MPModel ポーランド軍練習機 RWD-8

先日、当ブログでポーランドMPModelブランドの日本海軍、三菱A5M4九六式艦上戦闘機を紹介したが、読者の中には「日本軍のちょっとマイナーだけどキットがなかった機体をリリースするとは、MPModelブランドからは目が離せないぞ」と思われた方もいるかもしれない。
誤解を避けるために、あえて強調しておこう。MPModelブランドのデザイナー、”Marek Pacyński”氏の本領はそんなものではない。現に、MPModelのキットはほとんどが第一次大戦の複葉機か、ポーランドのあまり知られていない機種、もしくはポーランドの全然知られていない機種で占められている。
本日はそんな、Marek氏のマイナー飛行機一人旅が続いているMPModelブランドのラインナップから、九六式艦上戦闘機の次にリリースされたポーランド軍練習機 RWD-8を紹介しよう。

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ほら、もういきなり何をどうしていいか分からない感じの機体がきちゃったもの。
「紹介しよう」とか気前がいい事言った割には、完成写真も展開図、組み立て説明書のサンプルもないのでキットについて書く事は正直、無い。仕方が無いので、RWD-8について、ついさっきネットで調べてきたことを披露する事でなんとか間をつなぎたい。
「RWD」は、以前紹介した軽飛行機 RWD-4、RWD-5bisの記事でも触れたが、ワルシャワ大学のStanisław Rogalski、Stanisław Wigura、Jerzy Drzewieckiの三人が作った設計所で軽飛行機のデザインを得意としている。RWDは「4」「5」と民間用軽飛行機を設計した後、連絡機「RWD-6」を軍に売り込むが、ポーランド空軍は「Lublin R-XIIIっていう便利機体があるからいらない」ということで「6」は試作に終わる。なお、このLublin R-XIIIはMPModelブランドの第1作目のキットとなっている。どんだけポーランドのマイナー機が好きなんだ。
「7」はどこにも話が出てこないので、たぶん設計のみに終わり、新たにポーランド空軍の「初等練習機を応募しまーす」の呼びかけに応じて作られたのが、このRWD-8だった。RWD-8はその抜群の安定性(練習機にはとっても大事)が評価され、PZL-5bis、Bartel BM-4という、やっぱり聞いた事も無いライバルを破って制式採用となる。
RWDはちょうどこのころ、DWL(Doświadczalne Warsztaty Lotnicze「試作航空工房」)という工場を建設しており、RWD-8はこのDWLの最初の量産機となる。また、空軍は同時に国営工場のPWS (Podlaska Wytwórnia Samolotów「ポドラシエ航空機工廠」)でも機体生産を行った。つまり、RWDがデザインした機体がPZLに勝利し、DWLとPWSが生産した、ということだ。アルファベット3文字が多すぎてわけわからんがな。
安価なRWD-8はDWL(民間向け)で80機、PWS(空軍向け)で470機が生産され、合計550機は戦前ポーランドで最多の生産数となる。あれっ? ポーランド空軍の主力、PZL-11ってもっと生産されてなかったっけ? と思ったら、PZL-11の生産数は325機だそうだ。そりゃ、ドイツ空軍に負けるわ。と、言うか、ポーランド空軍は戦闘機よりも多数の練習機を生産してどうするつもりだったんだろう。まずはパイロットを大量育成し、次の世代の機体更新でどーんと戦闘機が増える予定だったんだろうか。

1939年9月のドイツ軍ポーランド侵攻では、まぁ、練習機なんで大した活躍はしていないが、不整地での運用が可能なことと、離着陸距離が短いことで連絡機としても使われた。また、手榴弾を投げ落とすことで「爆撃機」として使用された例もあるらしい。第一次大戦じゃないんだから。
破壊されなかった機体はルーマニア、ハンガリー、ラトビアに逃れた他はドイツ軍に鹵獲されたが、いずれも長くは利用されていない。
最後まで残っていたのは、パレスチナに売却された一機をイスラエル空軍が使用していた機体で、これも1949年に廃棄されている。
RWD-8は、現在1機も現存していない。

新製品紹介というよりも、「ぶらりポーランド航空史途中下車の旅」といった感じだったが、MPModel ポーランド軍練習機 RWD-8はスケールは航空機スケールの33分の1、定価はAnswerのショップページで26.25ポーランドズロチ(約850円)となっていた。と、言うか、AnswerのショップページではMPModelのキットは全部26.25ズロチだ。
なんか、ま、どうでもいい感じの機種なのになぜかプラモデルも出ているRWD-8は、きっと練習機好きモデラーの心の琴線に触れるものがあるのだろう。この記事を読んでビビっときた読者は今からでも遅くは無い、世界の練習機を作る孤独な旅に旅立ってはいかがだろうか。わしは遠慮しておきます。



画像はAnswer社ショップページからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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