中華民国空軍 王牌飛行員 黄新瑞・4

さて、傷の癒えた黄新瑞氏は機体をグロスター・グラディエイター、中国空軍名称「格洛斯特“斗士”」に代え、第29中隊の隊長となります。
1938年2月24日、第29中隊は12機のグラディエイターで日本軍の水上機母艦、「能登呂」、「衣笠丸」から発進した九五式水上偵察機の迎撃に向かいます。九五式水上偵察機は、複葉でフロート付きの機体とはいえ、その空戦性能は新型の九六式艦上戦闘機(単葉)にも匹敵するといわれており、侮りがたい敵です。
しかも、中国軍のグラディエイターは機銃がやたらと故障(ジャム:弾詰まり)するという問題がありました。これは、どうやらベルギーから調達した弾薬が不良品だったみたい。
グラディエイターは下翼ポッド、胴体側面に4門の機関銃を装備しているので、これがちゃんと火を吹けばかなりの火力となるはずが、あっというまに稼動機銃が1門とか2門になってしまうためにグラディエイターのパイロットはダメージを与えようと敵に近づきすぎ、後部銃座の返り討ちとなる機もありました。
この空戦で黄新瑞氏は1機を炎上させ、さらに2機にダメージを与え燃料の尾を引かせたものの直接に撃墜の確認はできませんでした。しかし、後に中国軍は2機の残骸を発見し、うち1機は黄新瑞氏が炎上させたものと認定され撃墜数は「3」となります。
日本軍の記録では、「能登呂」、「衣笠丸」それぞれの航空隊は1機づつ未帰還となった他、能登呂の1機は損傷しながらも着水時に破損、損失となっています。なお、この着水時に破損した能登呂の1機(岩城邦宏大尉乗機)は、数えてみたら138発被弾していた、というから凄まじい。
中国空軍の損害も多く、2機が撃墜された他にも複数の機体が損傷。さらに爆撃で穴だらけになっている滑走路でコケる機体もあって稼動機は半減してしまいます。

この後、2月28日に黄新瑞氏は哨戒飛行中にまたも九五式水上偵察機4機を発見し突撃、1機を撃墜し撃墜数を「4」としますが、そうじゃなくて2月25日に九五式艦上戦闘機を撃墜したんだよ、とする資料や、いやいや、両方撃墜してるよ、とする資料もあるそうです。

1938年4月13日、第29中隊は日本海軍の空母「加賀」が発進させた攻撃隊に対し、迎撃に飛び立ちました。加賀航空隊は九四式艦上爆撃機18機と、その護衛に九五式艦上戦闘機3機、さらに単葉の新型戦闘機、九六式艦上戦闘機3機が随伴していました。
対するのは第29中隊のグラディエイター9機。さらに他の隊の9機が合流し、18機のグラディエイターで阻止を試みます。
互いを発見するのはほぼ同時でしたが、黄新瑞氏は護衛戦闘機が反応するよりも早く飛行場上空へ差し掛かりつつあった爆撃機編隊へ向かって突進、1機に集中射撃を浴びせ炎上、墜落させます。
向かってくる九五式艦上戦闘機隊との格闘戦となり、さらに1機を撃墜。しかし、この戦闘で彼のグラディエイターは機銃が次々に故障、発射可能なのは1門となってしまいます。
そこへ、日本軍の九六式艦上戦闘機隊が向かって来ますが、黄新瑞氏は残る機銃1門でこれに立ち向かい1機を撃墜。この日3機目の撃墜を果たします。しかし、九六式艦上戦闘機隊の蝶野仁郎小隊長の攻撃を受け機体は炎上。
左手を負傷した黄新瑞氏は炎上する機体から脱出に成功するものの傷は重く、療養には時間が必要となりそうでした。

1日で3機を撃墜し、黄新瑞氏は撃墜数を「7」に伸ばしたものの、次回いよいよ最終回です。

ところで昨日「キットがないのよー」と書いた九四式水上偵察機ですが、相互リンクしていただいている紙模型静岡工場のナオさんから「GPMの巡洋艦「那智」に、200分の1で九四式水上偵察機が付いてきますよ!」と有りがたい指摘をいただきました。いやー、艦船キット付属の機体のことは完全に忘れてましたー。ご指摘、ありがとうございます。
なお、本日登場の九五式水上偵察機も、航空スケールのキットは見つからなかったものの、FlyModelの戦艦「長門」に200分の1で付属してるようです。
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