GPM 観測機 O-25C / 郵便飛行機 M-2

今年始め、ポーランドGPM社が派手な塗装の地味な飛行機、ダグラスO-2H をリリースしたことでカードモデル界に空前の観測機ブームが訪れたような気がすることは記憶に新しい。
ブームの火付け役、GPMからこの観測機ブームを一過性のものに終わらせないために次々に放たれた二の矢、三の矢を今回は紹介しよう。
まず、最初に紹介するのは アメリカ軍観測機 Douglas O-25C だ。

7728_1.jpg

同じじゃねーか!
思わず、滅多に使わない文字修飾を使ってしまったが、よく見ると機首周りがO-2Hとはちょっと違う。
O-25はO-2の420馬力、リバティーエンジンを675馬力、カーチス「コンカラー」エンジンに換装したものである。
しかし、よく考えたら観測機の馬力を上げても仕方ないので、やっぱりパッとしないまま歴史から消えた。
O-25Cはさらに冷却システムをエチレングリコールを使用した「プレストンシステム」としたものである。ふーん。
エンジンの交換に伴って機首周りもリファインされ、急降下爆撃したら強そうな感じの面構えとなった。

それでは、そんなパワーアップした地味な飛行機の姿を公式ページの完成写真で見てみよう。

7728_2.jpg

地味だけど、塗装は派手だ。今度はなんか赤いラインまで入っちゃって、この目立ちっぷりじゃあ観測するための飛行機だか、観測されるための飛行機だかわからない。

7728_3.jpg

操縦席の横には、なにか部隊マークのようなものが書かれているのだが、ちょっと解像度が低くて判別できなかった。

さて、GPMの地味飛行機攻撃はこれだけでは終わらない。今回はさらにもう一機、郵便飛行機 Douglas M-2も紹介しよう。

kat324.jpg

塗装が違うだけのO-2じゃねーか!

いや、確かにそう見えるかもしれないが、と言うか、実際ほとんどそうなのだが、せっかくなので説明を聞いてもらいたい。
最近では聞かなくなったが、昔は郵便の「航空便」は専門の「郵便機」が運んでいた。
有名なところでは、「星の王子様」の作者、サン・テグジュペリのもう一つの代表作、「夜間飛行」が郵便飛行士の物語であることは良く知られている。
また、映画「サボテン・ブラザース」(原題:「¡Three Amigos!」)でネッド(マーティン・ショート)が飛行機を見て、「きっとあれは郵便飛行機(「メイル」・プレーン)だ。だって玉(着陸脚)があるから」という、とってもとっても微妙な感じのギャグで自分でバカ受けしていたことも、郵便飛行機を語る上では欠くことのできない重要なトピックの一つである。

合衆国郵便局(United States Post Office)は戦時中に5千機も作られたデ・ハヴィラントDH4を郵便飛行機として使用していたが、第一次大戦中の飛行機なので1925年にはそろそろ新しい飛行機が欲しくなってダグラスにO-2の改造を依頼した。これは、当初DAM(ダグラス・エア・メール)-1と名付けられたが、カラオケのシステムと勘違いされそうなことを心配したのか、すぐのM-1と短縮され、返って漫才王座決定戦のようになってしまった。
M-1は基本的な部分ではO-2のままで、差異は座席を一つ潰して郵便物用コンテナとした他には排気がコクピットに流れ込むのを防ぐために、翼の後ろまである長い排気管が追加された程度だった。
しかし、合衆国郵便局はなぜかM-1を発注しなかった。やっぱり漫才王座決定戦じゃダメだったのか。

本家合衆国郵便局はM-1を発注しなかったが、各地の委託郵便サービスの一つである Western Air Express Company は6機のM-2を発注している。これは、ラジエター形式がオリジナルとは異なっている。
また、1926年4月、ロサンゼルスーソルトレイクシティー便の開設に伴い、さらに50機がM-3として追加発注された。
さらに積載量を増やすために翼を延長したM-4も制作され、既存のM-2、M-3も一部はM-4に改造されている。

しかし、よりパワフルで余裕のあるフォード・トライモーターなどの多座・多発機の台頭により単座で積載量の小さいダグラス郵便機は次第に活躍の場所を失っていき、1928年には全機が郵便事業から外され、少数の機体が売却された他はスクラップとなった。
なお、一機の個人所有となったダグラス郵便機は、禁酒法時代に密造酒の輸送に使われたそうだ。

さて、そんな微妙に地味な感じのダグラスM-2の姿を公式ページの完成見本で改めて確認してみよう。

IMG_7750.jpg

うん、地味なのに派手な塗装は今回も健在だ。前席を潰して郵便物の積載スペースとしたために操縦席が極端に後ろ寄りとなっており、紅白のスッキリとした塗り分けと相まってレーサー機のような印象を受ける。

IMG_7736.jpg

そして、これが延長された排気管。乗り降りの時にうっかり足をかけてぶっ壊してしまいそうだ。前席はなくなったのに、前席の視界を確保するための上翼の切欠きは残ったままなのが、ちょっとユニークだ。

IMG_7744.jpg

機首周りの細かいディティール(縦長の長丸四角)はテクスチャで表現されているが、腕に覚えのあるモデラーなら立体化することでさらに印象が良くなりそうだ。
また、前席よりもさらに前、エンジンの後ろ部分(もともとは前席操縦者の足が入ってた場所)にも積載スペースが追加されていることがわかるが、上翼が邪魔でとっても使いにくそうだ。

IMG_7741.jpg

尾翼にはもちろん Western Air Express のロゴマーク入り。胴体にはUS Air Mailのロゴも入っており、軍用機にはない賑やかさが楽しい。操縦系のケーブルの緻密なディティールにも要注目だ。

M2-1.jpg

テクスチャは汚しのないスッキリとしたタイプ。極端に細かいパーツは見当たらず、難易度も手頃そうだ。

GPMのダグラス複葉機シリーズは航空機統一スケールの33分の1で全長約30センチという手頃な完成サイズ。難易度は3段階評価の「2」(普通)、定価は両方共30ポーランドズロチ(約1000円)となっている。
それぞれ観測機マニア、郵便機マニアのモデラーなら見逃すことはできないのは当然のこと、さらにダグラス機ファンならO-2H、O-25C、M-2をすべて並べて違いを実感するのも楽しいだろう。

果たしてGPMの観測機ブームはまだまだ続くのか、それとも新たに郵便機ブームが訪れるのか……どちらにしても、確実に言えることが一つある。
もうちょっとメジャーなアイテムを選んでください。お願いします。



画像はGPM社サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。

スポンサーサイト

テーマ : 模型・プラモデル・フィギュア製作日記
ジャンル : 趣味・実用

コメントの投稿

非公開コメント

展開図公開中
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
プロフィール

のとっちょ

Author:のとっちょ
カードモデル初心者が苦闘するさまをご覧あれ。

検索フォーム
リンク(順不同、敬称略)
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード