WAK ソビエト陸軍自走砲 Su-57・前編

ポーランドの有名カードモデルメーカーといえば、MODELIKやGPMの名前が上がる事も多い。しかし、この有名2社が、なんだか思いついたときにブビブビっと何種類もキットをリリースして、後は数ヶ月音沙汰なし、という、「今、手元にあるネタ全部紹介しちゃっていいの? ネタ切れにならない?」と紹介者をヤキモキさせるリリースペースなのが -贅沢な不満である、と判ってはいるものの- 不満と言えば不満である。
一方、それに対し、毎月1作のペースをほぼ着実に守り、さらに時々「Extra」として連番以外にもキットを発売してくれる安心感溢れるメーカーが、最近、3号戦車や特二式内火艇などのマイナー、メジャー織り交ぜたリリースで存在感を大きくしつつあるポーランドのWAK社だ。
今回は、そのWAK社のラインナップから、特二式内火艇の前に発売されていたけれども、うっかり紹介するのを忘れていたソビエト陸軍自走砲 Su-57を紹介しよう。

Su-57_1.jpg

このSu-57は、一見、アメリカのM3ハーフトラックに火砲をのっけただけに見えるが、実際にそうである。
一部の資料ではレンドリースでアメリカから送られてきたハーフトラックに、レンドリースでイギリスから送られてきた火砲をのっけただけ、のように書かれていることもあるが、実はこれ、ちゃんとアメリカで作られた車輌らしい。
1941年の参戦直後、機械化大好きな米軍はありとあらゆる火砲をM3ハーフトラックに載せて「自走砲でござ~い」と言い張る強引な技を見せ、北アフリカでは75ミリ榴弾砲や105ミリ榴弾砲を積んだM3ハーフトラックがタイガー戦車に追いかけられてヒーヒー言っていた。
そして、当時米軍で最もパンチ力のあるM1対戦車砲(英軍の57ミリ6ポンド対戦車砲のアメリカ生産型)もとりあえずM3にのっけてみたのが、自走対戦車砲「T48」だ。しかし、「もう75ミリ砲積んでるシャーマン戦車の生産が軌道に乗ったからいらないや」と制式採用されず(だから制式番号のM~という番号はない)。
ところが、何故かこれが43年までかけて960輌も生産されてしまう。一説には、T48は米軍が試作したものではなく、英軍が「自走砲が欲しいよー欲しいよーとっても欲しいよー」とダダをこねたので、イギリス軍のために開発、生産されたともいう。
さて、960輌も生産してしまったT48、米軍はいらないって言うんでイギリス軍に送ったら、イギリス軍も「6ポンド砲じゃタイガー戦車倒せないからいらない」とつれないお返事。そりゃないよ。これ、「イギリスから開発を言い出した」説が真実だったら大問題じゃないの?
680輌がイギリスに送られたT48は30輌を分解してM3ハーフトラックと6ポンド砲としておいしく頂いたほかは、「車輌不足のあいつらなら、こんなものでも喜ぶに違いない」と650輌がドンブラコッコとソビエトへさらに供与されることに。なお、イギリスに送られたのは60輌で、650輌はアメリカから直接ソビエトに、という資料もあります。残りの2百と数十輌は、やっぱり逆改造されてM3とM1対戦車砲に戻りましたとさ。
で、ソビエトに渡った650輌のT48は、「ハラショー! こいつはナイスな対戦車自走砲だ!」と気に入られて「Su-57」として制式採用になる。あいつら、太平洋では駄作扱いだったP-39エアラコブラ戦闘機が超絶お気に入りだったりするんで、ソビエト人のツボというのはよくわからん。
そんな紆余曲折を経て、Su-57は第14、第16、第19、第22の各自走砲旅団へと配備される。
でも、ごたごたしてるうちに初陣は1944年2月。さすがに対戦車戦闘には使えないだろう。
「同志諸君の自走砲旅団に新型自走砲が配備された!」
って言って、これが出てきたらみんな怒るだろうな。しかも、1944年に。
ちなみに砲弾は、イギリスから供与されたバレンタイン歩兵戦車の主砲と共用だったので、そこは不便しなかったとか。
Su-57はそれでも南部戦域で戦い続けウクライナを駆け抜けバルカンへ進出、東欧解放に参加し、1945年には一部の車輌がポーランド人民軍に引き渡されている。

いい気になって書きまくっていたら車輌の説明だけであまりに長くなってしまったので、キットの紹介はまた明日のお楽しみとしよう。
ごめんね、ちょっと出かける用事があるのよ。

~続く~
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