GPM ドイツ軍軽装甲車 SdKfz.222/223

さて、2012年の夏もいよいよ終わりだ。なお、暦の上では8月7日の立秋からすでに秋だぜ、ってのはこの際言いっこなしだ。暑中見舞いも残暑見舞いも出さないズボラだから気にしない気にしない。
夏バテと、水分補給のしすぎで胃腸の弱りがちなこの季節、「ちょっと戦艦の建造は胃にもたれるな……」なんてモデラーも多いのではないだろうか。
今日はそんなバテ気味モデラーにオススメの軽~いキットを紹介しよう。

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無理やり記事に季節感を取り入れようとして、見事に上滑りした感じの書き出しだったが、反省は書き終わった後に一人ですることにして、まずはキットの紹介だ。
今回ポーランドGPM社からリリースされたのは、ドイツ軍のSdKfz.222軽装甲車。有名車両な上に、今回は作例写真も多めなので写真を交えながらまったりと進めよう。

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SdKfz.222は、装甲部隊の「目」として、軽快に走りまわり偵察を行うことを目的とした軽装甲車である。機動性を確保するために軽装甲ではあったが、そもそもが敵戦車などとの殴り合いは想定していないために、戦車のパワーアップによって無力化するようなこともなく、大戦全期間を通じて使用された。生産数はおよそ千輌。

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およそ装甲部隊の進むところには常に付き従ったSdKfz.222だが、今回のGPMのキットはこのホコリっぽい作例でも分かる通り、1941年、リビアという舞台設定がされている。最近のGPM陸物キットのスタンダードとなりつつある、キツい汚しのされたテクスチャが特徴的だ。

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SdKfz.222は装甲こそ薄かったものの、主武装は20ミリ機関砲となっており、開戦時には決して「弱武装」とは言えない強力な攻撃力を持っていた。また、この機関砲は手榴弾避けのネットを開ければ仰角を大きく取って対空射撃もできるという優れものだ。でも、この作例の機関砲はちょっと塗ってあるっぽいぞ。

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さらに機関砲を外すと、車内が再現されていることもわかる。砲塔後部のメッシュ部分はタミヤのキットでは抜けておらず、多くの模型少年が滑り止めのパターンだと勘違いしていた部分だ。最初っからマルチマテリアルで作成することを前提としているカードモデルはこういう表現に強い。

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そして、ドイツ装甲車の隠れた特徴である凝りに凝った足回りもこの通り再現。SdKfz.222は4輪駆動なのはもちろん、ダブルスプリング式のサスペンションは4輪独立、さらに4輪全てがステアリングが切れるという贅沢なもの。軽装甲車なんて、敵の装甲戦力に会えばやられちゃう消耗品なんだから、そんなに凝らなくても良さそうなもだという意見もあるが、凝り性のドイツ人にはそういうことを言っても無駄だ。

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さらに、GPMからはSdKfz.222の無線車両型であるSdKfz.223が続けて発売となった。
グデーリアン装甲集団の所属車両であることを示す正面装甲の「G」の文字が誇らしげだ。

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誇らしげだけど、ジェリ缶積むと隠れちゃう。先ほどのホコリっぽい222と打って変わった汚しも弱めのさっぱりした塗装は、1941年冬の「タイフーン作戦」をモチーフとしたもの。白十字の入ったジェリ缶は燃料ではなく、飲料水が入っていることを示しているが、そんなところに積んでおいたら凍っちゃいそうだ。あと、白十字でジェリ缶を区別するのって北アフリカでは良く見るが、東部戦線でもやってたんだろうか。

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223は222の武装を機銃のみとすることで車内のスペースを開け、そこに大型の無線機を搭載したものである。大型のフレームアンテナが特徴だ。ポーランド戦、フランス戦ではその機動力を遺憾なく発揮したドイツ軍4輪軽装甲車だったが、道路網が貧弱な東部戦線では泥、雪に悩まされ行動不能となることも多く、その点では半装軌式のSdKfz.250の方が優れていた。なお、223の生産量は約500輌。

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「ベッド・フレーム」とも呼ばれた大型アンテナはもちろん使用しないときには折りたたむことも可能(キットが折りたたみ状態にできるかは未確認)だった。222、223ともタミヤのキットが有名だが、タミヤの223では省略されていた砲塔の後ろのアミアミ部分が再現されていることも見逃せない。もっとも、こんなの手じゃ切り抜けないのでちゃんと抜けているアミアミにしたい場合には同時発売のレーザーカット済みディティールアップパーツの購入は必須だ。
タミヤキットのおかげで222といえばジャーマングレー、223といえばダークイエローというイメージが刷り込まれているが、GPMはわざわざ逆に222をダークイエローベースとしているのがおもしろい。
あと、タミヤの223といえば車内に入る無線手が上半身しかないのを変な台に乗せるようになってたのは酷いと思う。

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ライトの後ろの放射線がカードモデル(釣鐘構造)であることの証だ。そう言えば222、223とも初期型ではフェンダー上に装備されていた腕木式方向指示器(セマフォー)が、中期型以降では廃止されているが、あれって廃止しちゃっていいんだろうか。
ちなみにフェンダーの上の棒はドライバーが車幅を知るためのコーナーポール。最近では自動車教習所でしか見かけなくなった装備だが、プラモデルキットでは完成後にすぐに折れる模型少年泣かせの部品として有名だ。

夏の終わりを飾るGPMの新製品、ドイツ軍軽装甲車 SdKfz.222/223は陸モノ標準スケールの25分の1で完成全長20センチというお手頃なキット。ただし、難易度は222は3段階評価の「3」(難しい)となっているので注意が必要だ。ちなみに223の難易度は「2」(普通)となっている。出だしに「軽~い」と書いておきながら、難易度「3」という辺りが、当ブログのいい加減さを物語っている。
定価はそれぞれが50ポーランドズロチ(約1600円)、またレーザーカット済みディティールアップパーツとのセットは80ズロチ(2600円)となっている。

装甲部隊を影で支えるという地味な役割の割にはタミヤのキットのお陰で意外と知名度の高いSdKfz.222/223だが、カードモデルのキットというのは少なく、過去にGPMが一度、222をリリースしたことがあるぐらいだ。いつごろのキットなのかは判然としなかったが、今や300を超えているGPMのキット番号で「020」なんで、とっても手書きな展開図であることは想像に難くない(まさか、今回のキットは完全新規に起こしなおした新展開図だろう)。

ドイツ軍装甲車のキットとしては、4輪のSdKfz.222/223の他には6輪のSdKfz.232がGPMからリリースされており、これは今でもショップで時々みかける。また、GPMからは8輪の方の232、その砲塔をオープントップにして短砲身75ミリ砲を搭載した233、砲塔を固定戦闘室として無線能力を強化した263という興味深い「8輪三兄弟」が過去にリリースされているが、これらはキット番号99~101なので手に入れるのは難しいだろう。また、手に入れても完成させるのは輪をかけて難しいだろう(8輪232のみ、全面的にテクスチャをリライトした上で「緑表紙」で再販されたことがある)。
現在、手に入りやすいドイツ軍装甲車としては、MODELIKのSdKfz.234「プーマ」がある。これは開発中止になった偵察戦車の砲塔を積んだ本格的な重装甲車であり、ドイツ軍偵察車両ファンのモデラーなら今回リリースされた軽装甲車2車種と作り比べてみるのも面白そうだ。



画像はGPM社サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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