MODELIK イギリス軍歩兵戦闘車 MCV-80”WARRIOR”

前回紹介したように、第二次大戦中英軍の主力輸送車輌であるシボレー15CWTという、なんかどうでもいい感じの車輌をリリースしたポーランドMODELIK社。今回はそのMODELIKの春の新作ラッシュの中からもう一品、イギリス軍歩兵戦闘車 MCV-80”WARRIOR”を紹介しよう。

Warrior okladka

あー、なんと言うか……またもや、どうでもいい感じの車輌が。
以前にケーブルの「ディスカバリーチャンネル」で「歩兵戦闘車トップ10」というコンテンツがあり、古今東西の歩兵戦闘車を大胆にランク付けしていたが、その中でストライカーやBMPを抑えて堂々3位にランキングされていてお茶の間に失笑を提供したのが、この「ウォーリア」だ。ちなみに2位はブラッドレー、1位はM113で自衛隊の89式やドイツのマルダーは、そもそもランク外という切なさ。マルダーはともかく、生産数70輌の89式じゃ仕方ないか。
「歩兵戦闘車」というのは、名前だけ聞くと歩兵をイジメるセコい車輌のようだが、実際には全く逆の車輌で、歩兵を搭載してじかに戦場へ乗りつける頼もしい装甲車輌のことである。「それって装甲兵員輸送車とどう違うのよ?」と言うと、装甲が薄く武装も乏しい装甲兵員輸送車は戦場に兵員を送り届けたら仕事はおしまいだが、歩兵戦闘車は戦車ほどではないものの重武装と重装甲を有しており、歩兵を下ろしたらそのまま歩兵の支援までしちゃうという、より戦闘的な車輌であると思えばだいたい間違いない。
イギリス軍では1960年代から足回りが三号戦車にちょっと似てるFV432”トロージャン(トロイア人)”という車輌(厳密なことを言えば、トロージャンは装甲兵員輸送車)を使っていたが、1970年代中盤ごろから時代遅れになる前に更新するよ! と次世代歩兵戦闘車の選定に乗り出した。 とは言っても、めんどうだから、アメリカで運用が開始されたM2”ブラッドレー”をライセンス生産すれば、それでいいんじゃね? という意見もあったが、イギリス人の意地なのか、結局は国内のGKN社が開発したMCV-80をFV510”ウォーリア”として採用する。
しかし、せっかく開発したウォーリアだったが、軍事費が縮小されたために英軍は800輌しかこれを調達せず、交代するはずだったトロージャンの改良派生型が今でも1500輌も現役に留まっているというトホホな結果に終わった。
ところでウォーリアは当初千輌の発注が出ていたが、英軍のお小遣いが減って買えなくなった分はどうなったのか? というと、なぜか中東のクウェートが250輌もウォーリアを受け取っているので、だぶん余っている分を押し付けたのだろう(現在、ウォーリアを装備するのはイギリスとクウェートの二国しかない)。

そんなわけで、「これが3位ってのはどうなのよ?」な感じのウォーリアだが、なぜか白黒の完成見本をさっそく見てみよう。

Warrior Foto

大胆な箱型の車体、大きく傾斜した前部装甲、ロケット弾避けの側面増加装甲、小さくまとめた砲塔など現代機甲師団を支える歩兵戦闘車輌の要素が凝縮したようなフォルムが魅力的だ。でも、それならMODELIKから出ているM2ブラッドレーのキットを買えばいいんじゃない? と言ってしまうと話が終わってしまうので、これ以降はブラッドレーの事は忘れよう。

Warrior Ark.3Warrior Ark.4

展開図はなぜかデジタルイメージではなく、現物の写真でイメージが提供されているので細部は良くわからないが、きっと汚しのないスッキリとした「MODELIKスタンダード」。なお、本製品は1998年に手書き展開図でリリースされたキットの「デジタルリマスター版」となる。

Warrior Rys.2Warrior Rys.3

組み立て説明書は面をグレーで塗ったライン表現で、クローズアップ方式となっている。内部再現はないようだが、現代車輌にはセンサーや光学機器などの細かい突出部が多い。細部まで気を抜かずにキッチリと組み上げたい。

なんか米軍に似たような車輌があったけど忘れちゃったから思い出せないMODELIKのイギリス軍歩兵戦闘車、MCV-80”WARRIOR”は陸戦スケールの25分の1で全長25センチという手ごろなサイズ。難易度は5段階評価の「4」(難しい)、定価はこのクラスにしてはちょっと高めな気もする32ポーランドズロチ(約1050円)となっている。また、レーザーカット済みの芯材用厚紙は30ズロチ(約1000円)での同時発売だ。

Warrior Laser.1

ところでこのキット、設計者は「W. Rychard & W.Piasecki」と表記されている。Rychard氏といえば、以前紹介したタイガー戦車のような第二次大戦のドイツ軍戦車をメインにしているイメージが強いが、デジタル時代になる前はPiasecki氏と組んで現用装甲車輌を多数デザインしていた。英軍のどうでもいい感じの車輌と言えば、MODELIKからはFV101”スコーピオン”戦闘偵察車という、「ああ、そんな車輌あったっけねぇ」といった感じのアイテムがRychard & Piaseckiコンビのデザインでリリースされている。現用英軍ファンなら、うっかり存在を忘れないよう、ウォーリアとスコーピオンを机の上に並べておくのもいいだろう。



画像はMODELIK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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