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Orel ソビエト軍ジェット戦闘機「МиГ-9」

ここ数日の急激な円高と、それに対する為替介入。日夜自分の手持ちのカードモデルの価値の乱高下に一喜一憂しているカードモデルトレーダーも多いのではないだろうか。いや、そんなにはいないか。
天候も外国為替も不安定な日々が続くが、今日は安定したリリースペースと美しい表紙には定評のあるウクライナOrel社の新製品、ソビエト軍ジェット戦闘機「МиГ-9」を紹介しよう。

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久々にOrelの新製品紹介だな、と思ったら、前回紹介した潜水艦「C-7」以来、Orelの新作紹介は半年ぶりだ。もちろん、この間Orel社がとっても長い夏休みととっていたわけではないことは、キット番号が「C-7」の「58」から今回の「78」に、20もとんでいることで明らかだが、その間にリリースされたのが良く知らない電気機関車とか、良く知らない重機とかなんで、後でで調べようと思っているうちにこんなことになったんです。ごめんなさい。反省しています。
しかし、それらを今紹介しろと言われても「知りません」以外に書くことがないので、それらは後々紹介したり、しなかったりする事として、ここは「МиГ-9」の紹介を続けよう。

「МиГ-9」は、ラテン文字での表記は「MiG-9」となり、すなわち有名なミコヤン-グレビッチ設計局のデザインした「ミグ9」のことである。ミグ設計局は、独ソ開戦時に「MiG-1」という高速戦闘機を軍に供給していたが、MiG-1は最高速度こそ速いものの格闘性能に劣る、安定性が足りない、キャノピーを一度閉めると開かなくなる、エンジンの断熱が不十分でコクピットが死ぬほど暑い、などの欠点があったために主力となれず、安定性を改善したMiG-3もやっぱりパッとしなかった。

戦争が終わり、ドイツからジェットエンジンの技術を接収したソビエトではBMW003ジェットエンジンを国産化する。そして、これを搭載したジェット戦闘機としてMiG設計局が開発したのが、このMiG-9である。
MiG-9は、矩形直線翼を中翼に配置した平凡なデザインであった(平面形は、ドイツの試作ジェット機ハインケルHe178に少し似ている)が、速度はレシプロ機を悠々と引き離す時速900キロを出すことが可能であったという。

しかし、どういうわけか大戦中にP-39エアラコブラが大好きだったソビエト空軍は「飛行機には大口径機関砲!」と頑なに信じており、ジェット戦闘機にも37ミリ機関砲を搭載することが仕様に盛り込まれていた。
そんなことを注文する方が注文する方なら、引き受ける方も引き受ける方で、MiG設計局は、なんと機首の吸気口の中に機関砲を入れてしまった。表紙画像で機首の吸気口の真ん中に仕切り板があり、そこからピトー管のような棒が出ているのがわかると思うが、これが機関砲だ。副武装の20ミリ機関砲2丁は機首の下に見えている。
こんな装備にしたせいで、MiG-9はそもそも37ミリ機関砲が重くて性能が存分に発揮できない上に機体バランスが悪く、さらに37ミリ砲を発射すると爆煙をエンジンが吸い込んでしまい悪影響があるというんだから踏んだり蹴ったりな上に、航空機の装備としては巨大な37ミリ砲弾は40発しか積めなかった。そりゃ、当たれば敵機は1発でバラバラに吹っ飛ぶだろうけどさ。

そんなわけで、いいんだけどダメなMiG-9は「ソビエト初の実用ジェット戦闘機!」と銘打って600機ほど作ったものの、朝鮮戦争でどうやら使ったらしいよ? という程度のうすぼんやりとした実績と共に引退。
MiG設計局はこのMiG-9の後継機となるMiG-15では機首の中に37ミリ砲を入れるという斬新な配置をやめ(37ミリ砲をやめる、という発想はなかった)、さらに最先端の空力技術である後退翼を採用、エンジンもBMWのコピーからロールス・ロイスのコピーに変更した。
MiG-15は、やっぱり安定性は悪かったものの朝鮮戦争では連合軍のレシプロ戦闘機を圧倒、B-29重爆撃機群に打撃を与えることとなる。

と、いうわけで字ばっかりの説明なのでうすうす読者諸君は気づいていると思うが、完成品写真はない。しかし、設計者はOrelで「He-100D」や「Pe-3」といった、ちょっと主流から外れた機体をデザインしてきた、なんというか変な飛行機のベテランViacheslav Zaytsev氏だというから、期待してもいいだろう。
Orel社のソビエト軍ジェット戦闘機「МиГ-9」はスケールは標準航空機スケールの33分の1、定価は65ウクライナフリヴニャ(約750円)となっている。パーツはA4で4枚というから、そんなに複雑な内容ではないだろう。また、英語の組み立て説明が付属するそうだ。
第二次大戦が終わってから、朝鮮戦争が始まるまでの間に各国で試作されたジェット戦闘機というのは、いささか華やかさには欠けるが、その分、なんだかわけのわからん形をしていることが多い。この時代の駄作機が好きなモデラーなら、この寝ぼけた位置に機関砲をつけてしまったソビエト初の実用ジェット戦闘機のキットを見逃すべきではないだろう。


画像はOrel社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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