MODELIK ソビエト貨物トラック АМО-Ф-15

そんなわけで、ワンフェスも終わった事で、さっき調べてきた事を得意げに披露して鼻高々の、いつもどおりの新製品紹介に戻ろう。
ポーランドMODELIK社、「夏の新作」9連発も残りのネタが少なくなって来て、いよいよなんだか良くわからん商品ばかりとなった。その中から、今回はソビエト貨物トラック АМО-Ф-15を紹介する。

AMO okladka

キャーッ! 運転席の窓に謎の人影が!
これは霊現象!? それとも筆が滑っただけ!?
それはそうと、「Ф」はキリル文字の「エフ」なので、商品名は「АМО-F-15」と、大変強そうなジェット戦闘機のような名前になっているが、実際には貨物トラックだ。
「АМО」というのは、ちょっと聞きなれない名前だが「Автомобильное Московское Общество」、即ち「モスクワ自動車会社」の略である。ソビエトなのに「会社」とは珍しい、と思ったら創立は1916年の帝政ロシア時代だそうだ。AMOは、まず手始めにフィアット社から”Fiat tipo15 ter”トラックのライセンス生産権を買い取り、国産トラックの製造に着手する。1917年にロシア革命が勃発、AMOも接収されるが重工業化を進めるソビエトの後押しを受けて開発を続行、そして1924年、ついにソビエト初の国産トラック、「АМО-Ф-15」が完成する。ただのライセンス生産なのにずいぶん時間がかかってない? とかは言うてやるな。革命で大変だったのじゃよ。

AMO Foto.1

では、さっそく公式ページのホワイトモデルでの試作品完成写真を見てみよう。
1924年完成とはいえ、原型のFiat15は1913年のトラック。細いタイヤやむき出しのバネ、ヘタに触るともげそうなライトなど、1910年代のクラシカルなスタイルが楽しい。
なお、表紙では年式表記が「1928年」となっているが、極初期型との差異はよくわからなかった。ごめんね。ちなみにАМО-Ф-15はウクライナのOrelもキットをリリースしているが、そちらは極初期型のようだ。

AMO Foto.2

この写真の通り、今回のキットは、荷台に載せる荷物も付属するようだ。「25分の1 ドラム缶・ジェリ缶セット」をタミヤが出してくれないので、これはなかなか嬉しいオマケとなりそうだ。

AMO Foto.3

そして、ソフトスキンキットのお約束、シャーシ拝見。なんだか横転事故を起こした情景にも見えるぞ。
すっきりとした車体下部だが、もともとの車輌がかなりシンプルな構造なのでこんなものだろう。なお、今回のキットはエンジンは再現されていない。

AMO Ark.3

そしてテクスチャはいつもの汚しのない”MODELIKスタンダード”。АМО-Ф-15は完成直後の1924年10月革命記念日に赤の広場で初の国産トラックとしてパレードに参加しており、その時は参加全車が赤く塗られていた。前述のOrelのキットは、その時の車輌を再現しているが、今回のキットも塗装が赤いのはなんでだろう。表紙の絵では後ろに「Почта」(郵便局)と書いてあるから、郵便局の車輌で赤いのかと思ったが、それなら荷台にドラム缶は載せないだろう。だいたい、ロシアの郵便のイメージカラーは多分、青だ。

AMO Rys.1

組み立て説明書はいつもどおり、グレーで陰影を表現するイラスト方式。車輪の薄さがなんとも言えない。

АМО-Ф-15は6500輌ほどが生産され(意外と少ない)、密閉キャビンを持つ救急車型なども存在するようだ。また、MODELIKからキットの出ているBA-27装甲車のベースにもなっている。
「AMO」の工場がその後、どうなったのかと言うと、1933年の工場再編時に名称が変更となり「スターリン名称第2工場」すなわち「ЗИС」(Zis)となった。だからАМО-Ф-15は有名なZis-5トラックのご先祖様ということになる。なるほど、言われてみると雰囲気が良く似ている。

MODELIKのソビエト貨物トラック АМО-Ф-15は、スケールは陸戦標準の25分の1だが、完成しても全長は20センチにしかならないという小柄な車輌だ。そして、定価は24ポーランドズロチ(約800円)となっている。なお、同時に15ズロチ(約500円)でレーザーカット済みの心材用厚紙が発売となる。
「どうも、トラックのキットはエンジンやシャーシの工作が細かくて……」と手を出しかねていたモデラーは、今回АМО-Ф-15でソフトスキンを体験してみるのはどうだろうか。余裕があれば、同時にBA-27装甲車や、Orel社の極初期型を作り比べてみるのもおもしろいだろう。


画像はMODELIK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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