中華民国空軍 王牌飛行員 黄新瑞・3

まずは訂正でーす。
昨日のエントリで鹿屋海軍航空隊が1937年8月14日に実施した渡洋爆撃に「大した抵抗もなく」と書いてしまいましたが、実際にはこの日も中国空軍の激しい迎撃を受けておりました。日本語での中国空軍戦記の決定版、中山 雅洋氏の「中国的天空」で有名な生涯撃墜数5機の王牌飛行員、”高志航”氏の初撃墜がこの14日の迎撃戦だそうです。

さて、15日の迎撃では複葉、単葉、固定脚、引き込み脚などの迎撃が総数26機発進。これだけの数に襲い掛かられたら、いくら日本軍の九六式陸上攻撃機が新鋭機といっても分が悪い。20機の日本軍陸上攻撃機と26機の中国軍迎撃機、双方入り乱れての大空戦の結果、日本軍は4機が撃墜されます。このうちの1機がボーイング・ピーシューター隊を率いて迎撃に上がった黄新瑞氏の戦果で、彼の撃墜1機目となります。
これに対し、中国軍は日本軍機の防御銃火により5機が損傷。でも、逆に言えば20機の密集陣形の爆撃機に26機が襲い掛かって損失4機なんだから、あながち「空中艦隊」も間違ってはいない、ということか。

翌16日、今度は鹿屋海軍航空隊が南京へ向かって出撃。14日の空戦の損失などもあり、出撃機数は6機と少なめ。ところが、この日は雲が低かったために日本軍機の来襲が発見できず、警報が出たときにはすでに日本軍は飛行場の目前に迫っていました。
黄新瑞氏はボーイング・ピーシューターに飛び乗り爆撃を受ける滑走路より発進、後には部下のピーシューター2機が続きます。さらに2機のカーチス・ホーク2が加わり、5機となった迎撃隊は日本軍爆撃機に襲い掛かります。
前日の空戦で九六式陸攻の背中にある旋回式銃座の威力を知った黄新瑞氏は、九六式陸攻の双尾翼の陰に入ることで防御銃火を避け、真っ直ぐ突っ込みながら機銃を撃ちまくります。衝突前に急上昇し、垂直ループから別の機の背中へ攻撃。この機が燃料を曳きながら高度を下げ始めたために目標を変え、さらに別の機へ。今度は機を降下に入れて速度をつけ、上昇しながら腹の下に機銃を撃ちこみます。しかし、直後にピーシューターの機銃が故障、攻撃を断念せざるを得ませんでした(この機は新田少佐の乗る指揮官機だったと考えられています。少佐の機は帰投中に墜落しましたが、黄新瑞氏の撃墜とは認められていません)。
迎撃隊は攻撃を続行するも、爆弾を落とし速度を上げた九六式陸攻に追いつくのは困難で、旧式のホーク2の1機は後ろに食いつきながらも防御銃火を浴び続け、追撃を断念しています。この日の日本軍損失は2機。中国軍は1機が損傷しました。

日本軍攻撃機と言うと「打たれ弱い」イメージがありますが、この時期の戦闘機の主装備である7.7ミリ機銃の攻撃にはよく耐え、損傷しつつも基地までなんとか帰り着く機体も決して少なくはありませんでした。
しかし、それでも14~16日の三日間の戦闘で日本軍陸攻隊の稼動機は損耗により半減。決して楽な戦いではありませんでしたが、これ以降は航空母艦、水上機母艦が上海に到着、さらに上海近郊に飛行場を整備したことにより戦闘には日本軍戦闘機が参加するようになります。

黄新瑞氏は37年8月23日、複葉の九五式艦上戦闘機を撃墜、撃墜数を「2」とするも、9月19日、九四式水上偵察機(複葉)8機との戦闘で負傷します。
怪我は軽症でしたが、一時戦列より離れ、ついでに機種転換も行うこととなり、グロスター・グラディエイターを装備する第29中隊に転属となります。

次回は第29中隊、グラディエイターでの戦いです。
ちなみに今回登場した日本軍機のカードモデルですが、一つも見つかりませんでした。日本軍好きのポーランドのカードモデラーも、さすがに太平洋戦争前に第一線を退いた旧式機まではフォローしてくれないか……
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1/200なら・・・

のとっちょさん、今晩は。
九四式水偵なら軍艦付属のちまっ!としたのが有りますヨ~。取り合えず手元にはGPM那智に付属のやつが・・・。でもコレ真っ白なんですよね~。古いやつなんで艦載機の迷彩まで印刷してられっか!!って事でしょう・・・。昔のGPMは艦載機は何故かみんな色無しなんですよね。ちなみにFLの利根のやつはグレー単色らしいですよ。(これまた謎)

Re: 1/200なら・・・

ナオさん、今晩は。
ああっ! 艦船のキットに艦載機が付属するということを完全に失念しておりました! 水偵なんかは更新が遅いので、探せばまだありそうですね。
それにしても、迷彩をはなから断念してホワイトモデルとは……逆に版ズレしまくった印刷も、それはそれで困りそうですが(笑)。
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