WAK ポーランド国内軍急造装甲車 Kubus

なんか止まっていたせいで、書き上げた記事を下書き保存して満足して寝てしまって大恥をかいた! とひどい言いがかりで八つ当たりされていたポーランドWAK社のサイトが復活していたので、さっそくWAK社の新製品を紹介しよう。
本日紹介するのはポーランド国内軍急造装甲車「Kubus」だ。

Kubus_1.jpg

さぁ、またやっかいなアイテムが出てきちゃったぞ。
まず、「ポーランド国内軍」というのは、1939年9月に壊滅したポーランド正規軍のことではなく、米英軍やソビエト軍と一緒に行動していた亡命ポーランド軍のことでもない。彼らは、1939年9月にポーランドが降伏するときに地下や野山に潜伏し、なんと終戦間際まで抵抗を続けていたという脅威のレジスタンス組織である。
しかし、そんな苦戦を続けたポーランド国内軍だが、1944年8月、ソビエト軍の接近に呼応した蜂起、いわゆる「ワルシャワ蜂起」が準備の不足、支援を約束していたソビエト軍の前進停止(純軍事的な事情もあったが、それなら「ちょっと進めなくなりますよ」と国内軍に連絡すべきであった)などにより失敗、壊滅的打撃を蒙る。
その「ワルシャワ蜂起」の再に、シボレー157トラック(ポーランドでのライセンス生産品)に装甲ボディを被せて1輌だけ急造されたのが、この「Kubus」(正しくはsは上に点がつく「ś」)であった。
なお、「Kubus」という名前はいつもの鳥や魚の名前ではなく、ポーランド語での聖ヤコブの名「Jakub」の指小形であり、すなわち「クブちゃん」ぐらいの意味だ。まるで新聞4コマのタイトルだ。
なぜ、急造装甲車の名前が「クブちゃん」なのかというと、装甲車製作中に技術者の一人の妻が戦死。彼女のコードネームであったKubusが装甲車につけられた。女性なのにコードネームが男性名の「ヤコブ」の指小形なのは、これまた妙な気もするが、ディズニーで有名なA.A.ミルンの絵本「クマのプーさん」のポーランドでの名前が「Kubuś Puchatek」、つまり「ふんわりクブちゃん」だったというから、たぶんそれに由来するのだろう。

さて、車輌の説明をしていると、またキットの紹介をする時間がなくなるので、この辺で完成写真へと進もう。

Kubus_2.jpg

なんだかポリゴンが足りなかった感じの面構成が、いかにも急造という感じだが、良く見ると細かい面取りがされており、なかなか手の込んだ作りとなっている。ちなみに設計図のようなものはなく、ほとんど現物合わせで作られたようだ。

Kubus_3.jpg

ドイツ式のノテックライトがチョコンとついているのが可愛いが、これじゃ夜間走行は無理そうだ。フェンダーの棒は、車幅指示か、それともバックミラーか、ちょっとわからない。ミラーにしちゃ、いくらなんでも小さい気もするが。

Kubus_4.jpg

シャーシはあっさりとした表現だが、雰囲気はなかなか良い。ところでKubusはどこにも扉のようなものが見当たらないが、乗り降りは車体底から行ったという。残念ながら、その扉は省略されているようだ。

Kubus_5.jpg

なんだか、作りかけにしか見えないリアビュー。本当は、後部の乗降用の扉をつけるはずが、技術的に困難で断念された。真正面でこちらを向いている面に、明らかに面構成と関係ない溶接線があるのも、鉄板をどっかで調達してきた急造装甲車ならでは、だ。
なお、「急造装甲車」と書いてきたが、実際の任務は敵攻撃下での部隊の移動、突入であり、厳密には「装甲車」ではなく、「装甲兵員輸送車」である。

Kubus_6.jpg

横から見ると真ん中がスカスカ。でもこれぐらい空いてないと乗り降りできない。

Kubus_7.jpg

テクスチャは、WAKにしては珍しくうっすらと汚しがかかっている。Kubusは蜂起終盤でドイツ軍に道路を封鎖されたため、機器を取り外した上で遺棄されたが戦後に回収され博物館に現存している。その車輌は、なんだかブルー系の蛇行迷彩がされているが、あれは褪色しちゃったんだろうか。なお、Kubusは蜂起60周年の2004年に実物大の良くできたレプリカが製作され、パレードなどで走っているが、そっちはレッドブランの迷彩だ。

Kubus_8.jpg

組み立て説明書はグレーで面を塗ったライン方式で、ステップ・バイ・ステップとなっている。
車内やエンジンはなく、シャーシも見える範囲だけ再現されていることがわかる。

WAKのポーランド国内軍急造装甲車 Kubusはスケールは陸戦スケールの25分の1で、全長25センチほど、というから意外と小柄な車輌だ。値段は26ポーランドズロチ(約850円)で、同時にレーザーカット済み心材用厚紙が25ポーランドズロチ(約800円)で発売となる。
難易度は、最近のWAKとしては珍しく5段階評価の「3」(普通)と、控えめ。

Kubusはその昔、GPMがキット番号60の黄色表紙でリリースしたことがあるらしいが、そんなもん見たこともないので、急造装甲車好きのモデラーなら、このキットを見逃す事はできないだろう。
個人的には映画「地下水道」のせいで、「ワルシャワ蜂起」といえば、自走地雷「ゴリアテ」なのだが、意外とどこも出さないねぇ、ゴリアテ。



写真はWAK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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