MODELIK ドイツ軍用ディーゼル機関車 WR-360

先日、まさかの重砲リリースで火砲ファンモデラーを歓喜させたポーランドMODELIK社だが、MODELIKはだいたい10キット程度を一気にリリースするというスタイルをとっている。今回は、203ミリ榴弾砲と同時にリリースされたキットの中からもう一品、ドイツ軍用ディーゼル機関車 WR-360を紹介しよう。

WR360 okladka

…………なにこれ?
いや、まぁ普通に考えればソビエトの重砲もドイツのディーゼル機関車も、どっちも、まぁ、マイナーなのだが、筆者が詳しくないということでどうしても鉄道車輌は当コーナーでは敬遠されがちだ。しかし、今回の大量リリースには他にもプロイセン王国の機関車とか、ポーランド国鉄の保線車輌とかあって、それらよりはまだ説明しやすいか、と思ってあえて挑戦してみた。従って、詳しい読者から見れば失笑物の内容かも知れないが、そこは生ぬるい気持ちで容赦していただきたい。

WR-360はドイツが戦争直前の1938年に準備した作業用の軽ディーゼル機関車である。したがって、貨車や客車を何十輌も引っ張ったりはしないが、列車砲の陣地転換などにも使用されたという。
厳密にはWR-360には2つのタイプがあり、最初は「WR-360 C12」というタイプが10輌ほど生産されたが、これは試作型のような性格も強かったらしい。なお、WR-360 C12の「360」は360馬力、「C」は動輪3軸、そして「12」は軸単位の車輌重量が12トンであることを表している。
「統一形式機関車」とも言われ約250輌が生産された(さらに戦後、30輌ほどが追加生産されている)量産型の「WR-360 C14」は数字の通り重量が増しているが、主な変更点は変速機が新しくなったことであり、外見上の差異は30センチほど車体が長くなった程度らしい。さらに後期には排気系統などを改修し、爆発の危険性を低くした「C14K」が登場している。しかし、キットはどのタイプなのかはちょっとわからない。番号プレートがついていればタイプがわかるのだが、戦争中盤以降の車輌は数字が浮き彫りになったプレートはつかず、単に番号がペイントされていただけなので塗り替えや汚れで見えなくなっている場合も多いらしい。
なお、ドイツ国鉄の車輌は戦争初期には緑がかったグレーで塗装されていたが、42年には単なる灰色に塗装が改められ、さらに43年には他の陸軍車輌同様にダークイエローに再度塗装が改められた。戦場では、この上にレッドブラウンやダークグリーンで迷彩を施した車輌もあったようだ(塗装に関しては異論もある)。キットの車体はグレー塗装なので、42年ごろの車輌だろうか。

それでは、戦争を支えた小さな機関車WR-360の姿をさっそく公式の完成見本写真で見てみよう。

WR360 foto.0WR360 foto.1

塗られちゃってるし、画像がモノクロだし、しかも正直……ちょっと、ヒヨヒヨした感じの作例だが、小柄なWR-360のスタイルの雰囲気は充分に伝わるだろう。エンジン側面のパネルは、雨戸みたいにガラガラと引き戸になっているのだろうか。
ちょっと見づらいが、表紙画像でもわかるとおりWR-360はディーゼル機関車なのにロッドで動輪が繋がっているが、これは良く見ると前から二番目、三番目の間にカウンターウェイトをつけたメインシャフトがあり、そこから前後の動輪にロッドで動力を伝える方式となっている。

WR360 foto.2

車内の様子は、うん……まぁ、やたらディティールアップされてるよりは、キットの雰囲気がよく伝わるよね……
なんか塗りがコテコテなので、公園に保存されてる展示車輌みたいだ。この運転台のシンプルさを見ると、蒸気機関車が廃れた理由もよくわかる。

WR360 ark.1WR360 ark.3

テクスチャは汚しのないスッキリしたタイプ。ロッドや車台の構造も蒸気機関車に比べればあまり複雑ではないようだ。
運転台床の木目はパターンがテクスチャ表現されているが、もろに繰り返しなんでスーパーファミコンの背景みたいなのがなんだか懐かしい。

WR360 rys.2WR360 rys.3

組み立て説明書はライン表現でクローズアップ方式となっている。右の図を見ると、エンジン、運転台とも雰囲気重視のアッサリした構造となっているようだ。

MODELIKのドイツ軍用ディーゼル機関車 WR-360は陸戦スケールの25分の1で全長37センチという鉄道としてはかなり小柄な車輌だ。難易度は5段階評価の「4」(難しい)となっているが、個人的には展開図や組み立て説明書を見る限り「3」(普通)が妥当ではないかと思う。定価は45ポーランドズロチ(約1500円)、レーザーカット済み芯材用厚紙は45.01ズロチ(約1500円)という、微妙な値段で同時発売となるが、車体前面大型グリルのメッシュパターンなどもセットされており、より高いクオリティを求めるモデラーには必携と言えるだろう。

鉄道車両のキットは複雑、巨大なイメージがあるが、このWR-360なら鉄道キット未経験のモデラーにも充分に推薦できる内容と言えるだろう。もちろん、ディーゼル機関車ファン、ドイツ国鉄ファンのモデラーなら、他の鉄道車両と並べてみるのもおもしろそうだ。コアなモデラーならGPMの28センチ列車砲を牽引させてみたい。
ドイツ国鉄の平台車のキットが出れば上に戦車を載せて飾るのも良さそうだが、いかにも出そうな雰囲気のアイテムが出なかったりするのもカードモデル界の「お約束」。あまり過度な期待はせずに待とうではないか。



画像はMODELIK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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