マイナーアイテム列伝 オーストラリア海軍モニター艦「Cerberus」・2

さぁ、イギリス本国でモニター艦「サーベラス」は完成した。でも、こいつが守るはずなのは、はるかかなたのオーストラリアだ。仕方がないので、サーベラスは一時的にマストを立てて帆を張り、甲板から張り出す形で板を敷いて居住性を改善、よし、これで大海原へ出発だ!
とは言っても、船底の浅いサーベラスは波で揺れる揺れる。もちろん、もともと帆船じゃないから帆をはったところでスイスイグングン進んでいくわけじゃない。結局、蒸気機関でシュッポシュッポ進んでいくものの、もともと沿岸警備用のサーベラスが積載できる石炭はわずかに240トン。これをボンボン燃やして全速力の6ノット(時速約11キロ)でうんうん進んでいくと、10日で燃料切れになる。でも大丈夫! 「日の沈まない国」イギリスの植民地は世界中にあるので、10日に一度石炭を補充しながらサーベラスは進む。イギリスから地中海に入りスエズ運河を抜け、インド洋に入りセイロン島でお茶を飲んで、オーストラリアへどんぶらこっこ。
そして、出港から2年近くをかけた1871年4月、ついにサーベラスはオーストラリアへ到着!よく途中で沈まなかったもんだ。光栄の「大航海時代」なら途中で台風で沈んでたな。

そんな大航海をしてせっかくオーストラリアまでやってきたサーベラスですが、あいにく、というか幸いオーストラリアに攻めてくる外国はありませんでした。まぁ、「サーベラスがあるんじゃ勝てっこない!」と思って攻めてこなかったのかもしれない。うん、そういうことにしよう。
1901年、オーストラリア独立。1911年にオーストラリア海軍が創立されるとサーベラスはそのままオーストラリア海軍の艦船となります。
しかし、このころすでに近代戦艦の登場により沿岸警備しかできないモニター艦は時代遅れとなっていました。
第1次大戦後、サーベラスはイギリス海軍が「たくさん作ったけどいらないからげるよ」とオーストラリア海軍に払い下げたJ級潜水艦の母艦としてプカプカ浮いていましたが、いいかげん旧式化しすぎていることは明らかでした。
そして1926年、オーストラリア海軍創成期を担ったサーベラスは防波堤としてメルボルン沖に沈められたのです。

実はこのサーベラス、今でもそこに沈んでいます。
それも、ただ沈んでいるのではなく、水面上にブレストワークと砲塔が出てるんですな。
はい、写真、どーん。

overhead_nov_06.jpg

(写真はサーベラス保存運動のホームページより引用。現在のサーベラスの写真がいっぱいあります)

すげー! ホントに沈んでるよ!


大きな地図で見る

googleマップで見るとこんな感じ。マップをひいてみるとわかるんですが、メルボルンのすぐ目の前だよ、これ。

さて、で、このサーベラスを紙で作ってみたい! という人のために!
イギリスのカードモデルブランド、「Paper Shipwright」様がフリーでモデルを公開しています! やったーふとっぱらー!

pic4.jpg

Paper Shipwrightのページ左側のメニューから「Free downloads」を選ぶと、一番上がサーベラスになります。
下の方に完成写真が3枚並んでますが、左と中の2枚は19世紀末に武装強化した後の姿で、フリーで提供されているのは一番右の写真(上に引用したもの)の状態となります。有料版は武装強化型なのかな?
Paper Shipwrightは、これ以外にも「なんだお前ら?」って感じのモニター艦をいろいろリリースしていますので、モニター艦マニアには目が離せないブランドとなっています(販売はオンラインでのデータ版のみ。印刷版はないそうです)。

最後になりましたが、わしのいい加減な説明じゃ全然わかんねーよ、という方には主に1922年以前の装甲艦を扱っているサイト「三脚檣」様の中に、詳細な解説がありますので、そちらも参照してみてください。
(サーベラスの資料はワードルーム内にあります)

それではまたー
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