GPM イギリス軍「ロールスロイス装甲車1920年型」

昨日はうっかり寝てしまったが、そんなことはおくびにも出さずに新製品を紹介する。ちなみに「おくび」というのは、ゲップの古語だそうだ。へー。
本日紹介するのは、いよいよキット番号300目前となったポーランドGPM社から、イギリス軍「ロールスロイス装甲車1920年型」だ。

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なんというか、「まさか、そのアイテムを!」という感じの意外なアイテムチョイスのセンスは、さすがポーランドカーモデル界の老舗、と言うべきだろう。
ロールスロイス装甲車は1914年、まだ空軍独立前のイギリス海軍航空隊が「装甲車ほしいよー装甲車ほしいよーねーねー装甲車ほしいよー」と要求したために、海軍本部がロールスロイス社の名車、「シルバーゴースト」のシャーシに装甲ボディを載せることで、わずか3ヶ月で開発して「あいよ」と配備した装甲車である。なぜ、海軍航空隊が装甲車を欲しがるのかと言えば、当時の航空機は航続距離が短かったために前線の移動にあわせて頻繁に飛行場を移動する必要があり、また前線に近いために戦闘に巻き込まれることも多かったからではないの? ただ、第一次大戦勃発当初は、年内に戦争は終わると思われていたので「戦争にかこつけて、新しい装備GETだぜ!」という企みも、感じるといえば感じる。
ところが、完成した12月にはすでに戦況は膠着状態となり、塹壕が張り巡らされた前線はとてもではないがロールスロイスが走り回れる状態にはなく、ヨーロッパ方面の部隊は「ん、イラネ」と放り出してしまう。使われなくなったロールスロイスはもったいないので、塹壕戦とはなってない中東方面に持っていったら、やたらと広い戦場に信頼性の高いロールスロイスは最適で、アラブ独立のため(結果的にウソだったけど)に戦った「アラビアのロレンス」も、ロールスロイス装甲車をたいへん高く評価していた。
1920年型は、初期型に比べ全体の装甲がやや厚くなっている。また、1924年にも改修が行われており、砲塔が密閉型からオープントップとなり、ボーイズ対戦車ライフルが使用できるようになった。
ロールスロイル装甲車は第二次大戦でも中東、北アフリカで使用され、旧式ながらも装甲戦力の乏しい戦場では貴重な装甲車として重宝された。

それでは、さっそくGPMサイトから完成写真を引用してみよう。

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なんつーか、奇っ怪なカタチのケツしてんなー。装甲ボディの丈が足りなくって、フェンダーの隙間からシャーシが見えちゃってるけどいいのかね。
MODELIKのフォード装甲車などもそうだが、やはり第一次大戦から戦間期にかけてのヘロヘロな装甲車には「紙」という素材がよく似合う。プラモデルでは、この「力弱さ」はなかなか表現できないだろう。
テクスチャは、中東を意識したホコリっぽい、淡くかすんだ感じの汚しが強くかけられているようだ。

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装甲車モデルの隠れたチャームポイント、シャーシのメカニズムもこのとおりの再現性だ。ロールスロイスって、二輪駆動なのね。シルバーゴーストベースだから、あたりまえか。といった新発見もある。
ところで、このタイヤはどういうパーツ構成になってるんだ? 積層材からの削りだしなのかしらん??
タイヤと言えば、このロールスロイスはスポークホイールを履いているが、「1920年型では皿形のディスクホイールに交換された」と、たいていの資料には書かれているが、どうなんでしょう。

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そのスポークホイールだが、今回はレーザーカット済みのスポークホイール、芯材用厚紙などが入ったセット版も発売となる。このスポーク、説明がないので素材はなんだかわからない。真鍮エッチングだったらこんな真っ黒に写らないと思うけど、フィルムかなにかをレーザーカットしたものだろうか。

両大戦でこっそりと大活躍したけど、まぁ、なんだかどうでもいい感じの車輌、イギリス軍「ロールスロイス装甲車1920年型」は陸戦スケール25分の1で全長21センチと、やや小柄なキット。まぁ、もとは乗用車だもんな。難易度は3段階の「2」(普通)となっているが、シャーシのメカがむき出しになっている分、そこそこの工作技術は要求されるだろう。定価は通常版が40ポーランドズロチ(約1300円)、セット版が70ズロチ(約2300円)となっているが、セット版は現在GPMショップで60ズロチ(約2000円)での割引販売となっている。

ロールスロイス装甲車は、以前にウクライナのRODENがなにを思ったか35分の1でうっかりプラモデルを出したことがあるが、基本的にこういったヘロンヘロンな装甲車のキットは数が少ない。したがって、ションボリ装甲車マニアのモデラーは、このキットを見逃すべきではないだろう。また、GPMからは第一次大戦を代表する装甲車である、ロシア革命で活躍したオースチン・プチロフ装甲車も発売となっているので、ションボリ装甲車同士一緒に並べてみるのもおもしろいだろう。


画像はGPM社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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