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GPM フランス 重榴弾砲 "SCHNEIDER 155C MLE 1917 " 前編

今週は台風で土日出勤が不可能だったので更新。
先日トイレのタンクがパッキンの劣化で水が全然貯まらなくなってしまい、修理できないかといじっているうちにフィルター栓をすっこ抜いてしまいトイレを水浸しにした筆者のお送りする世界のカードモデル情報。今回紹介するのはポーランドの老舗、GPM社からリリースされた新キット、フランス 重榴弾砲 "SCHNEIDER 155C MLE 1917 "だ。ちなみに水漏れは取り寄せたダイヤフラムで交換したら治りました。

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表紙絵は"SANKO_"のサインでおなじみ、以前はMODELIKの表紙を手掛けていたWojciech Sankowski氏。氏の描く表紙絵はいつも兵士がヘニャっとしているのがチャームポイント。今回もなんか不思議な帽子を被った砲兵3人が榴弾砲の準備をしているが、いったい何軍の兵士なんだ君等は。左側の兵士が被っているのが,ポーランド軍特有の四角形の野戦帽「ロガティフカ」に見えなくもないので、ポーランド軍砲兵かもしれないが、気のせいなような気もしてきたのでやっぱり違うかも知れない。あと、右側の兵士はなんかお腹痛いみたいだ。そもそも、砲身が一杯に下がってる割に砲煙がほとんどないから、これ発射体勢に入ってないんじゃないだろうか。

名前でわかるように、この砲はフランスのシュナイダー社が開発した火砲である。
「シュナイダー」という名前はあからさまにドイツ風だが、それもそのはず創業者のシュナイダー兄弟はドイツ系フランス人であった。なので、正しくは社名もフランス風に「シュネデール社」と表記すべきだが、ミリタリー界隈では伝統的に「シュナイダー(もしくは”スナイダー”)」表記なのでここでもドイツ風で通そう。ちなみに幕末期の日本の小銃で「スナイドル銃」というのがあるが、あれは前装銃の機関部を切り取って、代わりにスナイドル式後装機関部を継ぎ足した魔改造銃の通称で、この「スナイドル式」はアメリカ人のジェイコブ・スナイダー(Jacob Snider)という人が考案したものなのでシュナイダー社とはなんの関係もない。あと、ルーシェくんの体に封印されてる破壊神のアイツも関係ない。

スナイダーは1910年にロシア帝国の依頼により152ミリ榴弾砲というのを設計しており(実際の製造はロシアのプチロフ兵器廠で行われた)、この155ミリ榴弾砲は基本的にその拡大版であるが、資料では第一次大戦が始まってスナイダーが自発的に開発を行ったとも、フランス陸軍の依頼で開発したともとれるので実際のところどうだったのかはよくわからなかった。

新しい"155ミリMLE 1915"は砲員を守る防盾、箱型砲架、木製スポーク車輪、と極めて普通の設計で特筆すべき特徴はなかったが、性能は優れていた。なにしろ、それ以前にフランス軍が装備していたのはシャルル・ラゴン・ド・バンジュという人が1877年に設計した155mm砲で、一応この砲も、もともと駐退機もない砲架に載せられていたのをシュナイダー社が新しい砲架(新155ミリ砲と同じもの)に載せかえて近代化はしていたものの、野戦重砲で重量6トンはあまりにも重く陣地変換は重労働だった。新たな火砲は重量3.3トンしかなかったので、砲兵達は喜んだだろう。
射程は約11キロ(狙った所に落とせる有効射程は8キロ程度)で、これは第二次大戦の火砲に比べるとあまりにも短く思えるが、まだ航空機での着弾観測のできなかった第一次大戦当時では十分な性能だった。実際、敵対したドイツ軍が装備していた標準的な野戦重砲の15cm sFH 13は最大射程が約9キロしかなかったので、アウトレンジからボコボコ砲弾を放り込むことができた。

しかし、第一次大戦勃発直後に設計された155ミリMLE 1915は、戦争がとんでもない消耗戦になるとわかる前に設計された砲だったので、装薬が真鍮製の金属カートリッジに入れられており(砲弾と一体の薬莢式ではない)、1発ごとのコストが高くつくという欠点があった。
そのため、装薬を布バッグにすることとなったが、金属カートリッジってのは柔らかい金属が広がって砲尾を塞いで閉塞する役割もあるんで、普通に布バッグの装薬を放り込んだんでは1発ごとに爆風が砲尾から吹き出して砲員がアチチとなってしまう。
そこで、フランス軍は同じ口径のGPF 155mmカノン砲の砲尾を取り付けることとし、これがMLE 1917として採用される。砲尾の変更のため、1917は1915よりも連射速度に劣ったが真鍮カートリッジがもったいなくてケチケチしながら撃つ必要がなくなったので既存の1915も順次1917へと改造された。

それではSCHNEIDER 155C MLE 1917の姿をGPM公式ページの完成見本写真で見てみよう。

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なんというか、とっても普通の火砲だ。仰角が取りづらいとされる箱型砲架はこの後廃れて開脚砲架が主流になっていくので、この砲やソビエト軍の203ミリ重榴弾砲が箱型砲架の最終形態ということになる(MLE 1917は箱型砲架だが42度まで仰角を取れた)。
車輪を避けるために湾曲した防盾にも要注目だ。比較的近い距離で撃ち合う第一次大戦の野砲では敵砲兵の反撃で撃ち込まれる砲弾の破片から砲を守るため、榴弾砲でも防盾が必要だった。

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移動のために砲身をさげた状態。この後さらに砲架の末尾に2輪のリンバー(キットには含まれないようだ)を咬ませ、8頭の馬で牽引する。トラクターで牽引する場合は動揺や釣り合いに馬匹ほど気をつかわないでいいので、リンバーを入れずにそのまま牽引することも可能だった。

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火砲キットの難所にして見どころ、各部のメカのディティール。細かい工作が要求されるところだが、じっくりと取り組みたい。
(後編に続く)


画像はGPM公式ページから引用。

参考ページは後編にまとめて掲載予定。
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