Orel ソビエト製クレーントラック「КС-2561Д」

今年に入ってからやるのをすっかり忘れていたせいで滞っていた、ウクライナOrel社の過去の新製品を本日は紹介しよう。「過去の新製品」ってのも、ひどい表記だが、去年の四月発売なのに今さら紹介しているので仕方がないと諦めていただきたい。
本日紹介するのは、ソビエト製クレーントラック「КС-2561Д」だ。

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ああ、そうですか、という感じだが、「紹介する」と威勢良く言ってしまったからには「よくワンカンネ。おしまい」というわけにも行かない。ここは一つ、断片的な情報をまとめて知っているフリで乗り切ろう。
なお、名称の「КС-2561Д」はキリル文字なので、「ケーシー2561アスキーアートで良く口になってるやつ」ではなく、「ケーエス2561ディー(KS-2561D)」だ。
КС-2561Дは、ЗиЛ(ZIL)-130トラックをベースとしたクレーン車輌だ。と、言っても、そもそも、ЗиЛ-130からしてわからない。ЗиЛは、ソビエトのトラック設計局で、戦時中はЗИС(ZIS)という名前で汎用トラックをバリバリ設計していた。ЗИСの「С」はスターリンの頭文字で、「スターリン記念工場」のことだが、フルシチョフおじさんが「スターリンを個人崇拝するのはイカン!」と言ったので名前が変更になった。「なるほど、スターリンからレーニンに巻き戻ったのか」と、わしは長らく思っていたが、新しい「Л」はレーニンの頭文字じゃなくて、工場長として功績があったリハチョフさんの頭文字だそうだ。
そのЗиЛで、より古いЗиЛ- 164に代わって1964から大量生産されたのがЗиЛ-130である。なんで数字が巻き戻るのかはワカンネ。
ЗиЛ-130は、ステアリングブースター、シンクロメッシュギヤボックス、新型ヒンジのカルダンドライブ、エンジンヒーター、そしてウィンドウォッシャーを導入しており、340万台という多数が生産され、1995年からは生産拠点をウラル工場へと移した。って、1995年になっても1964年のトラック作ってるの!?
ちなみに、ЗиЛ-130はЗиЛトラックとしては、初めて民間向けにも生産された(それまでは軍用だけだった)車輌だということである。
さて、そんなソビエトで最もメジャーなトラックであるЗиЛ-130に、クレーンを搭載したのが、このКС-2561Дだ。8メートルのクレーンは電気式で、1968年から各所の工場で20年以上に渡って生産された、これまたソビエトにおけるクレーントラックの「定番」というわけだ。
なんとカンペを読みながら、つっかえつっかえ説明を終わらせたところで完成写真を見てみよう。

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なんでモノクロなの? と思うかもしれないが、良くみるとモノトーンのカーペットの上にホワイトモデルが置いてあるだけだ。共産圏のトラックらしい、無愛想なフォルムが今となってはむしろユーモラスだ。

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クレーンのメカ部分は意外とアッサリとした作り。でも、本物を見たことないからディフォルメなんだかリアルなんだかわからない。

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巨大重機のような迫力はないが、アウトリガーを踏ん張り、アームで荷物をよいしょ、と持ち上げるその姿はなかなかサマになっている。
表紙といい、完成写真といい、真正面からの姿を見せてくれないのは何か不都合があるのだろうか。ちなみに、実車を前方から見るとこんな感じだ。写真は「2561K」だが、ЗиЛ-130の特徴的なフロントグリルが良くわかる。

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ソフトスキン車輌といえば、チェックしなければいけないのがシャーシとエンジンのディティール。ハッキリとは見えないが、エンジンも再現されているようだ。あれ、ЗиЛ-130って、四輪駆動じゃなくて後輪駆動なんだ。あと車輪のトレッドパターンがちょっと足りないのは、わしも悩まされている「ベルト足りない現象」か?

Orel社のソビエト製クレーントラック「КС-2561Д」は、陸戦スケールの25分の1で全長たぶん27センチぐらい(クレーン含まず)というから、意外と小柄なキットだ。定価は87ウクライナフリブニャ(約1000円)、難易度は3段階の「2」(普通)となっている。

戦後のソビエトの民生用トラックのキットなんて、まぁ、他じゃあまず手に入らないだろうから、トラック好きモデラーなら、これは是非コレクションに加えたい一品である。また、陸戦スケールでのリリースなので、「横転した軍用車輌を助けに来たКС-2561Д」という情景を作るのもいいだろう。
でも、良く考えたらクレーンタイプじゃなくて、まずは普通にЗиЛ-130をリリースすれば、もうちょっと汎用性が高かったんじゃね? という疑問は、この際はそっと胸に秘めておくのがいいだろう。


画像はOrel社サイト公式フォーラムからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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