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Orel イタリア 重戦闘機 Breda Ba.88 "Lince"・中編

昼間は扇風機、朝夜はストーブが活躍するという不安定な気温の今日このごろ、花粉の攻撃もあり体調崩しがちな時期ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
ちょっとだけ本業に余裕ができてそこそこ元気な筆者のお送りする世界のカードモデル最新情報、今回も引き続きウクライナOrel社からリリースされた新製品、イタリア 重戦闘機 Breda Ba.88 "Lince"の紹介。

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しみじみ思うのだが、イタリアの軍用機というのは、どうしてこんなにもカッチョいいんだろうか。そして、どうしてこんなにもカッチョいいだけなんだろうか。

前回のあらすじ:イタリア空軍がスゲー性能の重戦闘機が欲しいって言ったんで、ブレダ社がスゲー頑張った。

空軍からの厳しい要求に応えるため、設計はかなり無理のあるものとならざるを得ず、最終的に完成した機体は細くしぼった胴体と、大馬力エンジンの大きなナセルを組み合わせた特徴的な姿となった。
ブレダ社では特に軍用機としての頑丈さに気を使ったようで、モノコック構造が主流となりつつあった時期に、鋼管フレームに金属外皮という構造を選び、さらに鋼管も同心円状に組まれるなどやたらと複雑だった。
その結果、試作機の機体重量は予定の3トンを大幅に越えて4トン近くになり、早くもヤベー感じとなった。っていうか、重量が予定より30%以上重くなるって、最初っから計算がなんか間違ってたのでは?

そもそも不思議なのは、イタリア語版Wikipediaにある「12Gの負荷に耐える」という仕様で、これは何を意図して設定された数値だったんだろうか。イタリア空軍は最後まで複葉にこだわった格闘戦至上主義だったので、双発重戦闘機で格闘戦をやるつもりだったんだろうか。
ありがちなのはカタパルト射出を想定しての高負荷だが、双発機陸上機をカタパルト射出する必要性が思いつかない。あるいは将来、イタリア軍はカタパルト艦を大量保有するつもりで、全陸上機をカタパルト射出できるようにしておくという壮大な計画でもあったんだろうか。

そんなこんなで、なんのために設定されたからわからない負荷12Gに対応したら1トン重くなったという、この時点で不安しかない試作機が完成したわけだが、この時代の、ノリノリなイタリア航空界はそんなことではめげなかった。
試作機MM.302は1936年10月、同社のテストパイロット、フリオ・ニクロ・ドッリオの操縦で初飛行を果たす。

ドッリオは1932年にフィアットAS.1(水上機型)で当時の水上機高度記録を樹立するなどの功績を持つ優れたパイロットで、この、「予定より1トンも重くなっちゃった、ごめんご☆テヘペロ」な機体で1937年4月1日に距離100キロで平均時速約518キロという世界記録を立ててしまった。
エイプリルフールの嘘かと思ったら、4月10日には距離1000キロで平均時速約476キロを出して、これも世界記録。

調子にのって、ブレダ社は試作機のエンジンをイソッタ・フラスキーニK.14エンジン(空冷14気筒900馬力、フランスのノーム=ローン14Kエンジンのライセンス生産)から、コンプレッサー付きのピアッジョP.XI RC.40(1000馬力。原型はイソッタ・フラスキーニK.14と同じ)に交換してみたところ、ドッリオは1937年12月に距離100キロで平均時速約554キロ、距離1000キロの周回コースで平均時速約524キロと記録を伸ばす。しかも、この1000キロで524キロという記録は1トンのバラストを積んだ状態で出した記録で、これは負荷500キロと負荷1トンの1000キロ周回コース速度記録も同時に達成していた。

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あまり画質が良くないがWikipediaからの引用で、1942年7月、マルタ島攻防戦の最中に撮影されたフリオ・ニクロ・ドッリオ。ドッリオは同月27日、英国空軍に参加していたカナダ人(学歴のためにカナダ空軍に従軍を拒否された)、ジョージ・バーリングに撃墜され戦死した。写真の背景はマッキMC.202 "フォルゴーレ"戦闘機。この角度だと、ヘッドレストと風防の間に隙間があることがよくわかる。

比較対象として、コンセプト、初飛行時期とも似ているドイツのBf110を引っ張ってこようと思ったのだが、ダイムラー・ベンツDB600を積んだ試作型のスペックがどこにも書いていなくて困り果てた。
ただ、Bf110 試作型の最高速度がどんなもんだったとしても、肝心のDB600エンジンの性能が安定せず、しかも生産も全然軌道にのらないもんだから、仕方なく初期生産型となるA型、B型は代替えとしてユンカース ユモ 210エンジンを積んだら、ユモ210はかなりパワー不足で、これら初期型の最高速度はたったの時速430キロという、超ションボリ飛行機に成り果てた。

はああああぁぁぁぁぁぁ~~~~~~430キロ~~~~~~~~~~~?????
よwwんwwwひゃwwwくwwwwさんwwwじゅうwwwwwww
ぶっは、マジうけるwww Bf110って複葉機だったんですかぁぁぁぁぁぁ~~~~~~??
あ、単葉双発でその速度ですか、サーセン!
ないわ~~~単葉双発でその速度はないわ~~~~~~ww
ドイツさんも大変ですなぁ! と大喜びのイタリア空軍はMM.302をBa.88として制式採用する。
いや、別にイタリア空軍がBf110をディスってたわけじゃないんだけど、ついノリで煽ってしまいました。すみません。
まぁ、対立煽りはアクセス伸びるっていうからね。仕方ないね。

と、いうわけで、無事制式採用されたBa.88は、戦闘機なんで、あたりまえに武装が追加され、ブレダ12.7ミリ機銃3丁を機首に、さらに自衛用にブレダ7.7ミリ機銃1丁が旋回銃座に装備された。この旋回銃座の射界を確保するため、試作機で単尾翼だった垂直尾翼は、量産機ではなんか水平尾翼にぶっ刺したみたいな変な形の双尾翼となっている。まぁ、重戦闘機だからね、武装もしっかり重武装にしたいよね。
これらの装備の結果、機体重量は約4.6トンまで増加する。
……また機体重量増えたんですか。

いや、ほら、負荷1トンでも速度記録出せる機体だから(震え声)と、思ったら、この約4.6トンは何も積まない空虚重量で、ここにさらに弾薬と燃料と乗員2人と、戦闘爆撃機として爆装する場合は1トンの爆弾が加わって、全備重量は約6.8トンまで膨らんだ。
いや、そういうのって、テストの時にバラスト積んで実際の運用時の想定とかしないの? もしかして、想定したのが負荷1トンだったの? だったら1トン爆弾なんて詰めるはずないじゃん。

予定重量3トンの機体がうっかり4トンになっちゃって、武装したら6.8トンって、もう創意工夫でなんとかなる数字じゃなくって、完成したBa.88は最大時速490キロという、なんかすっげー地味な性能になっていた。

で、でも、ドイツのBf110君よりは高速だから、と思っていたら、Bf110は1938年に新型のダイムラー・ベンツDB601に換装したC型で一気に性能が向上し、はぁ? 最高時速540キロですが、なにか? と、見事に逆転されていた。
(後編へ続く)

表紙画像はOrel公式サイトから引用


参考ページは後編にまとめて掲載予定。
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