Orlik ソビエト製汎用機 An-2

昨日はうっかり寝てしまったので、本日は頑張って新製品を紹介したい。
今回紹介するのは、工兵車輌や普通のバスなど、地味で紹介しづらいキットを次々にリリースし、マニアと筆者をウンウンとうならせているポーランドOrlik社の新商品、ソビエト製汎用機 An-2だ。

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地味だー。
アントノフ An-2は、ポリカリポフPo-2という、これまた地味な練習機が輸送、連絡などにとってもとっても便利だったので、その後継機として戦後まもなく開発されたものである。意外にもAn-2はもともとは軍用機ではなく、農薬散布などの農業もしくは林業用に開発された機体だった。
特徴はその頑丈さ、安定性、そして離着陸距離の短さと失速速度の遅さにあった。まず、離着陸は200メートル程度の滑走路があれば可能であったというから、これはつまり一般的な学校の校庭にAn-2が着陸して財閥のお嬢様を降ろし、向きを変えた機体はメイドさんの操縦で優雅に離陸、なんていう一昔前の学園マンガの登場シーンのようなこともできるというわけだ。財閥のお嬢様なら共産圏の輸送機じゃなくて、ヘリで来い、というのはこの際不問としよう。
また、失速速度は極端に遅く、実質時速40キロ程度でも飛行が可能といい、極端な例を出すと小型台風並みの風速15メートルの向かい風に突っ込んでいくと、「あまりに失速速度が遅いので後ろに飛べる」と、冗談抜きで言われているらしい。ほんとかいな。
「エンジン騒音が凄まじく、機内では会話できない」、「実は燃費がけっこう悪い」といった欠点もあるものの、この極端な扱いやすさゆえに、消防隊の「水投下機」や病院の患者輸送機、ラジオ中継機などの多くのバリエーションが存在し、中国、ポーランドでもライセンス生産されている。
生産は1990年代まで続き、ライセンス生産機も含むと1万7千機という多数が生産された。
1947年初飛行の飛行機を、1990年まで生産してるなんて、さすが旧共産圏の物持ちの良さは違うぜ! と思ったら、ギネスブックによると世界で最も長く生産されている飛行機は西側のロッキードC-130ハーキュリーズだそうな。ぎゃふーん。
なお、当機が「布と木で作られているのでレーダーに小さくしか映らず「ステルス性」を持っている」というウワサは、どうやら西側軍事関係者の間での「お約束ギャグ」らしい。まぁ、本当にそれでステルス性能が得られるんだったら、西側もそういう機体を開発してるわな。

では、さっそく公式ページの完成見本写真を見てみよう。

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なんだか、微妙にスクラップっぽい写真だが、これは手前側半分しか翼、脚を組んでいないからだ。試作品だからって、翼まで半分しか作らないってのは初めて見た。

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置いてある姿は、なんだかしょんぼりな感じだがクローズアップすると、その表情は途端に生き生きとしてくる。下方視界を得るため、胴体から飛び出した特徴的な風防がユニークだ。カウルの中に見えているエンジンのディティールも見逃せない。

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横から見ると、大エンジンで小さい機体を無理やり引っ張る軍用機とは違い、太い胴体と径の小さいエンジンの組み合わせとなっているのが特徴的だ。また、An-2は一見小柄な機体に見えるが、持っている手と比べると意外なほど大きな機体だということがわかる。なお、支えている手はキットには含まれない(と思う)。

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これだけキャノピーが大きいと、自然とコクピット内が見えてしまうが、もちろんそこはぬかりなくモデリングされているのも見逃せない。胴体に並ぶ丸窓からは見える機内キャビンも再現されているのだが、なぜか写真がない。さては作ってないのか?

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ほらね、展開図はちゃんと機内の部品もあるでしょ。
テクスチャは汚しのないスッキリしたタイプ。機体塗装はポーランド空軍のものとなっている。

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組み立て説明書は面をグレーで塗ったラインタイプ。ステップ・バイ・ステップとクローズアップの中間的な方式のようだ。
エンジン、機内ディティールの細かさに注目したい。ちなみに左側の画像はわしが縦横比を間違えたわけではなく、もとからこの表現。

ポーランドOrlik社の新商品、ソビエト製汎用機 An-2はスケールは航空スケールの33分の1で、全幅55センチという、意外に大柄なキット。定価の52ポーランドズロチ(1700円)は、単発機としてはやや高めに感じるかもしれないが、この内容、この大きさなら納得の定価設定だろう。
An-2はその生産数の多さと構造の単純さから、中古機なら市場で3万ドル前後から手に入るという。将来、An-2を購入して夢の飛行機通勤・通学を実現したいというモデラーは、まず当キットを購入してその雰囲気を味わってみてはどうだろうか。



画像はOrlik社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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