Model-KOM ソビエト軍自走対空ミサイルランチャー 2K12「KUB」

21世紀に入り、3D-CADシステムなどの立体データをコンピュータで扱うことが容易となり、カードモデルも「新世紀」を迎えたといっても過言ではないだろう。
コンピュータの導入により、展開図はよりシャープに、より正確になり、そしてかつては一部の職人設計士だけが行うことのできたカードモデルの設計そのものが、コンピュータを扱える無数のカードモデラーたちの手へと移ったのである。
これにより、精密なキットを発売する「中小メーカー」が、近年増加の一途をたどっている。これは、製品の多様性に直結するものであり、モデラーとしては歓迎すべきことであろう。
今回紹介するのは、そのような新興メーカーの一つ、ポーランドModel-KOM社の第一号作品、ソビエト軍自走対空ミサイルランチャー 2K12「KUB」だ。

kub_0.jpg

いやさ、新興メーカーが出てくるのは嬉しいんだけどさ、なんで最初のキットがKUBなの?? それは、ついこの間、angraf-MODELが出したじゃない。君らはそんなにKUBが好きなのか?

ただし、このキットはangrafのKUBとは大きな違いが一つある。angrafのキットは陸戦標準スケールの25分の1だが、今回Model-KOMがリリースしたこのキットは表紙にもある通り、16分の1スケールなのである。
16分の1といえば、DRAF MODELからリリースされている75ミリ対戦車砲と105ミリ榴弾砲がメジャーだが、車輌が16分の1でキット販売されるのは始めてなのではないだろうか。いや、古いマリモデにそんなのがあったような気がするが古すぎて思い出せない。
ちなみに、さっきDRAF MODELのサイトに行ったら日本軍の九五式軽戦車「ハ号」が2010年の新商品としてアナウンスされていた(スケールは25分の1)。君らはどんだけ日本軍好きなんだ!? でもこのキット、ショップで見たことないから、まだリリースはされていないようだ。なにがなにやら。

まぁDRAF MODELのことは置いておいて、さっそく完成見本を見てみよう。

kub_1.jpg

うむ。KUBだ。車体色は「MODELIKのロシアングリーン」みたいな色となっている。
これだけなら「ふーん」といった感じだが、このキットの本領はロングの写真ではわからない。
ぐっと近づいてみよう。

kub_2.jpgkub_3.jpg

見よ! これが「新世紀カードモデル」の、そして16分の1のディティールだ!
ところどころ、微妙に色が違うのは、オプションパーツを使用している部分だろう。ミサイルがなんでアルミ物干し竿(ビニールカバーつき)みたいなペッカペカの緑なのかはわからない。表紙では車体色なのに。そもそも弾頭の色も違うし。

kub_4.jpgkub_5.jpg

エンジン、運転席もこの通り再現されている。でも運転席はあんまり見えないっすね。
車体フロント部分の線状の膨らみがわざわざ紙を湾曲させて表現されているのも、いろんな意味で驚きだ。
あと、上からの照明が強すぎてあまり写真は上手ではないようだ。しょっちゅう、ピントの外れたボケボケ写真を上げているわしに言われたくもないだろうが。
ところで、車体下になにか支えの棒が見えているのはなんなんだろう。サスペンションを固定していなくて、外すとへたりこんじゃうんだろうか。

kub_6.jpgkub_7.jpg

Model-KOMの自信の表れなのか、このキットはマニュアルをオンラインからフルでダウンロードすることができる。文章部分の英訳も提供されているので、ポーランド語の苦手なモデラーでも安心だ。
マニュアルから2ページ、エンジンと運転席を抜粋してみたが、これを見るだけでもこのキットが凄まじいクオリティとなっていることがわかるだろう。なお、組み立て説明書はご覧の通り、グレーのCG表現でクローズアップ方式となっている。

Model-KOM社の第1号作品、16分の1ソビエト軍自走対空ミサイルランチャー 2K12「KUB」は、定価は89ポーランドズロチ(約3千円)となっている。カードモデルの車輌キットとしてはやや高い印象も受けるが、この内容なら決して不釣合いな値段ではないと言えるだろう。
また、レーザーによる立体彫刻済み履帯パーツがDRAF MODELから105ズロチ(約3500円)で発売となるが、これはModel-KOMとDRAF MODELの協力関係がうかがえるようで興味深い。そういえばKUBの表紙デザインもDRAFのキットとちょっと似てる気がする。
また、レーザーカット済み心材用厚紙が40ズロチ(1300円)、ミサイルのガードとなるワイヤー部品と、立体模様が浮き彫りになっているプレス部品のセットが34ズロチ(1100円)など、オプションパーツも豊富。
さらに、「KUB専用」というわけではなく、汎用的に利用できる六角ボルトや半円リベットなどもサイズを各種取り揃え、それぞれ100個セットで8~14ズロチ(250~450円)で販売しているのもなかなかユニークだ。

カードモデル界に新規参入となったModel-KOM社。ソビエト軍対空ミサイル好きのモデラーなら、是非このキットを購入し、新興メーカーを応援していきたいところだ。でも、お願いだから次回作はもっとメジャーな車輌にしてください。


画像はModel-KOM社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
スポンサーサイト

テーマ : 模型・プラモデル・フィギュア製作日記
ジャンル : 趣味・実用

コメントの投稿

非公開コメント

展開図公開中
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
プロフィール

のとっちょ

Author:のとっちょ
カードモデル初心者が苦闘するさまをご覧あれ。

検索フォーム
リンク(順不同、敬称略)
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード