女性の肖像二題

対日戦勝のパレード中、タイムズ・スクェアで熱いキスを交わす水兵と看護婦の、有名な「勝利のキス」の写真ですが、写っている女性「Edith Shain」さんが2010年6月20、91歳で亡くなられたそうです。
この写真でキスをしている男性は長らく誰なのか特定されていませんでしたが、「自分ではないか」と名乗り出た複数の男性の中から2007年に解剖学的アプローチで「Glenn McDuffie」さんと確定。McDuffie氏は現在でも御存命とのこと。1980年に女性が特定されるまでは、写っている人物の服装から、9月の対日戦勝のパレードではなく5月の対独戦勝パレードの際に撮影された写真がなんらかの手違いで紛れ込んだのでは、という説もあったとか。

「有名な写真の女性」ってことで、最近調べたまんま放ったらかしになっていた件をついでに。
第二次世界大戦で、米軍最大のエースは40機撃墜のRichard Bong(リチャード・ボング)で、太平洋戦域で日本軍機40機を撃墜。愛機P-38ライトニングJ型の機種には婚約者の顔写真がノーズアートとしてペイントされていました。
リチャード・ボングは1944年に後方に下がりましたが45年8月に新型機P-80シューティングスター戦闘機のテスト中に事故死しています。

そこで気になったのが、このノーズアートで有名な「婚約者」、その後どうしたんだろう? ということ。
で、少しネットを歩き回ってきたところ(便利な世の中になったもんだ)、彼女のフルネームは「Marjorie Vattendahl」(ノーズアートに書かれた「Marge」は愛称)。1945年2月にリチャード・ボングと結婚し「Marge Bong」となりました。当時のスーパーヒーロだったボングとの結婚は一大イベントで、ニュース映画にも撮られた結婚式には1200人以上のゲストが呼ばれ、高さ2メートルのウェディングケーキが飾られたそうです。そのわずか半年後にボングは事故死。彼の死のニュースは広島への原子爆弾投下の記事と並んで新聞のトップとなりました。

Marge Bongはその後実業家「Murray Drucker」氏と結婚、「Marge Bong Drucker」となります。彼女は2人の娘を育てながら、ファッションモデルとして世界を回り、さらに自ら犬のブリーダーのための専門誌「Boxer Review」を発行(Boxer Review氏は2001年まで発行されていた)。

Murray Drucker氏の死後、Marge Bong Druckerはリチャード・ボングと米軍のパロットの業績を称える記念館、「Richard I. Bong Veterans Historical Center」の設立を手伝い、2003年10月、79歳で死亡しました。数年に渡りガンで闘病生活を送っていた彼女は死の前年、50年住んだハリウッドの家を売り、リチャード・ボングの生まれたウィスコンシン州、ポプラへと引っ越していました。

彼女は生前、リチャード・ボングとの短い結婚について、「私は、彼との時間に十分満足している」と語ったそうです。

最後にカードモデルブログらしい追記をアリバイ的に。
Margeの肖像が書かれたP-38ライトニングJ型は、1997年にHalinskiからリリースされておりますが、最近はショップで見かけませんな。展開図は手書きですが、細かい部分までシャープ書き込まれ、ほとんどデジタルと遜色ない内容だとか。見かけたら、手に入れたい一品です。
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