RipperWorks アメリカ製重機 Caterpillar D5N XL

もー、ほんと暑くて暑くて大変な上に、マイナーなアイテムに手をつけたもんだからさっぱり進まなくてゴメンナサイな新製品紹介だが、最近滞っているせいで後もつかえていることだし日が暮れて涼しくなったところで頑張っていこう。
あと、全く関係ないのだが、昨日、今日のGoogleトップのロゴを見て、お! 今日はなにか聖ワシリイ大聖堂の記念日なのかな!? と思ったのは筆者だけではないはずだ。そう思いたい。
tanabata-2011-hp.jpg
(ホントは仙台七夕まつり

それはそうと、本日は当コーナー初登場となる、チェコRipperWorksの新製品を紹介しよう。

00.jpg

RipperWorksの公式ページでは、ちょっと来歴がどこに書いてあるのかわからなかったが、まだ今回のリリースで21作目、というからそれほど長く活動しているブランドではないようだ。
RipperWorksの特徴は、消防車や重トラックなどの民生用車両がメインであること。軍用車両も何作かリリースはしているが、民生用車両の塗装替え程度に収まっており、装甲車両はほとんどない(一作だけ、民生用トラックを改造したガントラックがある)。
今回リリースされたCaterpillar D5N XLも、基本的には有名なアメリカのキャタピラー社(黄色い塗装と「CAT」のロゴが目印)の民生用ブルドーザーだが、キットはチェコ陸軍装備車両のダークグリーン塗装となっている。
何度か書いているが、当ブログではいわゆるキャタピラのことを「履帯」と表記しているのは、「なんか、そうするとカッコいいじゃん!」的な話ではなく、この「キャタピラ(Caterpillar)」という言葉がキャタピラー社の登録商標だからである(カタカナ表記の「キャタピラー」は日本支社の「キャタピラージャパン」の登録商標)。仕事の都合で、うっかり登録商標を一般名詞と勘違いして使わないように、というのが癖になっているので読みづらいだろうが我慢していただきたい。
キャタピラー社はもともとは「ホルト・トラクター社」という会社だったが世界で初めて履帯式の重トラクターを開発、これが第一次大戦中に大量に軍に採用されたために、1925年に他数社と合併する時に社名を履帯式トラクターの商品名であった「キャタピラー」に変更した。第一次大戦中、砲撃でメチャクチャに荒らされた戦場をホイホイと走っていくホルト・トラクターの姿は各国陸軍に影響を与え、戦車の足回りとして履帯が採用されるきっかけとなったので、ホルト社は戦車の誕生にも大きな役割を果たしたと言えるだろう。
「D5」シリーズは、巨大重機も手がけるキャタピラー社のラインナップの中では珍しい小型車両のシリーズで、原型の「D5」は1939年に開発されたが、これはわずか46輌という少数生産に終わっている。どうやら、前後の「D4」シリーズ、「D6」シリーズに挟まれ、性能的に中途半端だったようだ。
その後、D5シリーズは1960年代中盤に「D5B」として復活、今度はちょうど使いやすい大きさ、と評価され生産はググッと伸びる。2003年から生産されている「D5N」では従来の長いレバーをガッチョンガッチョン動かす操作系ではなく、指先で操作盤をクイクイッと操作する「fingertip control」(指先コントローラー)、通称FTCが採用され、また高いレベルでの排ガス、騒音対策が施されており、現代的な「ハイテクドーザー」であると言えるだろう。

それでは、早速RipperWorks公式サイトから完成見本写真を引用してみよう。

04.jpg

あら! なんだか可愛らしいわね!
一見、作例はフルディティールアップしてガッチリ塗っているように見えるが、製作途中の様子も公式サイトでは見ることが出来、それを見るとどうやらこれでスタンダード組みらしい。ヨーロッパの紙って、マット印刷でも少しツヤがあるよね。
ガラス張り密閉キャビンは民生用車輌ならでは、の魅力。外側は軍用車両らしくダークグリーンに塗ったのに、内装は「CATカラー」の黄色のままなのも、なんだかおもしろい。

05.jpg

お尻。キャタピラーの小型ドーザーの特徴は、起動輪を高い位置に上げた「三角履帯」だが、これってどういう利点があるんだろう? 重量配分の都合なんだろうか。
あと、履帯がゴムを履かせていないので、日本の路上ではちょっと目にすることは少なそうだ。

16_.jpg

表紙でもちょびっと小さい写真が載っているが、RipperWorksからリリースされているTATRA815VT8x8重トラックとP50トレーラーと組み合わせると、このように大迫力のキャラバンが完成する。RipperWorksの車輌は32分の1という「ヨーロッパスケール」でのリリースとなっているために他社のカードモデルとは組み合わせにくいのだが、RipperWorksは戦車をリリースしてないので、このでっかいトレーラーに、本当は何を載せるつもりだったんだろう?? 昔のエアフィックスのプラモデルとか?

