マルタの剣闘士・3

さて、のんびり生産してる間に時代遅れになって第二次大戦ではすっかり「脇役」となったイギリス軍の複葉戦闘機グラディエイターですが、やっと話はメインのマルタ島へと移ります。
マルタ島は地中海のド真ん中にある小さな島で、イタリアのシシリー島からは南へ約100キロ。イギリスは東のスエズ運河、西のジブラルタルで地中海に栓をしているわけですが、第二次大戦ではその中さえも枢軸軍が自由に行動できなかったのは、このマルタ島にあった飛行場から飛んでくる飛行機がイタリアの大事な大事な貨物船をボッカンボッカン沈めちゃうから。
当然、イタリア軍もこの島の飛行場地中海の航行を邪魔するのはわかっていたので、開戦と同時に空襲をしかけてマルタ島の飛行場をつぶそうとしたのですが、それに立ち向かったのがマルタ島に配備されたグロスター・グラディエイター(正確には、艦載型のシーグラディエイター)でした。

1940年、イタリアが参戦するかも? と考えたイギリス軍は防空戦力を派遣することに決めたものの、本土も守らなきゃいけないし、まだフランスでも戦ってるし、というわけで空母HMSグロリアスに積んであったシーグラディエイターをマルタ島におすそ分けします(機数は20機前後で資料によって差異あり。移動が激しくてはっきりないのよ)。
これらは空母の甲板に置いてあった飛行機を飛行場に移したわけではなく、荷物として木箱に梱包された状態でした。
一旦は、木箱に入った飛行機一杯でホクホクのマルタ島ですが、バルカン半島におけるイギリス軍の拠点であるギリシャの隣のユーゴスラビアがドイツと仲が良くて、メッサーシュミット109を売ってもらったというのでギリシャ防空のために少し抽出、さらに空母グロリアスが「なんかノルウェーとデンマークがドイツに侵攻されたんで、助けにいくわ。飛行機ちょっと返して」というのでまた少し抽出、とだんだん数が減って、マルタ島のグラディエイターは12機前後(8機説もあり)まで数は減ってしまいました。しかも、まだ木箱の中。一人暮らしの引越しじゃないんだから、早く箱開けなさいよ。

1940年6月、イタリアは快進撃続くドイツの尻馬に乗ってイギリスに対して宣戦を布告。
たちまちイタリア王立空軍レジア・アエロナウティカがマルタ島に押し寄せます。これに対し、島を守るのはやっと組み立てたシーグラディエイター4機(パイロットも不足してるし、部品の補給も目処が立たないから残りは予備)。
イタリア空軍は爆撃機サボイア・マルケッティSM79を複葉戦闘機フィアットCR.42と、より近代的なマッキMC.200でエスコートしていましたが、イギリス軍には有利な点もありました。マルタ島には初期型ながら、防空警戒レーダーがあったのです。
イギリス軍はレーダーで空襲を察知するとグラディエイターを発進させ、上空で待機。イタリア軍航空隊を発見すると護衛の戦闘機を無視し、まっすぐに爆撃機へ急降下で攻撃を加える戦法で一方的に爆撃機に損傷を与え続けました。
スペック表上での最高速度は遅いといっても、急降下で速度のついているグラディエイターの捕捉は難しく、さらに場合によっては優れた格闘性能で戦闘機に空中戦を挑むこともあり、6月23日には護衛についていた単葉戦闘機のマッキMC200を撃墜しています。
6月の終わりごろからは新型戦闘機ハリケーンとそのパイロットがポツポツとマルタ島に到着し始めますが、まだその数は少なくグラディエイターの出番が終わったわけじゃない。
すでにグラディエイターは2機が破壊され、再度組み立てた機体と合わせて稼動機は3機となっていましたが、この3機には「信頼(Faith)」「希望(Hope)」「慈善(Charity)」の名前が与えられました。

一部の資料には、この三機が開戦からハリケーンの到着まで孤軍奮闘したように書かれていますが、それはさすがに大げさで、実際には既述のように三機の他にも予備機があり、名前が与えられたのもハリケーン到着後のようです。
長くなったんで、今回はハリケーン到着で一息ついたここまでとして、次回は三機のその後とやっとこさっとこのHalinskiのキット紹介でおじゃいますよ。
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