Model-KOM ドイツ軍ロケット砲 Nebelwerfer

春の連休終盤の本日は一気に夏めいた陽気となったが、暦の上では今日は「立夏」。夏の始まりである。
とは言え、まだ本州にはこれからカードモデルの大敵のシーズン、梅雨が待っている。油断して紙がヘニャンヘニャンになったり、ノリが溶けて完成品がバラバラにならないように気を付けたい。
それでは、季節の挨拶はこの辺にして、本日の新製品を紹介しよう。
今回紹介するのはポーランドModel-KOM社の新製品、ドイツ軍ロケット砲 Nebelwerferだ。

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Model-KOMは、2年ぐらい前に16分の1「KUB」という、針の穴を通すようなピンポイントなアイテムで新規参入を果たしたことは当コーナーでもお伝えした。どうでもいいことだが、「針の穴を通す」の「針の穴」って、「針の先で突いたような小さな穴」ということなのだろうか、それとも「縫い針に開いている、糸を通す穴ぐらい小さな穴」ということなのだろうか。
そんな疑問をよそに、Model-KOMは第二作目の33分の1「B-2」ステルス爆撃機(完成全幅1.6メートル)で「ターゲット層は小さく、キットは大きく」の方針を驀進。その後もポーランド国産マルチ用途装甲車両「アンダース」とか、SA-8「ゲッコー」とか、T-54の足回りにトラックキャビンを乗っけてドーザーブレードをつけた工兵用車両「BAT-M」といった、好きな人にはたまらないが、そうでもない人には何がなんだかわからないラインナップで存在感を誇示している。
そして今回、毎回付け焼刃で知ったかぶりを繰り返す筆者でもなんとかなりそうな「Nebelwerfer」が登場だ。

第一次大戦で負けたドイツに対し連合軍は、飛行機ダメ、潜水艦ダメ、戦車ダメ、機関銃ダメ、火砲ダメ、とおおよそ戦争できそうなモノを片っ端から研究禁止にした。
どうせなら「紛争解決に用いる武器及び兵器は、これを所有することを禁ず」みたいなどうとでも解釈できる条文にしときゃ良かったのに、厳格なドイツ人のために条項を厳格にしたのが失敗で、ベルサイユ体制打破を誓うドイツの武闘派はこの条文をよく見た結果、「ロケットは禁止項目に入っていないでやんすよ」ということに気がついた。
そこで大は大陸間弾道弾、小は宣伝パンフレット散布ロケットまで各種取り揃えてロケット研究を始めたドイツ軍だったが、どうやら当初は野戦でのロケッチ砲の利用は化学兵器、つまり毒ガスを散布する手段として研究していたようだ。
でも、「毒ガスロケット」を装備した「毒ガス部隊」なんてのを編成したらいろんな事に違反しようとしてるのが一発でバレてしまうので、ロケット砲は「Nebelwerfer」すなわち「煙幕発射機」という曖昧な名前がつけられた。せっかくトンチで「ロケット砲なら禁止されてない」と思いついたんだから、普通に「ロケット砲」にしても良さそうな気もするが、この辺のサジ加減は何を考えているんだかよくわからない。
しかし、実戦で毒ガスを使うと、H.G.ウェルズの「来たるべき世界」のような、とってもとっても大変な事になっちゃうのは目に見えてるので、やっぱりロケット砲は陣地制圧用の砲撃兵器として使われることとなった。
ちなみにドイツ人と同じぐらいロケット大好きなソビエト軍では、最初は航空機から地上の装甲車両を破壊するための「無反動砲」の一種としてロケット弾を研究していたが、命中精度の低い(飛行機から百発以上撃って目標に一発も当たらなかったりした)ロケット弾が狙った戦車に当たってくれるはずもなく、「やっぱり狙わなくてもいい相手に向かって撃つことにしよう」と、面制圧用に大量に榴弾を一斉射撃する用法に切り替えた。

ドイツ軍では各種サイズのロケット弾を制式化したが、今回キット化されたのは15センチロケット弾を発射する「Nebelwerfer 41」。15センチロケット弾6発を装填し、順番に発射する(一斉に発射すると、互いの爆風で干渉しあってどこに飛んでくかわからない)。
それでは、これ以上話が長くなる前にこの辺で公式ページの完成見本写真を見てみよう。

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おいおいおいおい。
最初、「KUB」みたいに16分の1でのキット化かと思ったが、表紙を確認したら25分の1だった。25分の1でこのディティールって、どういう構造になってるんだ?

この写真では大きさがちょっとわかりにくいが、華奢な砲架は37ミリ対戦車砲と共通のものなのだから、火砲としてみるとかなり小柄な兵器だ。
普通の小銃弾発射するためにはライフル銃が必要だが、ロケット花火を発射するなら空き瓶があれば十分なように、ロケット砲は野砲のような頑丈な砲架なしで発射できるのが強みで、この華奢な砲架で重砲並の15センチ弾頭が発射できる。

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小物と一緒に。左手前に転がってるツクシンボ的なモノが15センチロケット砲弾。ソビエト軍ではロケット弾に小さな羽根をつけて直進性を確保していたが、ドイツ軍では底部のフチにズラリと開いた小さな噴射ノズルが斜めに向いており、砲弾がスピンしながら飛ぶことで直進するように設計されていた。当然、ドイツ式の方が複雑で、その分コストもかかるが、命中率は高かった。でも、ロケット弾って、命中率上げてもたかが知れてるので無駄といえば無駄だ。
隣に立っている筒は砲弾ケース。そして、その横にあるケーブルのついた箱は発射装置で、ロケット弾の凄まじい後方噴流の中で普通にヒモ(拉縄)引っ張って発射すると発射した本人が黒焦げになってしまうので、塹壕などに隠れ、箱についたスッチをヒネって発射する。

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言うまでもないが、写真は輸送状態。足を閉じたまま発射すると、間違いなくスコップの柄が燃える。
また、ロケット弾の反動がいくら小さいと言っても、全くないわけではないので、前のリガーを立てて足の端っこの駐鋤(ちゅうじょ)を半分地面に埋めてから撃たないと、発射が終わるまでに砲架がどっか行ってしまう。
それから表紙画像みたいに砲の後ろに弾薬を置いたまま発射すると、そりゃぁもぅ、大変な騒ぎになることは間違いないので、これも注意したい。

Model-KOMの気合の入りまくったドイツ軍ロケット砲 Nebelwerferは前述の通り陸モノ統一スケール25分の1でのリリース。何度は3段階評価の「3」(難しい)だが、定価は16ポーランドズロチ(約500円)というお手軽価格。また、どの辺に使うのかわからないが、レーザーカット済みディティールアップパーツが13ズロチ(約400円)、樹脂製砲弾6発セットが9ズロチ(約300円)で同時発売となる。

ピンポイントな層を狙い続けるModel-KOM。同社の「精密射撃リリース」にハートを撃ち抜かれてしまったロケット砲ファンモデラーなら、この「究極のロケット砲」キットを見逃すべきではないだろう。


画像はModel-KOM社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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