2D-3D ドイツ軍地雷処理車 RAUMER-S

デジタル機材の普及により、今やカードモデル業界は群雄割拠の戦国時代。腕に覚えのあるデザイナー達が次々に新レーベルを旗揚げしていることはもはや今更説明するまでもないだろう。
今回はそんな新進気鋭の新興ブランドである、ポーランド2D-3Dからの新製品、ドイツ軍地雷処理車 RAUMER-Sを紹介しよう。

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RAUMER-Sは映画、「エイリアン2」に登場する海兵隊の装甲兵員輸送車だ。
と、いうのはだ。
どうも最近、毎週嘘を書いている気がするのでお詫びにエイリアン2に登場する海兵隊の装甲兵員輸送車M-577のペーパークラフトが無料公開されているサイト、aliens.humlakを紹介しておこう。チェコのデザイナーさんのページで、相互リンクしていただいている素人のペーパークラフト製作日記さんが以前に制作された、T-2スケルトンに持たせるプラズマライフルもこのサイトで公開されている作品だ。
ここまでネタを振っておいてなんだが、冷静になってみると、RAUMER-SとM-577があんまり似てないことに気がついてしょんぼりだ。むしろ「地球が燃え尽きる日」の「ランドマスター」の方がまだ似ているか。
ここで、メガフォースのタック=コムのことを即座に思い出す読者はB級映画好きにもほどがあるだろう。正義は勝つ、80年代でもな! 涙でモニターが見えないよ。いろんな意味で。
いきなり関係ない映画の話ばかりになってしまったが、まぁ、RAUMER-Sのデザインって、それぐらい未来的じゃん? ということだ。

2D-3Dという、スターウェーズに出てくる貯金箱型ロボットみたいな名前のメーカーは2011年9月に立ち上げられたブランドで、第一作目はフランスの「クロタル」地対空ミサイルシステムという意外なアイテムで快調にスタート。二作目では国際宇宙ステーションの最初のモジュールとなった「ザーリャ」という予想外の方向へ大きくジャンプ。そして、大気圏に再突入して三作目がこの「RAUMER-S」となる。行ったり来たり、ずいぶん忙しいラインナップだが、デザイナーは”Marek Wrona”氏ただ一人の個人ブランドだ。
ちなみにポーランドには、1989年にポーランドを代表するツール・ド・ポローニュで優勝している自転車レーサーの”Marek Wrona”氏がいるが、たぶん同姓同名の別人だ。

いささかメーカーの話と、関係ない映画与太話が長すぎたので、ここからは公式ページの作例写真を見ながらRAUMER-Sの説明をしよう。

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知らない人が見たら、さっぱり用途のわからないRAUMER-S(ロイマーS。Aは本当はウムラウトのついた「Ä」)は、クルップ社が地雷処理のために試作した車両である。「地雷処理」といっても、特殊な電磁波で地雷を爆発させたり、小爆弾をばらまいて地雷を誘爆させて、みたいな凝ったものではなくて、地雷原に乗り込んで頑丈な車輪で地雷を踏みまくってぼっかんぼっかん爆発させちゃおうという、いたってストレートな発想で作られた車両だ。
パッと見、大きさのわかりにくい車両だが重量がかからないと爆発しない対戦車地雷もしっかり踏みつぶしてしまおうという車重はなんと130トン、鋼鉄のパッドを装備した車輪は直径約3メートル弱という巨大な車両だ。

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車体底面は爆発に耐えられるように鋼鉄の装甲が施され、前面にも重戦車と同一の装甲バイザーが装備されているところを見ると、敵の攻撃下で地雷原に通路をつけるために開発された車両なのだろう。
この写真では前後の車輪幅が違うレイアウトがよくわかるが、これは真っ直ぐ進んだだけで地雷を踏み潰せる幅を増すための工夫である。

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キットは連結部のディティールもこのように再現。ステアリングが切れるように見えないこの車両、どうやって方向転換するのかと思ったら、液圧で中央から折れ曲がって、それで方向転換をするらしい。ちなみに下がるときは後方操縦席で操縦してそのまま下がっていく。
ロイマーSは1輌が試作され、1945年にマグデブルグで米軍に捕獲されているがその後の消息は不明。現在も詳細はよく分かっていない。

公式ページではキットの試作段階も含めさらに多数の写真を閲覧することができるので、興味のある方は是非アクセスしていただきたい。

作例は塗られているが、キットの展開図はハゲチョロ、泥ハネの書きこまれた汚しの利いたタイプ。装甲版の表面もちょっと荒れた表現となっているようだ。

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組み立て説明書はラインによるステップ・バイ・ステップ方式。なかなか分かりやすそうな好印象の組み立て説明書だ。

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新興ブランド2D-3Dの ドイツ軍地雷処理車 RAUMER-S は、スケールは陸戦標準スケールの25分の1でなんと全長62センチというビッグなキット。難易度は3段階評価の「2」(普通)、定価は45ポーランドズロチ(約1500円)、レーザーカット済み芯材よう厚紙は34ズロチ(約1100円)となっている。

ドイツ軍の地雷処理車両というと、アルケット社の「アルケット・ミーネンロイマー」が、クビンカに実車が現存していることもあり有名だが、こちらは以前にMODELIKがキット化している。

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これまたどうかした感じの形状がなんとも楽しい。こちらは定価29ズロチ(約1000円)。
地雷処理車両マニアのモデラーなら、アルケットとクルップの地雷処理車両に夢の競演をさせられるこの機会を逃すべきではないだろう。

なお、地雷処理車両は各国ともオモシロ方向に走りやすいジャンルらしく、あまりそういうもの(オモシロ車両)には縁のなさそうな米軍も「T1E3ローラー」という、なんだかとってもヤケクソ気味な車両を開発しており、こちらのカードモデルキット化も待たれるところだ。
また、米軍は「T10」という、地雷除去とドイツ兵の笑い死にを狙った試作車両があったらしいのだが、情報が少なすぎてはっきりした事が書けないのが残念だ。

いわば重機と戦車、両者の魅力を兼ねそうなえた地雷処理車両。地雷処理車両のブームはすぐそこまで来ている。のかも、知れない。なんて無責任なことを言ってみたり、みなかったり。



画像は2D-3D公式サイト、MODELIK公式サイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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