Orel ソビエト海軍潜水艦「C-7」

なーんか最近、48のBTに夢中になっちゃって、一式戦車が停滞してるんですよねー。道具やテクニックも、「これは紹介しておかないと!」ってのはあらかたやりつくしちゃったし。
そんな内幕を隠すために、今日も新製品の紹介をしたい。
本日紹介するのはウクライナOrel社のソビエト海軍潜水艦「С-7」だ。

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艦名は一見、「しーなな」に見えるが、この「С」はキリル文字の「エス」なので艦名も「えすなな」であることに注意されたい。ソビエトの略称の「CCCP」もキリルアルファベットだから、読みは「しーしーしーぴー」じゃなくて「えすえすえすあーる」だぞ(「P」はキリル文字の「アール」)。
1930年代、海軍力充実の第一歩としてソビエトは潜水艦の大量建造を決定した。しかし、そんなこといきなり言われても困っちゃうので、ソビエトは当時ヴェルサイユ条約の軍備制限条項のために潜水艦の保有を禁止されていたドイツに接触。ドイツは潜水艦建造技術の継承と発展のために内緒で新型潜水艦を設計・試作できる機会を探しており、ここに両者の思惑が一致したのである。
1933年、オランダにドイツがこっそり作ったダミー会社「I.v.S」から第一次大戦のUボートを発展させた新型潜水艦の設計図がソビエトに渡り、さっそく「C(エス)型潜水艦」として建造が始まる。しかし、設計図のままだとドイツ製の部品が必要で国産化ができなかったために、初期型は3席で建造終了し、ソビエトで完全国産できるように改修を加えた改良型の建造が始まる。初期型と改良型を併せ、C型潜水艦は全部で56隻という多数が建造され「潜水艦大国ソビエト」の基礎を築いたのであった。

そして、今回Orelはその7番艦であるС-7をカードモデルとしてリリースした。
今回は珍しく作例が公式サイトにあったので、さっそく完成写真を見てみよう。

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なんだ、この妙に光の演出に凝った写真は。かっこいいぞ。
かっこいいが、細かいディティールが良くわからんぞ。
それはそれとして、この写真でもC型潜水艦がドイツのUボートとスタイルがよく似ていることがおわかりいただけると思う。
C-7は1942年夏、中立違反を犯してドイツに原料を運ぶスウェーデンの貨物船を撃沈したが、その後消息を絶った。
と、まるで行方不明になったようにOrelのページには書いてあるが、実はフィンランド軍の潜水艦によって撃沈されたらしい。
他の資料には、「1942年10月21日の夜、フィンランド軍潜水艦「Vesihiisi」は浮上航行していたC-7のシルエットが月明かりの中に浮かび上がるのを発見、2千メートルから魚雷を発射し撃沈。生存者4名を捕虜とした」と書かれている。捕虜までいるんじゃ、勘違いってこともないだろう。
ちなみに「Vesihiisi」(ヴェシヒーシ)というのはフィンランドの湖沼に住む妖怪だというから、このあいだ紹介したロシアの「Русалка」と似たような存在だということになる。
そして、なによりも皮肉なことにこの「Vesihiisi」、建艦技術の十分でないフィンランドの依頼でデザインしたのはオランダの「I.v.S」……すなわち、C型潜水艦をデザインしたのと同じ会社だったのである。

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なお、C-7の残骸はスウェーデンの海底探査によって、1998年に発見されている。

そんなわけで運命の荒波に飲まれて消えたソビエト海軍潜水艦「C-7」、Orel社のキットはスケールは小型艦船スケールの100分の1、定価は66ウクライナフリヴニャ(約750円)と、お求めやすい設定となっている。難易度も3段階評価の「2」(普通)となっているので、「Orelの艦船は細かすぎて……」と嘆いているモデラーにもオススメだ。同じ100分の1スケールのモニター艦「Русалка」と、水の妖怪同士を並べてみるというのも、我ながら無理のある楽しみ方だが、いいだろう。


画像はOrel社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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