Orlik ドイツ帝国軍重戦車 K-Wagen

以前、「ポーランドOrlik社から衝撃的な新製品情報が届いたが、詳しい情報がないからまた今度紹介する」と言ったきり、放ったらかしになっていたことを覚えている読者も多いだろう。いや、あんまりいないか。しょっちゅういい加減な事書いてるもんな。
でも、まぁ覚えているという前提で話を続けよう。実はいくら待ってもOrlikから詳細な情報が出てこないのだが、これ以上「あの『衝撃的な新製品』とはなんだったのだろうか?」と読者の気をもませることもできないだろう。
「日本のモデラーに、世界の『ホットな』カードモデル情報を伝えたい」という、今思いついた当ブログの基本コンセプトに従って、見切り発車的に本日紹介するのは、Orlikよりリリースされた新製品、ドイツ帝国軍重戦車 K-Wagenだ。

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キタ! 第一次大戦でドイツが設計した超戦車、K-Wagenがカードモデルにまさかの登場だっ!
第一次大戦でドイツは「A7V」というヘンなカタチの戦車を実戦投入したが(MODELIKからキットが出ている)、当時の厚さ数ミリから厚くても20ミリという装甲では機関銃弾には耐えられても、野砲の水平撃ちに耐えられないことは当初からわかっていた。そこで、あらゆる砲火に耐えられる重装甲の車輌として設計されたのがK-Wagenである(「K」は「Kolossal」(巨大な)の頭文字であると考えられている)。
全長はどんな塹壕でも乗り越えられる13メートル。武装は77ミリ砲4門、機関銃7丁。初期のアイデアでは火炎放射器も搭載する予定だったが、クレージーすぎて没になった。乗員定数なんと27名。
重量68トンのFCM 2C戦車もそうとうどうかしていたのに、K-Wagenの車体重量はなんと120トン。しかも、これは165トンが見込まれていた当初の設計より車体全長を切り詰めて「現実的に」修正された後の重量だというから驚きだ。
なにしろこの重さなので、最高速度は時速8キロ(それだって、そうとう怪しい数字だ)。この速度では完成しても戦場に到着する前に戦争が終結してしまうので鉄道で前線まで輸送されることになったが、そのままじゃ重すぎて貨車にも乗らないので車体は6個のセクションに分解して運ばれ、前線でゴッドマーズのように合体することとされた。
もはや、戦車というよりもH・G・ウェルズの空想小説に登場する「陸の鋼鉄艦(The Land Ironclads)」のノリだが、タンネンベルグ戦の英雄、ヒンデンブルグ元帥が「それ、いいネ!」と言ったせいで、このファンタジーな車輌は2輌の試作が進んでおり、1918年の停戦時にはそのうちの1輌がほぼ完成状態にあった、というからこれまた驚きだ。こんなもん作ってるから戦争負けたんじゃない? ちなみに、1942年に大きいもの好きのアドルフ・ヒトラーがK-Wagenの原寸大モックアップを作らせたという未確認情報もある。そんなもん作ってるから戦争負けたんじゃない?
なお、イギリスにも第一次大戦時の「超重戦車」計画は存在し、重さ100トンの「フライング・エレファント」というファンタジーな戦車をあやうく作ってしまうところだった。もし、戦争が1919年まで続いていたら、フランスのFCM 2C、イギリスのフライング・エレファントがゴロゴロと押し寄せてくるのをドイツのK-Wagenが迎え撃つという、悪夢のような戦場が現出していたのかと思うと1918年で戦争が終わって良かったのだろう。

キットの情報は、実はなにもない。完成写真も、展開図も組み立て説明書もサンプル画像がない。
しかし、こんな車輌のキットが何度も出るとは思えない。第一次大戦ファン、クレージー戦車ファン、ファンタジー兵器ファンならこのキットを見逃す事はできないだろう。
Orlik社のドイツ帝国軍重戦車 K-Wagenはスケールは陸戦スケールの25分の1でなんと全長50センチという法外な「ビッグモデル」。しかしながら、定価は40ポーランドズロチ(約1300円)という意外にもお手軽な価格。まぁ、たぶん内部再現じゃないんだろうから、単に図体がでかいだけでそんなもんか。それより同時に発売となるレーザーカット済み芯材用厚紙が75ズロチ(約2500円)という方が驚きだ。

MODELIが去年、ドイツ軍超重戦車マウスをリリースしたのに続き、今年はフランス軍重戦車FCM 2Cをリリース。そして、OrlikがこうしてK-Wagenをリリースしたということは、今年は空前の巨大戦車ブームがやってくる、ということなのだろうか。ひょっとすると25分の1で60センチ自走迫撃砲「カール」や80センチ列車砲「ドーラ」のリリースも夢ではないのかもしれない(GPMには25分の1、K5E28センチ列車砲「レオポルド」なんていうトンデモキットがすでにある)。
自宅を25分の1戦車に占領されてもいい、という巨大兵器好きモデラーには、今年は目の離せない一年となりそうだ。



画像はOrlik社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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お邪魔します。

のとっちょ様、初めましてKeiと申します。
いつも楽しく拝見しております。本日GPMのショップで思わずポチってしまった、
OrlikのK-WAGENが遂に届きましたのでご報告。
薄々想像してましたがそれはもう、なかなかゆかいな中身でありました。
まぁ細かいパーツがない分サックっと出来上がりそうですが。
なにせ、転輪のパーツすら無いし(笑)
必要なら写真送りますよ。

Re: お邪魔します。

Keiさん、初めまして!
勢いにまかせて高速で空回りを続ける当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。
K-Wagen、ポチってしまいましたか!
あの大きさであの値段とは、いったいどんな内容なのか? とは思っていましたが、まさか転輪のパーツさえないとは驚きです(笑)
「愉快な中身」、是非拝見してみたいですね! よろしければお手数ですがオモシロそうな部分を見繕って
y_noto@kb3.so-net.ne.jp
までお送りいただけますと幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします!
展開図公開中
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