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GPM トラック GAZ-51/LUBLIN-51

一昔前までソビエト軍ソフトスキンといえば、資料もないし、なんだかよくわからないものの代表であった。
しかし、東側モデラー達との交流により多くの情報をキャッチできるようになった今、その武骨なデザインは西側のモデラーを魅了しつつあると言っても、大声で言わなければあんまり過言ではないだろう。
今回は、そんなブームを巻き起こしつつあるかもしれないソビエトソフトスキン車両の中から、ポーランドGPM社がリリースしたGAZ-51を紹介しよう。

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GAZ(ゴーリキー自動車工場)は、戦前フォードから売ってもらった機材でフォードAAトラックのソビエト版であるGAZ-AA、そのリアアクセルを2軸としたGAZ-AAAを生産していた
しかし、フォードAAは1920年代中盤の設計で、30年代にはちょっと見劣りする感じは否めなかった。そこでGAZはまず1936年にダッジ3.6リットルエンジンのライセンスを購入、インチからミリに寸法を修正して国産化する。そして、GAZはこのパワフルなエンジンを搭載した新型トラックの試作品「GAZ-11-51」を試作、外国製トラックのライセンス品ではないソビエトオリジナルの新型トラックとして中央からも大きな期待が寄せられた。
ところが、いざ量産を開始しようか、というまさにそのタイミングでドイツがソビエトに侵攻。車両の不足するソビエト軍のために従来のGAZ-AAの増産が優先され、新型トラックの量産は後送りとなってしまった。
1943年、スターリングラード戦の勝利によって戦局に余裕が出てくるとGAZの新型トラック計画は再開される。アメリカからレンドリースで送られてきたトラックの長所などを取り入れ、キャビンをやや前に移動する修正を加えた新型トラックは1945年12月(1946年とする資料もある)からGAZ-51として量産が開始される。
構造が単純で頑丈、信頼性に優れたGAZ-51は改修を加えながら1975年まで量産が続けられる。各種発展型、イルクーツク工場製も含めると生産数はおよそ350万台近いとも言われている。
主なバリエーションとしては、2輪駆動のGAZ-51を4輪駆動としたGAZ-63があり、そのシャーシはBTR-40装甲兵員輸送車にも使用されている。

それでは、戦後ソビエトトラックの定番、GAZ-51の姿を公式ページの完成見本で見てみよう。

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なんともガッツリ塗られちゃってるので、作例に対して言うことはあまりない。
キャビン形状からレンドリーストラックをそのままパクったように言われることの多い戦後ソビエトのトラックだが、(もちろんアメリカトラックの影響を受けているとは言え)前述の通りれっきとしたソビエトのオリジナルデザインだ。
ウィンカーは透明プラ棒などから切り出して自作するとクオリティを高められそうだ。
フロントガラスにはポーランド国章が入っているのでポーランド軍に供与された車両だと思うが、この国章はキットではどういう構成になってるんだ?

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後ろから見ると、確かにアメリカのトラックとは違う武骨なソビエト流デザインが強く感じられる。ベテランモデラーなら、ぜひともリヤのクリア部品も自作したいところだ。

さて、GAZ-51は中国で「躍進NJ-130」、北朝鮮で「勝利-58」、ポーランドで「LUBLIN-51」としてそれぞれライセンス生産されているが、今回GPMからはLUBLIN-51が同時発売となる。

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こちらはトラック型ではなく、ポーランドの自動車メーカーが密閉ボディを載せたバン型としてのリリースだ。
キットのタイトルにある「Polska Kronika Filmowa」というのはポーランドのニュース映画社で、10分の長さのニュース映画を作成していた。
バンの中が再現されているのかは、公式ページの情報だけではわからなかった。

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ボンネットの「Lublin」ロゴに要注目だ。車体右側のドアに書いてある「Wytwórnia Filmów Dokumentalnych」というのは直訳すると「ドキュメンタリー・フィルム・プロダクション」。その下の、「Warsaw Chełmska 21」というのはこのプロダクションの所在地で、この会社は名前を「Wytwórnia Filmów Dokumentalnych i Fabularnych」(ドキュメンタリー・フィルム、及び長編映画プロダクション)と変えながらも今もその場所にある

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なんで2つも映画社の名前が入っているのかはよく分からなかったが、あるいは制作が「PKF」、配給が「WFD」ということなのだろうか。
2つも映画社の名前が入っていることで、おそらく撮影隊の使っていた車両だと思うのだが、確証はない。
あるいは、映画館がないような田舎の村を回って、頼まれてもいないのに共産党のありがたーい教えを広めてくれる移動映画館としての車両かもしれない。

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最後にソフトスキン車両の魅力であるシャーシをチェックしておこう。
もとが単純なだけにキットの構造も単純なものだが、なかなか雰囲気はいい感じだ。
なお、ポーランドはわざわざソビエトからトラックのライセンス生産権をもらわなくても、STARというトラックブランドが戦後立ち上がっている上に、LUBLIN-51はトラックとしては積載量が足りず、バンとしては排気量がデカすぎる、ということで本国に先立ち1959年には生産を終了している。

戦後ソビエトトラックの定番であるGAZ-51は陸モノ標準スケールである25分の1で完成全長約22センチという、意外と小柄な車両だ。難易度は3段階評価の「2」(普通)、定価は50ポーランドズロチ(約1600円)となっている。また、LUBLIN-51も難易度、定価ともGAZ-51と同じ設定となっている。
オプションとしては、レーザーでの立体彫刻とカットがされたGAZ、LUBLINそれぞれのディティールアップ用厚紙パーツが30ズロチ(約1000円)、作例でも使用されているレジンかなんかのタイヤセット(共用)が35ズロチ(約1100円)での同時発売となる。

東欧トラックファンのモデラーなら、GAZ、LUBLINの2台を作り比べてみるのも面白そうだ。もちろん、GAZの車両なら見逃せないという「ガザー」のモデラーなら、これは見逃せない一品であることは言うまでもないだろう。



画像はGPM社サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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