスター装甲指揮車」がある。
今回はせっかくなので、ポーランドのブランド「SZK」からリリースされているドチェスター装甲指揮車も紹介しておこう。

AEC DORCHESTER

とは言っても、こっちも写真がこれ一枚しかないので話は長続きしない。
筆者は「ドチェスター」というのを制式名称だと長らく勘違いしていたが、実はこの名前はロンドンバスゆずりの余裕のある車内容積と、指揮官向けの高級な内装を揶揄して「高級ホテルの『ドチェスター』(ホテルの方のカナ表記は「ドチェスター」)と伸ばすのが一般的)みたいだねー」と言われたことに由来するそうだ。
ところで、SZKのドチェスターはラジエターグリルの先に、なんか箱のようなものがついて鼻先が長くなってるが、詳細はよくわからない。

ちなみに破城鎚とか世界七不思議とか、わけわからんものをキット化することで有名なSZK。現在の最新作は戦前ドイツの電動トロッコだ。

full_okladka026.jpg

……ナニコレ?

さてさて、ここまできたら長い休止の反動で、関係無いものまでもう一品、紹介してしまおう。
次に紹介するのはポーランドMODELIK社の新製品、3/4号用立体彫刻履帯だ。

Paski III i IV 2 Paski III i IV 6

MODELIKからはWaldemar Rychard氏のデザインした3号/4号系列車両が数多くリリースされているが、このオプションパーツはその履帯を質感タップリのものに簡単に置き換えるためのもの。MODELIKには珍しい立体彫刻で、キットのクオリティーもグッと上がることだろう。
って、なんでこのタイミングなんだよ!

各キットは全て陸モノ統一スケールの25分の1でのリリース。定価はそれぞれANSWER -ANGRAFのAEC”Matador”重牽引車が40ポーランドズロチ(約1300円)、SZKのAEC”Dorchester”装甲指揮車が29.9ズロチ(約1000円)、ついでに AEG Schleppfahrzeug Größe II 電動トロッコが15.9ズロチ(約500円)、そして極東某所で線を引いてる自作履帯よりも当然デキのいいMODELIKの3/4号用履帯が40ズロチ(約1300円)だこんチクショー!



画像はSZK、MODELIK公式サイト、及びGPMショップページからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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