MODELIK ポーランド貨物用蒸気機関車 Ty23

気温が上がり、湿気と汗が製作を阻むカードモデルには不向きな季節となってきた。
こんな季節は、新製品をチェックし、よく知らないアイテムについてとことん調べてみるのいいだろう。
あと、昨日の記事も「日記」なんてわけわからんカテゴリにしないで、新製品紹介カテゴリにして、「Ty23紹介:前編」 としておけば良かったなー、なんて思ったけど、「新製品紹介口調」に書き直すのが面倒なので、そのままとさせていただいた事を御了承されたい。

Ty23 okladka

そんなわけで、本日紹介するのはポーランドMODELIK社のポーランド貨物用蒸気機関車 Ty23だ。
表紙はいつもどおりの「MODELIKタッチ」、なんだかパースが変で、奥のレールの方が高くなっていてテンダーが手前に傾いてない? というのは気のせいだ。草原に直接枕木置いてレール引いちゃったり、機関車の前で急にレールがヒヨヒヨになっているように見えるのも、全部気のせいだ。

Ty23は、一部昨日の文章と重なるが、総数600輌が建造された戦前ポーランドの主力貨物機関車であり、名前の「T」は貨物をあらわしている。「貨物機関車と旅客機関車って、どう違うの?」という質問がわしの脳内読者から寄せられているので簡単に説明すると、蒸気機関車はトランスミッションがないので、トルク比を変えることができない。そのために、動輪の直径と数が自動車の「ギヤ」の役割を果たすこととなる。大直径の動輪少数(3組のことが多い)の場合にはトルクは小さいが速度が速く、小口径の動輪多数(4組~5組)の場合はトルクが大きく、速度は遅いと考えればいいだろう。間違ってたら、詳しい人が修正してくれると、なおいいだろう。

Ty23 rzuty

Ty23の「y」は車軸配置を示し、ホワイト式では2-10-0、アメリカ式表記では「デカポッド」という象印の新型魔法瓶みたいな名前となる。ボイラーの下がスカスカのつつぬけで向こうが見えるのも、日本機関車にはあまりないアレンジだ。あと、デフレクタ(除煙板)がないけど、いいんだろうか。

Ty23 foto

そして、MODELIKはこのTy23をこのように見事なクオリティでカードモデル化した。ポーランドの機関車というと、メインフレームを含めた足回りが真っ赤っ赤のイメージがあるが、戦前の機関車はそうでもないらしい。

Ty23 Rys.3Ty23 Rys.4

大型機関車のキットらしく、組み立ての難易度は5段階評価の「5」(とても難しい)、パーツもA3で23ページに渡るかなり本格的なキットとなっている。

Ty23 Ark.2

「展開図サンプルも載せなきゃ」と思ってアップロードしたが、これだけ見てもさっぱりわからんね。

さて、600輌が建造されたTy23だが、第二次大戦の勃発によりそれらは大国に挟まれたポーランドの悲劇を象徴するような運命を辿る事となった。
まず、1939年のポーランド分割により約440輌がドイツに、約170輌がソビエトに接収された。また4輌がルーマニアに退避し、そのままルーマニアに接収されたといわれている。ソビエトはTy23をソビエト広軌に改造して運用している(Ty23はもともと、軌間の変更が容易だったらしい)。1941年、ドイツがソビエトに侵攻するとドイツは数十輌のTy23をソビエトから鹵獲、さらにドイツが敗勢となり後退が始まると、今度はソビエトがドイツから数十輌のTy23を鹵獲した。
終戦時、Ty23はドイツ、チェコ、ソビエト、ルーマニアなどに点在、ポーランドに返還された車輌、そのまま各国で使用された車輌、共に1960年から70年にかけてスクラップにされている。
かつて600輌が建造され、ポーランドの貨物輸送を支えたTy23は、現在273号車、145号車、104号車の3輌だけが現存している。
全て、非稼動の静態保存だそうだ。

時代に翻弄されたポーランド貨物用蒸気機関車 Ty23、MODELIK社のキットはスケール25分の1で、完成すると全長が約80センチのビッグキット。定価は75ポーランドズロチ(約2500)円となっており、同額でレーザーカット済みの厚紙心材のセットも同時に発売となっている。
ポーランド機関車のキットは数多いが、標準軌の戦前機関車のキットは余り多くないような気がする。貨物列車大国ポーランドに思いを馳せるためにも、戦前機関車ファンならこの機会を逃すべきではないだろう。

画像はMODELIK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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