Orel Гражданин&Аскольд

これまではポーランドの古典メーカーを中心に取り上げてきた当新製品コーナーだが、いまやカードモデルの世界はポーランド、チェコといった東欧諸国だけにおさまるものではない。続々と世界中で新しいカードモデル出版社が産声を上げる「カードモデル群雄割拠の時代」が訪れたと言っても過言ではないだろう。今回はそのような新興メーカーからウクライナのアリョール社(2004年参入)の新製品、グラズダーニンとアスコルドを紹介だ。「東欧諸国におさまらない」と言っておきながら、出てきたのがウクライナのメーカーでは読者がおさまらないような気もするが、先へ進もう。
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まずは前ド級戦艦グラズダーニンだが、日本人には革命による改称前の「ツェサレウィッチ」の方が馴染みが深いだろう。日露戦争の黄海海戦で日本艦隊の滅多撃ちを受け、ドイツの中立港に逃げ込み終戦まで抑留されていた艦だ。
プラモデルでは前ド級艦の模型そのものが少ない中、こんなパッとしない艦のキット化はもはや絶望的なのだが、アリョール社はロシアの前ド級艦時代を積極的にリリースしている。
中でもツェサレウィッチはフランスで建造された艦であるためにこの時代のフランス艦の特徴である艦の下半分がドーンと幅広になっている「タンブルホーム」というユニークな艦型が見所だ。
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また、同時に発売となった巡洋艦「アスコルド」も見逃せない。アスコルドは日露戦争で宣戦布告前に奇襲(ハーグ陸戦協定の成立前であるこのころは宣戦布告と攻撃の順序はけっこうあいまいだった)され、「バヤーン」と一緒に日本軍水雷艇攻撃を最初に受けた艦として良く名前があがるが、その後どうしてたの? と言えば、ツェサレウィッチと一緒に黄海海戦で滅多撃ちにされて、中国の港に逃げ込んで武装解除されちゃいました。とほほ。
蒸気機関の特徴である長く細い煙突(アスコルドの煙突は特に細長い)が5本一直線に並ぶ艦型はユニークなのだが、前ド級戦艦でさえキット化されないのに同時代の巡洋艦なんてものは千年待っても模型化されないだろうと諦めていた旧式巡洋艦ファンは今頃天にも昇る気持ちだろう。

さて、スケールは2隻とも艦船カードモデル定番の200分の1、定価はツェサレウィッチが112ウクライナフリビニャ(約1300円)、アスコルドが95ウクライナフリビニャ(約1100円)となっている。経済危機の前のレートの半分ぐらいで驚きだ。気になるクオリティだが、すんません、モデルを実際に組んでいる写真が見つかりませんでしたので論評は控えさせていただきます。だが、ロシア艦船ファンなら貴重な前ド級時代の艦船を机の上に並べることのできるこの機会を見逃すべきではないだろう。

写真はGPM社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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テーマ : 模型・プラモデル・フィギュア製作日記
ジャンル : 趣味・実用

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No title

のとっちょさん、今晩は。

のとっちょさんのカードモデルに対する

情熱と見識の深さは、すごいですね。

私が今までまったく知らなかった世界なので

うまくコメントできませんが、脱帽です、

すごい・・・・・

No title

ドッペルゲンガーさん、こんばんは。
「見識が深い」なんて、とんでもないです。
今はまだカードモデルの世界を知ってもらおうと、情熱ばかりが空回りしているような状態で、お恥ずかしい限りです(笑)
展開図公開中
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