マイナーアイテム列伝 ポーランド海軍潜水艦「ORZEL」(前編)

まーたMALY MODELARZ社がポーランド人以外はほとんど知らないようなマイナーアイテムをリリースしたお陰で、調べてたら時間なくなっちゃったよ。
そんなわけで、今日は誰も聞いていなくてもお構いなしに調べた結果を披露するですよ。
今回のネタはポーランド海軍潜水艦「ORZEL」です。

5475_1.jpg

画像はGPMのショップから引用。
司令塔に丸窓にも見えるヤツメウナギのように丸いものが並んでいますが、これは水抜き穴で、窓ではないそうです。ビートルズのイエローサブマリンじゃないんだから、窓のわけないか。

ポーランド海軍潜水艦ORP「Orzel」(ほんとは最後のLは斜線の入った「エウ」)は同型艦のORP「SEP」(こっちも、Eは下にちょろんとヒゲがつく「エン」)と共にオランダに発注された艦で、1938年に完成、ポーランド海軍に引き渡されました。
艦名の「Orzel」は「鷲」、「SEP」は「禿鷹」を意味します。鷲はポーランドの国家紋章でもあるので、こりゃずいぶんと豪勢な名前ですよ、あなた。でもポーランド軍って、飛行機に「カラシ(フナ)」とか「スム(ナマズ)」なんて魚を名前をつけたり、潜水艦に鳥の名前をつけたりして、センスがよくわからん。
ちなみに読みは、カタカナ表記では「オジェウ」とされていることが多いです。SEPは「センプ」ね。
で、完成した2隻はグディニア港を守る形の半島にあるヘル要塞でバルト海の守りにつきます。っていうか、ポーランドが海に面してるのはグディニアただ一箇所しかないんだから当たり前か。

1939年、毎度おなじみのドイツ軍の侵攻で第二次大戦が勃発しますが、地理的にグディニアは東プロイセンとドイツ本土に挟まれている上に、ドイツは水上艦艇も潜水艦も豊富に保有しており、とてもポーランド海軍にかなう相手ではありませんでした。(ポーランドの開戦時の海軍戦力まとめてる資料が見つからなかったよ、とほほーん)
以前に紹介した客船BATORYと同様、ORZELとSEPも再起のためにポーランドを脱出します。

ところが、ここで緊急事態発生! 出港直後にORZELの艦長さんが病気になってしまったのです(詳細不明)。さぁ、困った。艦長の症状は重く、ウンウン唸ってる(想像)艦長をイギリスまで我慢させるのは忍びない、ということでORZELは進路を変更し、一路中立国であるバルト三国のエストニアへ。エストニアのタリン港に入港して艦長さんを降ろし、病院へ入院させたORZEL乗員が、さて出港して今度こそイギリスへ行くぞーと思って艦に戻るとビックリ! 海図や航法装置が全てエストニア軍によって押収されているではありませんか!
実は、ORZELがタリン入港したことを知ったドイツ外務省はエストニア政府にハーグ条約第13条約、海戦中立条約第8項目を根拠に「中立を保つならORZELを出港させないように」と圧力をかけていたのです。
でも、第13条約第8項って、「中立国は、その管轄内で参戦国艦船が武装した場合には出港させちゃいかんよ」ってことだと思うんですが(解釈はいろいろあるんでしょうが)、これをどう適用すれば病人を降ろしただけのORZELに適用できるんだろう? 自分達だって、この3ヶ月後にはポケット戦艦グラーフ・シュペーが中立国ウルグアイのモンテビデオに逃げ込んでぐだぐだとするくせにー
まぁ、そんなわけでORZEL早くも大ピンチ! さぁ、どうする! 

ってなところで、長くなりましたので後半はまた明日にでも。ではー
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マニアック!!

のとっちょ様おじゃましております。
ポーランド潜水艦なんてマニアックで良いですよね。私今までこれずっとオルツェルって読むんだと思ってました。何でこんなのをリリースするのか謎ですが、きっと向こうの人にとっては心に残る船なのでしょうな。なんつったって建造の動機が国民の寄付金ってんですから愛国・報告と飛行機戦車を奉納していた日本とはスケールが違いますしね。ポーランド国民の愛が詰まってんですよきっと。センプ(私こっちもセプだとばかり思ってました。)もスウェーデンに拘束されってって僚艦そろって経歴が似てますねこいつら。次回いよいよスカゲラック海峡の戦いか?
続き楽しみにしております。

Re: マニアック!!

ナオ様今晩は!
ORZELは英語風の「オルセル」(Wikipediaはこの表記)、ドイツ風の「オルツェル」と書いてある資料もけっこうありますね。ポーランド語の「エウ」は英語資料では活字(フォント)の都合で「L」になっていることが多いようです。
それにしても、ポーランド軍って豆戦車でドイツ戦車を十数輌もやっつけたり、輸送船になった客船が激戦を潜り抜けて生き残ったり、なんというか「ロマンチックな冒険」の話題に事欠かない軍です(笑)
今後ともよろしくお願いいたします。
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