マイナーアイテム列伝 イタリア海軍中央砲塔艦「Caio Duilio」・2

どもー、更新遅くなりましたー。
5月最初の更新は、先月末にほったらかしになってた中央砲塔艦の続きからです。

さて、前回の最後にチラリと出てきた、こいつ。

n0203-00ag.jpg

よく考えたら艦名をちゃんと書いてませんでしたな。
艦名は「Caio Duilio」(「カイオ・ドゥイリオ」または「カイオ・デュイリオ」)。
後にアンドレ・ドーリア級戦艦の1隻にも同じ名前がついていますし、1990年まで現役だったヘリコプター巡洋艦にも同じ名前の船があるので、イタリア人はこの名前が好きなのね。ちなみにローマ帝国の政治家兼海軍司令官の名前で、ローマ風表記では「ガイウス・ドゥイリウス」らしいですぞ。

ガリバルディのローマ進軍で国家統一を成し遂げたイタリアはフランスとオーストリア・ハンガリーに東西からぐいぐいと圧力を受けており、押し花になる前に対抗措置として軍事力を整備する必要がありました。特に海軍は旧式艦艇でオーストリア・ハンガリー海軍と戦おうとしたら、リッサ沖海戦(1866年)では装甲艦(と、言っても木造船に薄い装甲板を貼っただけなんだけども)を衝角戦術で沈められちゃってビックリ。
こいつは急いで海軍を整備しなければならない。しかし、鉄をあまり産出しないイタリアでは大攻撃力、大防御力、大速力、ついでに兵員輸送もできる超装甲艦を作って、質で相手を圧倒すべし、という無茶な注文が出され、苦心の結果1880年に完成したのが、このカイオ・ドゥイリオ(同型艦1)でした。
前述の通り、正面、左右に全砲が指向できるように頑張った結果、砲塔配置はいままでに例のない形となります。
主砲はなんとビックリの45センチ砲。誤記じゃないぞ。戦艦大和の46センチ砲に匹敵する45センチだ。これは、仮想敵よりも大きい砲をつまないと、と大きくしていくうちにこんなことに。でも、砲身長は20口径しかないから射程は短い(は9キロぐらい?)。ちなみに戦艦大和の主砲弾は仰角をかけると40キロ飛ぶ。

Duilio_1880_002.jpg
(画像はWikimediaより引用)

甲板から砲を見るとこんな感じ。なんか夢でみた景色みたいだ。あるいは宮崎アニメか。
しかも、この砲は砲口から砲弾を押し込む前装砲でした。旧式モニター艦では撃った後、砲を砲塔内に引き込んで次弾を装填していましたが、45センチ砲は巨大でそれをしようとすると、砲塔の直径がバカでかくなってしまう。
そこで、カイオ・ドゥイリオでは甲板に開いた穴に砲身を突っ込んで、下から装填する方式を取りました。

Duilio_1880_003.jpg
(画像はWikimediaより引用)

ワーオ! 豪快だね!! これ、どうやって押し込んだ砲弾が落っこちてこないようにしてるんだろう?
ちなみに、間違えて発射装薬を同じ砲に2発分突っ込んで、暴発事故を起こしたこともあるそうです。

イタリアはこの形式の中央砲塔艦を約10年ほど作り続け、イギリスなど各国も一瞬だけ追随しましたが、すぐにこの方式はすたれ上部建造物の前後に砲塔のあるおなじみの形へと戻っていきます。まぁ、使いにくかったんだろうな、上部建造物が前後にわかれてると。さらに、真ん中にある砲塔の前後への射界を確保しようとすると、上部建造物の幅が制限されて薄っぺらくなっちゃうし。

そんなわけで、扱いにくい上に火砲が旧式なもんでカイオ・ドゥイリオは1909年には除籍され、その後は水上燃料保管庫としてプカプカ浮いていたものの、どうやら1920年ごろに解体されたようです。同型艦のエンリコ・ダンドロは主砲を近代的な40口径254ミリ砲に換装し、対トルコ戦争、第1次大戦に支援艦をして参加し、1920年に解体されました。

最後に、「砲塔」ってずっと書いてきましたけど、当時の直接照準で撃ち合う艦砲戦では上からの攻撃を考慮していないので、天井はいわゆる「装甲板」ではなく、雨避けのただの鉄板だったようです。だから、正確には「フード付きバーベット(露砲塔。「露」は露出の露ね)」であって、「砲塔」とは違うそうなんですが面倒なんで「砲塔」で通しちゃいました。

次回は、カイオ・ドゥイリオのカードモデルの話書きまーす。
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