WAK ミニスケール飛行機セット Polskie Siły Powietrzne

新社会人達にとって期待と不安に満ちた4月もいよいよ終わり。新入社員諸君はもう新しい環境に慣れることはできただろうか。
社会人になると要求されるのが高度な人付き合いのスキル。C調で出世を狙う新社会人なら広範囲なホビーに興味を持つことで、うまいこと上司に取り行っていきたい。
ゴルフ、釣り、スキーなどと一緒にカードモデルを覚えておけば、自社がポーランドの会社に吸収合併され、社内公用語がポーランド語になっても大丈夫。「Wは切り抜き」「Lが左でPが右」などの軽妙なトークで上司のハートをガッチリ掴み、トントン拍子に出世まちがいなしだ。とかくこの世は無責任、コツコツやるヤツァご苦労さん。
そんなわけで、今回はポーランドWAK社からリリースされたカードモデル新規参入者にもオススメな新製品、ミニスケール飛行機セット「Polskie Siły Powietrzne」を紹介しよう。

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WAKは以前にも「Battle of Britain 1940」というレシプロ戦闘機3機セットを50分の1でリリースしているが、今回のキットもWAK独特の「ミニスケール飛行機セット」での新製品。このシリーズはカードモデルとしては珍しい50分の1(通常は33分の1)というミニスケールと初心者向けの低難易度が特徴だ。
機体そのものは有名機なので、公式ページでの完成見本写真を見ながら話を進めよう。

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今回のキットは現代ジェット戦闘機2機をセットにしたものでタイトルの「Polskie Siły Powietrzne」はポーランド空軍のこと。
まず1機目は写真の2006年から導入が始まったF-16「ファイティングファルコン」。F-16は生産時期や輸出相手によって細かくサブタイプが分かれているが、ポーランドが購入したのはエンジンを強化して格闘戦性能を強化したBlock52の輸出型、Block52+(アドバンス)。冷戦ではワルシャワ条約機構軍の最先鋒としてNATO軍と向き合っていたポーランドだが、冷戦終結後の1999年にNATO加盟を果たしている。
F-16はF-14「トムキャット」とかF-15「イーグル」とかがアメリカンサイズでとにかくでっかくて、それに伴ってとにかく高価だったのに対する反省として生まれた機体であり、小柄で比較的安価であるために西側同盟国の数多くに輸出されている。ポーランド空軍は単座型のF-16Cを36機、電子戦装備を積んだ復座型のF-16Dを12機装備している。
なお、機体の塗装はポーランド空軍で最初にF-16を装備した第31戦略航空隊の装備機。と、公式ページには書いてあるのだが完成見本写真では部隊章のようなものは見当たらない。これがテストプリントのためなのかは不明。

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つづいて2機目はMig-29の複座型、Mig-29UB。アクロバットチームかと勘違いするようなド派手なマーキングがされているが、これは第1戦略航空隊の部隊章。この部隊章はもともとポーランド空軍創設間もない時期に活躍したアメリカ人義勇パイロット隊「Kościuszko中隊」(コシューシコ、もしくはコシチュシュコ)の部隊章で、「コシューシコ」という名前は18世紀末の軍人「タデウシュ・コシューシコ」にちなんでいる。
コシューシコ将軍はポーランドを支配していたロシアに対して農民軍を率いて蜂起、巧みな戦術で一度はロシア軍相手に大勝をおさめるも、続々と押し寄せる物量に押し切られてフランスへ脱出。でもナポレオン・ボナパルトが気に入らなかったのでそこからアメリカに渡りアメリカ独立戦争に義勇兵として参加、独立軍総司令官にして後のアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの副官を努め、ワシントンとは「タデュー」「ジョージ」と親しく呼びかけあう仲だったという新旧両大陸を股にかけた破格の英雄。
ロシアから独立した直後、対ソビエト、対ウクライナと戦いが続いていたポーランド空軍には機体もパイロットも不足していたが、そこへ「独立戦争ん時の借りを返すぜ」とアメリカから駆けつけてきたのがコシューシコ中隊の冒険野郎共だった。
ちなみにコシューシコ中隊には、あんまりソビエト軍の部隊をバリバリ攻撃しまくったもんで赤軍切ってのデカいヒゲ、ブジョンヌイ将軍に50万ルーブルの賞金をかけられてしまったMerian・Caldwell・Cooperというパイロットがいるのだが、なにを隠そう、彼こそが1933年版映画「キングコング」の監督、メリアン・C・クーパーその人である。びっくりだ。

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セットの2機を並べてみるとこんな感じとなる。
東西陣営の「最前線」だったポーランドらしく、両陣営の機体が混ざっているのがおもしろい。
なお、表紙の画像ではMig-29の垂直尾翼内側にバトル・オブ・ブリテンで戦ったポーランド人パイロットのポートレイトが書かれているが、どうやらこれが書かれているのは単座型のMig-29Aで、複座型のMig-29UBには書かれていないようだ。ちなみにポーランド空軍はMig29単座型を26機、複座型を6機装備しており、一部は旧東ドイツの装備機を買い取ったものである。

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テクスチャは汚しのないスッキリしたタイプ。組み立て説明書は面をグレーに塗ったライン表現で、ステップ・バイ・ステップに近い方式のようだ。キットには英語訳もついてくるというのも地味に嬉しい。

ポーランド空軍の新鋭機を手軽に楽しむことのできるWAK ミニスケール飛行機セット「Polskie Siły Powietrzne」は空物ミニスケール50分の1で、それぞれ全長約30センチというちょうど手頃な大きさ。難易度も5段階評価の「2」(易しい)、定価たったの30ポーランドズロチ(約1000円)となっている。また、別売りパーツとしては専用のキャノピーパーツが2機分セットで8ズロチ(約250円)、レーザーカット済み芯材用厚紙が25ズロチ(約800円)となっているので、厚紙や透明フィルムの手配や加工に自信がなければこれらを利用するのもいいだろう。

いままで散々、いい加減なことを書いてきた当コーナーだが、今回はかなり本気でカードモデル入門者にオススメのキットである。



写真はWAK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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チョウシー

ポーランド語ペラペラな部下配属されて来ないかなあ~?と、毎年期待(笑)
「とかくこの世は無責任。楽してもうけてワッハッハ」 ですな(古っ!)
しかし最近円安で以前より10円近くズロチ換算で円安に。
(国内の代理店は大丈夫なんだろうか・・・?)

と、冗談も程々に(笑)
完成写真を見るとかなり出来が良さそうですね~。

PS
例のブツを郵送致しました。近日中に届くと思うので4649!

Re: チョウシー

ナオさん、こんばんは!
このキット、見た感じの雰囲気はいいし、大きさ、難易度も手頃。さらにお値段30ズロチときては、今まで現代ジェットを作ったことのない自分でも「これは入門用に欲しい!」と真剣に思いました。
まぁ、そんな風に「ちょいと一冊のつもりで注文」するから、いつの間にやら本棚占領、ってことになるわけですが(笑)
静岡HSまであと二週間。また会場でお会いできることを心待ちにしております。
当日もよろしくお願いいたします!
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