16.jpg

こちらは制作途中の写真から。110馬力エンジンのディティールはこのような感じで再現されている。写真は割愛してしまったが、「指先コントローラー」の採用でスッキリとした運転台も見逃せないポイントだ。
この写真ではエンジンと起動輪の位置関係もよくわかって面白い。

あまり他に例のない民生用特殊車両のモデル化と、キッチリとした品質で存在感を増しつつあるチェコRipperWorksのCaterpillar D5N XLは、スケールは「ヨーロッパスケール」の32分の1。モノグラムとかエアフィックスのプラモも、昔はこのスケールだったのよ。お隣ポーランドの「陸戦スケール」とは異なるが、逆にこの独特なスケールを利用し、33分の1の航空機キットと組み合わせた情景を作るのも面白そうだ。
完成サイズは全長が14センチ、全幅が10センチ。日本で「小型」の建設車輌というと、庭木屋に来てもらうと軽トラックの荷台からゴトゴト降りてくる小さいショベルカーを思い浮かべやすいが、32分の1でこのサイズということは意外と存在感のある大きさだ。
難易度は書いてないからわかんない。でも、海外のフォーラムなんかでのレポートを見ると、5段階評価で「4」(難しい)といったところではないだろうか。そして、定価は175チェココルナ(約800円)となっている。

筆者のチョイスが思いつきのいい加減なもんだから、いまや着実に盛り上がりつつあるように見えるトラクター・建設機械ブーム。
なかなかこれらの車輌の模型が手に入らないために、この世界的ビッグウェーブを指をくわえて見ていなければならなかった日本の民生特殊車輌好きモデラーはRipperWorksのハイクオリティな民生用車輌達を見逃すべきではないだろう。



キット画像はRipperWorks公式サイトからの引用。



*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。

*8月8日追記
起動輪が高い位置にある意味についてですが、コメント欄でBig Muskiさんから「ハイスプロケットは駆動部が衝撃を受けにくいので故障が減るとか、視点が高くなるから前がよく見えるとか利点があるようです」と助言をいただきました。ありがとうございます!
そうか、こっちは素人なんで、ついつい「起動輪も接地させちまえば接地圧下がってゴキゲンなんじゃねーの?」みたいに考えてしまいますが、そんなことしたらガタンと段差から降りた時に起動輪を強打してトランスミッションぶっ壊しちゃいますね。勉強になりました。
あと、いくらなんでも庭木屋の軽トラにショベルカーは乗らないですよね…… 10tトラックかトレーラーが必要だそうです。
Big Muskiさん、ご指摘ありがとうございました!
スポンサーサイト

テーマ : 模型・プラモデル・フィギュア製作日記
ジャンル : 趣味・実用

コメントの投稿

非公開コメント

はじめまして

重機畑なもんで、こういうのを待ってました。

実物は軽トラに載りませんよ。運ぶには10t車かトレーラーが必要です。



ハイスプロケットですが、駆動部が衝撃を受けにくいので故障が減るとか視点が高くなるから前がよく見えるとか利点があるようです。

Re: タイトルなし

Big Muskiさん、初めまして!
なるほど、駆動輪が高い位置にあるのにはそういった意味があるのですね。ご指摘いただきありがとうございます!
なにぶん、重機は「カッコイイから見るの好き」という程度のニワカファンなので(他のジャンルだって、大して詳しいわけでもないですが)、これからも重機ネタの紹介で早とちりや勘違いな記述がありましたら是非ともご指摘ください。今後ともよろしくお願いいたします!
それにしても、いくらなんでも軽トラには乗らないですよね……(苦笑)
展開図公開中
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
プロフィール

のとっちょ

Author:のとっちょ
カードモデル初心者が苦闘するさまをご覧あれ。

検索フォーム
リンク(順不同、敬称略)
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード