MODELIK アメリカ空軍夜間戦闘機F-82F”ツイン・ムスタング”

いよいよ関東では梅雨も開け、猛暑のシーズンとなった。連日の暑さに、早くも夏休みの海水浴の計画をたてている読者もいるのではないだろうか。
本日は、そんな海水浴気分を高める爽やかな表紙の一品を、ポーランドMODELIK社「夏の新作」9連発から紹介しよう。

Twin Mustang okladka

サンゴ礁と思われる環礁の上を飛ぶ、アメリカ空軍夜間戦闘機F-82F”ツイン・ムスタング”。うむ、夏っぽい表紙だねぇ。
F-82は、なんだか見た目はムスタング戦闘機を2機つなげたヤッツケ仕事のように見えるが、実際には大部分が新設計の、きちんとした戦闘機である。
第二次大戦後期、B-29の完成により米軍はこれまでにない超長距離爆撃機を手に入れたが、問題は随伴する護衛戦闘機がそんなに長距離の飛行はできない、また落下式増槽などをぶら下げて航続距離をどうにか伸ばしても、単座の護衛戦闘機ではパイロットがそんな長距離飛行には耐えられない、という問題に直面していた。そりゃ爆撃機のクルーはいいさ。機長と副機長で交代しながら仮眠も取れるしコーヒーも飲める。でも単座戦闘機じゃトイレにも行けねぇぞ。
そこへタイミングよく、P-51ムスタング戦闘機を製作していたノース・アメリカン社が「ムスタングをつなげた長距離戦闘機はいらんかえー」と売り込みに来たので、聞けば細かいパーツはムスタングからそのまま流用するんで簡単に設計完了するって言うので、よし、やってみよう! とGOサインが出たのが、このツイン・ムスタングである。
完成した機体は原型の優秀性をそのまま受け継ぎ、運動性、高速性で単座型に引けを取らず、増槽を使えば巨人爆撃機に随伴可能な航続距離となり、さらに操縦系統は左右のコクピット共用なのでくたびれたら片方は寝ていられるという理想の長距離戦闘機となったのである。やったぜ! トイレにはいけないけど。

Twin Mustang Rys.1

そして、今回MODELIKがキット化したF型は、レーダーポッドを追加し片側の操縦席にレーダー計器を追加した夜間戦闘型である。あれ? レーダーポッドはどこにあるの? 本当は2機をつなぐ内翼から前に、びよーんとバカでっかいレーダーを内蔵したポッドが前に突き出すのだが、どういうわけか今回のキットにはない。レーダーポッドは胴体着陸時に邪魔になるので緊急投棄が可能な構造となっており、この機はどっかに忘れてきたのかもしれない。

Twin Mustang Ark.2

今回は完成見本がなかったので、テクスチャ画像大目でいこう。米軍機と言えばギラギラのジェラルミン塗装が思い浮かぶが、今回の印刷は銀は特色なんだろうか。画像じゃわからんけど、なんか特色っぽくも見える。でも、紙の端のカラーバーがCMYKの4色しかないから違うのかなーわかんないなー。あ! ポーランド語の説明の方には「銀塗料を使用」って書いてある! ビバ! 特色印刷!

Twin Mustang Ark.5

右側中央のコクピットの計器版が左右の席で違っているのがおわかりいただけるだろうか。左側は落下式増槽のパーツだと思うが、カバーイラストと塗装が違うぞ。テクスチャはいつものMODELIKタッチで、汚しのないあっさりとしたものだ。

Twin Mustang Rys.3

説明書はグレーの濃淡で面を表すイラスト方式。コクピットはなかなか細かい工作が必要となりそうだが、逆に言えば飛行機のキットなのでそれ以外にはあまり複雑な工作はないだろう。ちなみに難易度は5段階評価の「5」(とても難しい)となっているが、「4」でもいいと思うけどなぁ。

MODELIK アメリカ空軍夜間戦闘機F-82F”ツイン・ムスタング”、スケールは航空機のスタンダードスケール33分の1だが、完成すると横幅63センチというビッグサイズとなる。さらに特色印刷まで使って、定価27ポーランドズロチ(約900円)なのだから、これはお買い得としか言いようがないだろう。また、レーザーカット済みの心材用厚紙は24ズロチ(約800円)での同時発売だ。
ツイン・ムスタングは、GPMが「黒塗りの夜間戦闘型F-82が北朝鮮軍のミグジェット戦闘機に肉薄する」という男らしい表紙で過去にリリースしている。こちらは古い手書き展開図を21世紀風にデジタルでリライトしたもののようだが、米軍機ファンなら置き場所に苦慮しつつも作り比べてみるのもいいだろう(GPMのキットにはレーダーポッドも付属している)。

さて、航空機キットの楽しみの一つ、機体の特定だが、今回の機体はパーソナルマークなどがないために苦心したが、1960年までアラスカに配置されていたアメリカ第449迎撃戦闘隊の配備機「FQ-377」であることがわかった(乗員の個人名は不明)。
……あれっ? アラスカ? じゃあ表紙のサンゴ礁は?
第449迎撃戦闘隊はアラスカに侵入してくるソビエトの爆撃機を迎撃するために配置されていた部隊で、カバー範囲が異常に広いことからP-61”ブラックウィドウ”、F-82”ツイン・ムスタング”などの夜間戦闘機を長距離戦闘機として用いていた。そうか……それでこのツイン・ムスタング、夜間戦闘型なのに銀塗装なのか。
まぁ、その、アラスカはいいよね、涼しくって。あー夏っぽい夏っぽい。


画像はMODELIK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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