マイナーアイテム列伝 ロシア帝国海軍ペトロパヴロフスク級戦艦・3

ぐだぐだと続いてしまったロシア帝国海軍ペトロパヴロフスク級戦艦、今回でピリッと終わらせますよー。

触雷によって旅順艦隊司令長官ごとネームシップ「ペトロパヴロフスク」が失われたペトロパヴロフスク級戦艦、残る2隻は「ポルタワ」、「セヴァストポリ」となりましたが、もう港の外に出ても日本軍に叩かれるだけだし、水兵も武装も旅順要塞に貸しちゃったし、ぶっちゃけ戦艦としてやることはもう残されていませんでした。さらに、激戦の末に高所に観測所を確保した日本陸軍は、東京湾を守る沿岸砲台から運んだ28センチ砲を使って山越えの曲射弾道で港内の艦船に砲撃を始めます。「海戦で30.5センチ砲をボッカンボッカンくらっても沈まない戦艦が、一回り小さい28センチ砲で沈むの?」と思ったら、「ポルタワ」が被弾大破し着底(自沈とする資料も)。28センチ砲は極端な短砲身なのでその砲弾は山なりに上から落ちて来ます。そうすると、海戦での直接射撃の殴りあいと違って、あまり装甲されていない甲板を上からぶち抜いちゃうんですな。当時の戦艦が潜在的に持っていたこの防御上の欠点は10年後の第一次大戦、ユトランド沖海戦でイギリス艦が爆発轟沈する原因となります。ところで、28センチ砲ってこの曲射弾道でどうやって航行中の敵戦艦に命中させるつもりだったんだろう?
日本軍の砲撃で次々に旅順艦隊の艦艇は大破、このためにもともと「旅順港と旅順艦隊を守る」ために建造された旅順要塞の士気はガタ落ちとなり、1905年1月1日、ついに要塞守備隊は日本軍に降伏を申し入れます。翌2日、最後まで残っていた「セヴァストポリ」は鹵獲を避けるために自沈しました。
日露戦争後、日本軍は「ポルタワ」を浮揚させ戦艦「丹後」として編入するも、第1次大戦勃発で同盟国ロシアに返還。ロシア海軍は今度は名前を「チェスマ」と改称、チェスマはドンブラコッコと白海に戻ってロシア北方艦隊に編入されます。と、思ったら今度はロシア革命勃発、「革命なんてけしからん!」とワッショイワッショイとやってきたイギリス軍はチェスマを鹵獲。しかし、鹵獲に到るまでの損傷が大きく、イギリスは修理しないままに1923年、ポルタワ/丹後/チェスマを解体。ロシア帝国最初の近代戦艦ペトロパヴロフスク級はこうして全てが失われました。うーん、日露戦争のロシア艦はどれも波乱万丈だなぁ。

さーて、そんなわけで、やっとこさっとこキットの話ですよ。

200208.jpg

まずはマカロフ提督の乗艦、ネームシップの「ペトロパヴロフスク」はMODELIKから2002年に発売されています。なんか寂しい感じの表紙。

skan0208b.jpg

展開図はこんな感じらしいんですが、このキットは「初版バージョン」と「再版バージョン」があり、初版バージョンはもうちょっとノッペリしたテクスチャーだという情報もありますが未確認。

P-Pawlowsk.jpg

で、完成品はこんな感じ。写真がやたらちっちゃいのはMODELOIKのサイトでリンクがぶっ壊れていてサムネイルしか見ることができなかったから。細かいディティールはわかりませんが、丸っこい艦体の上に主砲塔や副砲塔が並んでてなんだか楽しそうだ。
こちらのキット、スケールは200分の1で定価は27ポーランドズロチ(約900円)。難易度は5段階評価の4(難しい)となっています。

ペトロパヴロフスク級、もう一つは日露戦争大好きっ子のOrelから、キット番号「5」の「セヴァストポリ」

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ただし、残念ながらこっちのキットは現在Orelのサイトではカタログ落ち。ショップの在庫を探すしかありません。
実はこのキット、デザイナーはMODELIKのペトロパヴロフスクと同じ Dmitri Hotkin氏で、中身は判型が違うのでパーツの並び方に若干の差異がある以外は同じ展開図らしいです。ただし、テクスチャはMODELIKのペトロパヴロフスクがグレーの戦時塗装だったのに対し、Orelのセヴァストポリは白の平時塗装。ちなみに購入した【週刊】戦艦ポチョムキンを作る【紙模型】管理人の「角材のヒト」様のレビューでは、艦底がすごく……マゼンダ色です……とのこと。
Orelのセヴァストポリは当然スケールはペトロパヴロフスクと同じ200分の1、GPMのショップでは在庫が40ポーランドズロチ(約1300円)で売られていました。

なお、「丹後」にもなったポルタワは、残念ながら今のところリリースされたという情報は見たことがありません。Dmitri Hotkin氏には、もう一頑張りしてポルタワも出してもらいたかった。
そんなわけでたった2冊(うち一冊はカタログ落ち)のキットを紹介するために延々三回もかけてしまいました。お付き合い頂いた読者様の忍耐力に感謝いたします。

画像はMODELIK社のキットはMODELIK社サイト、それ以外はGPM社ショップからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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