GPM ドイツ軍軽装甲半装軌車 Sd.Kfz 250/9

第300号という記念的キットとしてソビエトから輸入したディーゼル機関車のキットをリリースすることでカードモデル界にションボリとした衝撃を巻き起こしたポーランドGPM社だが、301番は紹介しやすそうなキットだったので今回はそれを取り上げよう。
本日紹介するのは、ドイツ軍軽装甲半装軌車 Sd.Kfz 250/9である。

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さりげないディティールアップで、「なんで表紙にプラモデルの写真が載ってるの?」と思わせるのがGPMの最近の「緑表紙」の定番だ。
Sd.Kfz 250は、もともとは「軽装甲兵員輸送車」として開発された車輌で、デマーグ社の開発した1トンハーフトラックをベースとしている(装甲ボディはビューシング社の開発)。ドイツの装甲兵員輸送車といえば、Sd.Kfz251「ハノマーグ」が有名だが、あちらは3トンハーフトラックがベースで、250の方が小柄な車体である。そのため輸送可能な兵員も、251が10名に対し、250は4名に留まる。
どこの国でも装甲兵員輸送車ってのは、思いつく限りありとあらゆる装備を乗っけた派生型が作られるものだが、Sd.Kfz250も無線指揮車型の250/3(ロンメルの乗車「GREIF」として有名)、迫撃砲を積んだ250/6、24口径75ミリ砲をオープントップ砲塔に搭載した250/7、そして20ミリ機関砲を積んだ250/9などがある。
250/9の砲塔は初期型では4輪装甲車のSd.Kfz222の砲塔が載せられていたが、後期型ではより単純な形状のSd.Kfz234/1重装甲車と共用のものに変更された。
250は車体も初期型は構造が複雑すぎたために途中から車体の構造を単純化しており、旧式車体を「Alt(旧)」、新型車体を「Neu(新)」と区別する場合もある。ちなみにわしは「Alt」というのを「オルタナティブ」の略で新型のことだと一時期本気で思っていたというのは恥ずかしいから内緒だ。ドイツの人は「なんでキーボードに「古い」ってキーがあるんだろう」と不思議に思ったりしないのだろうか。

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そんな恥ずかしい話は早めに忘れて、さっそく完成写真を見てみよう。履帯は別売りの立体彫刻履帯、砲塔のメッシュやフェンダー上のネットはディティールアップだが、全体的にはキットのままに組み立てられているようだ。
ごらんの通り、車体は「Alt」、砲塔は222共用の初期型車輌となる。

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お尻からのショット。小さい車体に小さい砲塔がよくマッチした、ユーモラスな車体形状がなかなか魅力的だ。
なお、250は全体で6600輌以上が生産された(Alt、Neuの合計)が、250/9の生産数は良くわからなかった。資料によっては「30輌」と解釈できる表記があるが、そりゃいくらなんでも少なくないかい?

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20ミリ機関砲をぐぐっとクローズアップ。カードモデルとして省略されつつも、雰囲気十分なフォルムだ。GPMのドイツ戦車キットは、なぜか車体上面が迷彩されていない事が多いのだが、今回はしっかりと天井まで迷彩が回りこんでいる。作ったドイツ軍自身がウンザリした複雑な車体形状でも、迷彩の線がしっかりつながっているのはなかなか嬉しい。
今回、GPMからは展開図のサンプルは提供されていないが、GPMの戦車キットは汚し済みの質感タップリのテクスチャで提供されるのが定番なので、きっとこのキットもストレートに組んでこのウェザリングなのだろう。

GPMのドイツ軍軽装甲半装軌車 Sd.Kfz 250/9は、スケールは陸戦スケールの25分の1で全長約18センチという小柄なキットだ。難易度表示も3段階の「2」(普通)となっているが、完成写真の足回り、機関砲を見るだけでもなかなか手ごたえは十分な内容であることがうかがえる。
また、定価も40ポーランドズロチ(約1300円)と手ごろなものとなっている。GPMの内部再現キットは、雰囲気は良いのだが部品の合いがイマイチで完成させるにはなかなかのスキルが必要だという感想もあるが、今回のキットはGPMのキットを試すいい機会となりそうだ。
質感たっぷりの立体彫刻済み連結履帯を含むディティールアップパーツのセットは50ズロチ(約1600)円、キットとディティールアップパーツが一つのパッケージとなった「フルセット」は90ズロチ(約3000円)となっているが、今ならGPMのショップでは「フルセット」が70ズロチ(約2300円)とお買い得になっている。

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右端の黒いものは写っちゃいけないものが写っているのが検閲で消されたのか、それともおいしい海苔がセットになっているのか、あるいは薄さとしなやかさを兼ね備えたフィルムエッチングパーツが含まれているのかのいずれかだと思うが、ちょっとわからない。

実はSd.Kfz250は過去にも何度かカードモデル化されている。Answerは2003年に250/9の「Neu」をリリースしており、これは少し手に入りにくいができれば今回の「Alt」と並べてみたい。また、PRO-MODELは「250,250/1」とコンパチキットのような名前のキットをリリースしているが、中身はなぜか250/9「Alt」。
250/9以外では、MODELIKが250/1を2003年にリリース。これは今でも手に入りやすいだろう。車体は「Alt」。
そして、GPMからはロンメル乗車の250/3「GREIF」(Alt車体)がこれまた2003年にリリースされている。ポーランドでは2003年に空前のSd.Kfz250ブームでも到来したのだろうか。なお、GPMの「GREIF」は2004年にA4だったキットをA3に拡大印刷した16分の1「限定版」がリリースされた。
プラモデルで「デマーグ」といえば、タミヤの35分の1のキットが有名だが、エンジンまで含めた車内再現と当時珍しかった連結履帯で組むなかなか難易度の高いキットだった。当時、背伸びしてデマーグに挑戦したものの、見事に挫折した元模型少年諸氏は、このリベンジの機会を見逃すべきではないだろう。あのキットは、連結履帯が難しくってね……



写真はGPM社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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