MODELIK 宇宙ロケット マーキュリー・レッドストーン MR3

1月も終わろうとしているが、どうやらポーランドの人たちは1月中もあまり働く気はないようで、新製品のリリースが止まっている。ポーランド寒いしね。そこで、本日はポーランドMODELIK社が2010年にリリースした製品の中から、宇宙ロケット マーキュリー・レッドストーン MR3を紹介しよう。

ずどどーん。
M.Redston okladka

表紙は、兵士がションボリしているいつものタッチとは違い、カッチリとしたタッチ。ロケット本体は、これCGなのかな。ちょっと小さくてわからんけど。
「マーキュリー・レッドストーン」というのは、厳密にはロケットの名前ではなく、「マーキュリー宇宙船を積んだレッドストーンロケット」の意味だ。マーキュリー宇宙船は、ソビエトに先を越されたアメリカが「オレ達も宇宙へ行くぞ!」と立ち上げたその名も「マーキュリー計画」で使用された宇宙船で、「MR3」というのは、マーキュリー、レッドストーン、3号の頭文字となる。
MR1号は、打ち上げ実験用の空荷で、MR2号はチンパンジーを乗せての生命維持装置の試験機、そしてこの3号がアメリカ初の有人宇宙飛行を達成した。乗っていたのは、アラン・シェパード。サンダーバード3号の操縦士、アラン・トレーシーの名前の由来となった人物だ。
レッドストーンロケットは、もともとはアメリカ陸軍が開発した中距離弾道弾で、見た目はそこそこ洗練されているが基本的にはドイツ軍の開発したV2ロケットの拡大発展型である。そもそも、レッドストーンの開発にはV2を開発したフォン・ブラウン博士が協力していたのだから、あたりまえと言えばあたりまえだ。初期のロケットはとにかく性能が安定せず、ある時などは発射直後に制御を失い、隣で発射準備中だった空軍開発のソー・ロケットの発射台に突っ込んでしまい、「陸軍は『発射台間弾道弾』を開発しているのか」と揶揄されたのは有名な話だ。そんなものを人が乗っても大丈夫、というところまで洗練させたのだから開発者の努力には頭が下がる。

当コーナーでは「宇宙もの」は初めての登場となるが、ペーパークラフト/カードモデルとロケット、人工衛星というのは相性がいいらしく、東欧ではキットが多数発売されているほか、キヤノンのクリエイティブパークではH2ロケットの展開図が無料ダウンロードできる。また、JAXA公式ページから小惑星探査船「はやぶさ」のキットをダウンロードした読者も多い事だろう。「はやぶさ」のキットは、「熟練者用は組み立て説明がありません」という豪快さも素晴らしい。

いささか、ロケットと「宇宙もの」の説明が長くなってしまったが、この辺で完成見本の写真を見てみよう。

M.Redston Foto.1

「砲弾型」だったV2に比べて、単純な円筒形となったレッドストーンの胴体が目を引く。アポロ宇宙船を見慣れている我々の世代からすると、先端の宇宙船に比べてロケットが随分小さい気がするが、これでも3人乗りのアポロ宇宙船に比べれば1人がギュウギュウに押し込まれているマーキュリー宇宙船はずっと小さい。だが、この大きさのロケットではその小さいマーキュリー宇宙船でも軌道に乗せることはできず、MR3の飛行は「宇宙まで行きました! と、思ったら落ちてきました!」という弾道飛行で、わずか15分で終わってしまった。

M.Redston Foto.2

マーキュリー宇宙船は、写真上段真ん中の黒いアポロチョコみたいな部分だけである。その先の通天閣みたいなものは緊急脱出用ロケットで、発射時にレッドストーンロケットが爆発するぞ! と思ったら、この赤い小さなロケットでシュポっと宇宙船が飛び上がって爆発から逃げる、というしろものだった。でも、そんなことうまくいくの? ちなみに、この緊急脱出ロケットが実際に使用されたことはない。なお、緊急脱出ロケットは宇宙空間に出た時点で必要なくなるので、分離、投棄される。
写真の通りキットにはディスプレイ台がついてくるが、発射台がないのはちょっと寂しい。でも、発射台なんてトラスと剥き出しメカの塊だから組み立てが大変過ぎるか。

M.Redston Ark.1

当然といえば当然だが、テクスチャは汚しのないスッキリしたタイプ。打ち上げ前のロケットが汚れていたら、アランだって「パパ! このロケットには乗りたくないよ!」って言うに決まってる。

M.Redston Rys.1

組み立て説明書は面をグレーで塗ったラインタイプ。これで全部なのかな? 胴体こそ単純な円筒形だが、頭部のマーキュリー宇宙船と緊急脱出ロケット、そして尾部のテイルフィンはなかなか細かい構造となっており、上下でキットのイメージをぐっと引き締めている。

宇宙船です! と言う割には15分で帰ってきちゃって、それでも一応アメリカ初の有人宇宙飛行ですよ、というMODELIK社の宇宙ロケット マーキュリー・レッドストーン MR3は、スケールは独特な50分の1スケールだが、それでも全長は50センチにもなる。ロケットってのはデカいのだ。難易度は、控えめに5段階評価の「3」(普通)、そして定価も18ポーランドズロチ(600円)と控えめな設定となっている。なお、9ズロチ(約300円)でレーザーカット済み心材用厚紙が同時発売となるが、胴体用の丸いパーツばかりなので、厚紙切るのが苦にならない人は購入しなくとも良いだろう。

なお、MODELIKからは、さらに大型のアトラスロケットにマーキュリー宇宙船を載せ、地球周回軌道への投入に成功したマーキュリー・アトラスのキットも同時に発売されており、一緒に紹介しようと思ったのだが、全然時間が足りないので次回紹介しよう。



画像はMODELIK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。

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