マルタの剣闘士・1

さて、本日から世間では連休なのをいいことに、当ブログではHalinskiの新作キット、シー・グラディエイターをサカナに、どうでもいいようなグロスター・グラディエイターの話を延々と書いてみよう、という企画です。
まず、今回はそもそもグラディエイターとはなんぞや? と、いうところから。

一般的には、第一次大戦の戦闘機は複葉機、第二次大戦の戦闘機は単葉機と、「n次大戦での戦闘機は2/n枚の翼を持つ」という翼方程式がなりたつわけですが、じゃあ第三次世界大戦では0.6666....葉機で戦うのかよ、というツッコミは置いておくとして、第二次大戦初期には諸般の事情で複葉戦闘機も何機種か現役に留まっていました。
有名なところでは、イタリアのフィアットCR.42、ソビエトのポリカリポフI-15とそのバリエーションがまぁ、いわゆる「やられ役」としてよく出てきますが、イギリスもとってもひろ~い大英帝国の端っこの方には開戦時に複葉戦闘機がまだ残ってました。それが、このやたら寒くなりそうな週末にネタにしていじり倒そうというグロスター・グラディエイターなのであります。

251.jpg

せっかくなので、Halinski公式ページの試作完成品の写真を。うーん、かっちょいいねー。密閉風防の近代的な胴体前部と、複葉の組み合わせがなんだかミスマッチ。

さてさて、時は1930年、イギリス空軍は次期戦闘機の仕様書、F.7/30を航空機メーカー各社に通達します。
主な仕様は、機関銃4丁を装備し、最高速度は時速400キロを超えること。
最高時速400キロって、なんか地味~な仕様ですけど、まだドイツは再軍備前で本気で戦争する気はないから、まぁ、こんなもんでってことなんでしょう。第一、1929年の世界恐慌以来、軍事費は減る一方だから採用したところで機種更新するかわからんし。一説には、この時期のイギリス空軍の予算って、スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)より少なかったらしいよ。きっと、「バカ歩き省」よりも少なかったことは疑いようがない。
そして、F.7/30ではエンジンは「蒸気冷却」という斬新な方法のロールスロイス・ゴスホークを使うとイイよ! と規定されていたものの、このエンジンが曲者で、予定の出力が出ない、とかならまだしも、肝心の蒸気冷却がさっぱり思い通りに働かず、F.7/30に従って各社が設計した戦闘機のうち、ゴスホークを搭載したものは全てがまともに飛ばないという空前絶後の爆笑な結果に終わり、岡部ださく先生の「世界の駄っ作機」においしいネタを提供するだけに終わりました。
だが、グロスター社の設計士 H.P. Follandはいち早く、「このエンジンは使い物にならない!」と見破り、ゴスホークを使用せずにブリストル・マーキュリーエンジンを選択、これを前年に設計したグロスター・ゴーントレット戦闘機(もちろん複葉)を改良した機体に載せることを選びます。
この、超堅実な作戦が見事に的中、試作機SS.37は他の飛行機がぷすんぷすん言いながら地面をゴトゴト走り回っているうちに最高時速390キロをマーク。操縦性も良好でコクピットを密閉式に改めるなどし、「グラディエイター」として採用となりました。良かった良かった。

ちょいと長くなりすぎたんで、今日は採用になったところまでで一旦おしまい。
マルタ島はまだ遠いのであります。
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